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孫子の兵法学習会

0.はじめに

ご無沙汰しております。日本リベラルアーツ協会では、朝活の機会と東洋思想から生き方や働き方を見直す活動をこれまでして参りましたが、その一環として他団体と協力しつつ、孫子の兵法学習会を開催しております。
この記事は10月22日に開催された会の内容をざっくりとご紹介致します。

孫子の兵法とは?

『孫子の兵法』は2500年前に書かれた兵法書ですが、現代でも多くの成功者といわれるビジネスマンや政治家がこぞって愛読書に挙げています。
例えば現代でもビル・ゲイツや孫正義は、自分の経営原理が「孫子の兵法」にあると言っています。
また、積水グループにいたっては、社名を孫子の一節から取り『積水』と名付けました。
このように時代を越え、洋の東西を問わず2500年もの間、読まれ続けているのは、単に戦のやり方にとどまらず、自然の理にかなったものであり、人間の本質に根差した知恵がふんだんに盛り込まれているからです。
そして学んだことがビジネスや生活に活かしやすい実戦力に富んだものであるからです。(講師、古川様より)

1.今回のテーマ〜費留は避けるべし〜

今回のテーマは、「費留は避けるべし」です。
ここで費留とは無駄な損害のことです。経営学ではサンクコストがほぼ同義になります。費留はなるべく避ける必要がありますが、すでに回収不可能となったコストを惜しいと感じ、さらに多くのコストをかけようとする心理が働くことに注意しなければなりません。

孫子の兵法の基本はなるべく戦わず、已む無く戦う際は必ず勝てる状況を作り出すというものですが、人間は勝ちが続くと次も勝てるはずだと思い込んでしまいますよね。
かの、ナポレオンも負けるまで戦ってしまったため、惨めな最後をとげてしまいました。このことは、あまり知られていませんが、負けるとはこういうことです。

「コンコルド効果」や「コンコルド誤謬」という言葉があります。超音速旅客機コンコルドの開発は初期の段階で不採算になることがわかっていました。しかし、それまでに投じた約4,000億円の投資を惜しみ、そのまま開発を続けた結果、数兆円もの赤字を出してしまいました。
この事例を取ってすでに費やした時間やお金などを惜しんでさらに不毛な投資をしてしまうことを「コンコルド効果」や「コンコルド誤謬」といいます。
ヒモや恋人にお金を使ってしまい、なかなか別れられない。ブラック企業をなかなか辞められないというのも同じ心理が働いています。
また、意味合いは異なりますが、類似の概念(心理)としてスイッチングコストがあげらます。これは現状を変化させるときにかかる物理的・心理コストのことです。これがあるので正しい判断ができないということが多く見られます。

◆ビジネスなどでの活用方法

これを避けるには、客観的な立ち位置の専門家を確保しておくことや、保険をかけてリスクを移転しておくことが考えられます。また、コストを活用する方法として節税、タックスシールドなどの活用を考えるといいです。

また、ビジネスでこの心理を活用するには、とにかくはじめの一歩を進めさせることがあげられます。
例えば○○管理業のような業種の場合、細かい設備管理契約を結ぶとか、調査を行うなどが考えられます。
いったん契約すると、変更するのにいろいろ手間や問題があるためなかなか変更されるということがありません。
例:不動産管理、税理士など。

2.参加者のシェア

参加者の方の考えたことや感想になります。

・事業を活用伸ばして行くことはいいが、精査しながら
振り返ることが重要。
・組織は内から崩れる。
・ベイビーステップで進むのが大事。
・価格設定の面でも同じことがいえる。
・結局欲との戦いだ。投資の世界では一度成功すると破産することはよくある。自分を律することができるかが大事。
・戦略的撤退は難しい。
・最終的な敵は自分なんだなと思った。※克己
・地位か名誉か金か、いや、大切なのは目的だ(五代友厚)という言葉を思い出した。

3.終わりに

いかがだったでしょうか?孫子の兵法って面白そうと思われた方は毎週土曜日の朝7時45分に開催しておりますのでお気軽にご参加ください。
ビジネスや生き方に活用できるだけではなく、人間の本質的な性を突きつけられているようで非常に考えさせられます。(その点がリベラルアーツとの接点ですね)

Zoomミーティングに参加するhttps://us06web.zoom.us/j/8607510733?pwd=bTJkMkFUTFpObzdueitaNmQ0cG9iQT09

ミーティングID: 860 751 0733
パスコード: yori

講師の古川様は論語と算盤で考えるSDGsの代表をされています。


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