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人工知能(AI)は人為的にコントロールすべきか

こんにちは。
 日本リベラルアーツ協会では「続・大人になるためのリベラルアーツ」に準拠した読書会の第5回を10月14日(木)に実施しました。
今回のテーマは「人工知能(AI)は人為的にコントロールすべきか」です。運営から前提知識をお伝えした上で、本に準拠し4つの問いについて、対話しました。話題提供については是非YouTubeをご覧ください👀


1問目
人工知能という言葉であなたが思い浮かべるものはなんですか。


 はじめに、人間と同じような、思考能力や感情を持つ「汎用型人工知能」「強いAI」(現時点では存在しない)と、
学習機能を持ち更新される、機械学習型・深層学習型の「弱いAI」に分けられる、という定義のお話をご専門の方からお伺いした上で、思い浮かべるものを考えるました。

 まず、「強いAI」
 ・ドラえもん
 ・鉄腕アトム
 ・海外の映画はAIが逆襲してくる、日本は味方になる、なぜだろうか

 続いて「弱いAI」
 ・囲碁などボードゲームが得意。
 ・英語翻訳
 ・Alと会話
 →案外寂しい気持ちが癒されるレベルに到達している?
 ・自分の声を作るアプリもある


 やはり「強いAI」はまだまだ夢物語、SF的な話題が思い浮かび、「弱いAI」では近未来の話題や、実はもう実現してます!といったお話が出ました。本報告書の執筆者は早速、自分の声を作るアプリを試してみました。

2問目
人工知能が軍事に応用されることについてどう思いますか?

 ・実は第二次世界大戦時から既に自動計算で使用されている。
 ・一般には、人間を殺傷する軍事行為の過程すべてを、AIが実施するのはどうか、という問いのイメージだろう。
 ・人間が殺傷をしなくなるので、人間兵士の心理的負担は減る?
 ・「効率の良い戦争」となり、広範囲にわたる爆撃がなくなり、犠牲者が減る?
 ・感情的抵抗感がないので、むしろ犠牲者が増える?
 ・機械どうしの戦争になっていく?
 ・結局、兵器が変わっただけで、何も変わらないのでは無いか。最後は人間がいる本丸を落とす。
 ・サイバーテロそのもので人間が犠牲になる社会になっていく?
 ・「強いAI」が出たときには、どこで線引きするか、そして遵守させるか。
 ・AIが終戦への道筋を示し、死者を出さずに戦争を終えられる可能性が出てくるか。
 ・戦争そのものの防止でどうにか使えないか

 戦争の形をあれこれ思考して、様々な考えが出ました。最終的には、なんとか終戦や戦争そのものの防止を考えるAIをどうにか作れないか、という話になりました。

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↑話題提供時の様子です‼️

3問目
人工知能学会の倫理指針についてどう考えますか。また、科学技術をガバナンスするさい、研究者による自主的規制と社会の側の規制はどうあるべきだと考えますか。

・倫理を正しく語れる人が少ない。なぜ「クローン人間」を作ってはならないか、正確に説明できるか。
 ・そもそも「正しい倫理」自体が時代や文化で変化する。「正しい倫理」を語ること自体が無理なのではないか。
 ・研究段階で規制することは、研究を萎縮させる。
 ・マズさに気づいたとき、どう回避するシステムを作るか。
 ・研究者に悪いことをしようというモチベーションはないと思うが、結果的に悪い結果が出ることはある。
 ・悪用する人や、争いの中で相手陣営にとって悪いAIを作る可能性は存在しうるので、何が悪いのか、一定のルールは必要。


 また、ほかに倫理指針そのものの内容について

 ・9条目は法学的に、広く一般市民に押し付けず、「研究者」「専門家」が守ると強調している。
 ・全体的に、ありきたり。多くの立場を考えて作ると仕方がないが。
 ・免責事項的なものである。

 
 社会におけるルールづくりの難しさを凝縮した対話でした。さすがに未知の新しい知見を出すことは難しいですが、社会における議論を対話的に確認できて、良い場となりました。

4問目
人工知能にどのようなことをして欲しいと思いますか。まだ人工知能と共存するどのような社会に住みたいと思いますか。


 ・労働からの解放
 ・頭脳的労働で属人的なものは残したい。神経を使う、誰がやっても同じ仕事からは解放されたい。
 ・しかし、多様性の観点から、非クリエイティブも必要。人間の仕事がクリエイティブな仕事ばかりなのは逆に窮屈かも。
 ・1000年経ったら非クリエイティブな仕事に歴史的価値や希少価値が生まれる!?
 ・効率性などに価値観が変容。良くも悪くも。「効率悪い」が最悪の悪口に。もうなりつつあるかも。
 ・AIに人間が支配されても良いのでは。
 →神がAIへ変わるだけ、人間は何かしらに支配されてきたから。

 堅い話や深刻な話だけでなく、未来を想像し夢を語れる場面もあり、暖かい場となりました。

おわりに
アンケートにて感想を頂きました。

 ・意外とAIは生活に入り込んでいる。
 ・研究者と一般人の規制の違いについてモヤモヤしている。
 ・AIの未来について他人ごとではない。
   ・AIについてじっくり対話できて良かった。知識があるかないかでだいぶ、仕事が奪われるか?や今後の社会とは?という対話に対して意見が異なるような気がするので、わかりやすい話題提供があって良かった。

 今回も、人工知能や工学を専門とする方のほかに、教育学、政治学、社会学など多様な専門を持つ方々にお集まり頂き、各々の専門や経験、立場を基に活発な対話が出来ました。今回のテーマは専門が異なると、かなり知識量が異なり、お互い素敵な刺激になっていれば何よりです!今回参加して下さった皆様、ありがとうございます!!

 次回は10/21(木曜)に「民主主義は投票によって成り立つか」というテーマで開催します!多くの人にご参加いただけること、楽しみにしています!興味がある方は是非オープンチャットへご参加ください。

 なお、次回の開催は国政選挙期間中に開催されますが、本会としては、特定の候補者及び政党を当選させる、又は当選させないよう運動する、いわゆる「選挙活動」とは関係ありません。
広く多様な意見を頂き、尊重したいと願っておりますが、公職選挙法上、特定の制限を受けるお立場の方につきましては、各自ご注意頂きたく存じます。
 また、日本国内で、満18歳に満たない者が、「特定の候補者及び政党へ投票させる、又は投票させない」ための「選挙運動」をすることは、法で禁止されておりますので、ご注意下さい。

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