伊万里散歩(2023.08)
佐賀鍋島藩の御用窯、鍋島藩窯があった大川内山に行ってきました。
江戸時代の初期から明治になるまでの250年間、藩の重要な御用産業として高級陶器を焼き続けてきました。今でもその伝統を引き継いで30件ほどの窯元が営業しています。
街の様子
鍋島藩が製品の品質確保と陶芸技術の流出を恐れて、街中から外れた山中に職人を集め、特権待遇する代わりに厳しい統制下に置かれたらしい。
街の入り口には、鍋島藩の関所跡が残されていました。
鍋島焼(青磁)
鍋島焼といえば、色鍋島が有名で、その流れが今泉今右衛門さん(人間国宝)へと受け継がれてそれは見事なのですが、私のお気に入りは青磁です。
光の当たり具合によって、色が淡くなったり深みを増したり。
艶やかな磁器でありながらも暖かみを感じさせてくれるのに痺れます。
上記の青磁は、前回この街を訪問した時に一目惚れして買っておいたもの。どうしても手元に置いて、日用使いしたかったので、欧州に単身赴任したときにも同伴したという逸品です。
今回の訪問で入手したのは、最近ご自宅を新築された敬愛する先輩へのプレゼントとして青磁の花瓶。こういうのって好き嫌いがあるだろうなと思いつつも、きっとこれなら喜んでもらえるかなと、珍しく私の奥さんとも意見が一致した作品。(写真を撮り忘れました。)
今回、あるお店で「デルフト鍋島」という作品名の、欧州っぽいデザインの白磁の横長の植木鉢を見つけました。
鉢の底に水抜き用の穴がなければ、ワインを寝かせて冷やせるクーラーとして使えそうだったのですが、お店の人に聞いたら特注品になるそうで、、、とても手に負えません。今回は縁がなかったようです。ざんね〜ん!
鍋島焼は鍋島藩直営で、将軍家をはじめとするVIPへの贈り物、鍋島藩での普段使いのためだけに生産され、民間への流出が厳しく制限されていたので、他の地区の伊万里焼のようにオランダを通して欧州へ輸出されていたのかどうか定かではありませんが、伊万里や中国の影響を受けたオランダのデルフトの名前をここで見るとはちょっと驚きです。
後記
ああ、この街に来るとあれもこれもと物欲に心が激しく揺さぶられてしまいます。
こんな私の姿を見たら唐草さんだったらきっと、呆れながらも、首輪のチェーンを外されてはしゃぎ回るワン公を見るような感じで見守りながらも、そのことを面白おかしく書かれるんだろうなと思ったりしました。
(手術が無事に済みますようにお祈りいたします。)
追記
嬉しいお知らせです。ありがとうございました!
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
これまでの収益は全て、それを必要としておられる方々へ、支援機関を通して寄付させていただきました。この活動は今後も継続したいと思っています。引き続きよろしくお願いいたします。