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それっぽい言葉で感情を流さない。
「杉並区に引っ越された伊藤さん」
役所の人と話していて、こう呼ばれたことがある。
「伊藤」というのは、もちろん僕の名字だ。
とある日。保険のことについて聞きたいことがあって、
区役所の問い合わせセンターに電話をかけた。
時刻は朝9時。
太陽がさんさんと輝くほどの快晴で。僕の気分も快晴だった。
話を戻そう。
「杉並区に引っ越された」と言う僕を説明することばについてだった。
当然目的ははっきりしている。
個人を特定するためにあえてつけた言葉だ。
それでも、何か言葉にしづらいほんのわずかな違和感を感じた。
違和感と言ってもどうやらマイナスなものではない。
ポジティブなものだ。
面白い。シンプルにこう思ったんだ。
言葉を選ぶセンスが独特だと感じたから、だと思う。
本当にパッと思ったことだから、半信半疑だけど。
そもそも、他にも言い方はたくさんあるはずだ。
だって、僕と言う人間はいくつもの要素が組み合わさってできているから。
シンプルでありたいと常日頃から思っている僕だけど、残念ながらややこしくて、めんどくさい。それが僕だ。
例えば、僕は、新卒でフリーランスになった人間だ。
例えば、杉並区でシェアハウス暮らしをしている人間だ。
午前中、営業開始とほとんど同時に問い合わせセンターに電話をかけた人間だ。
その中で、杉並区に引っ越された、と切り取ったのは何か理由があるのだろうか、そう思った。
おそらく、理由などないのだろう。
役所の人はそこまで考えて口に出したわけではない。
逆にあったとしたら詳しく聞いてみたい。
きっと僕のいつもの癖だ。
考えすぎなんだろう。
それでも、違和感を感じたのだから考えてみる。
「もしかしたら」から思考をスタートする。
こんなことばかりを繰り返して、僕の人生は進んできた。
どうでもいいことを考えて何になるんだと思った人もいるかもしれない。
しょうがないことだ。
だって、考えてしまうから。
フリーランスとして、個人として生きていくために。自分の心に逃げずに向き合うために、自分の頭で日常的に考えている。
意識的に止めようと思っても、簡単には止まらない。
さらに言うなら、僕が考えていることを共有したいから、書いている。
何になるかもならないかも分からないことも考える。
考えて、かく。
それだけだ。
昔から母とドライブしながら話すのが幸せな時間だった。
話が一区切りした後にこんなことを言われたことがある。
「そんなこと考えたことなかった。」
「よくそんな変なこと思いつくねえ。」
「もっと気楽に考えたら?」
いつも不思議そうに首を傾げる母。
僕としては当たり前のことをしているつもりだった。
変なことだとも思っていない。
考えるのにストレスも全く感じてない。
自然体100%で思考を回していた。
どうやら他の人にとっては、僕の思考はいわゆる「普通」じゃないらしい。
鈍感な僕でも高校生にもなると気づき始めた。
大学生になる頃には、心から確信していた。
僕にとって「それっぽい言葉で感じたことを流さない」のはとても重要だ。
なぜなら、僕の思考は「普通」じゃないっぽいから。
世界遺産とかと同じだ。何か普通じゃない要素があるから特別に取り上げる。細かい特徴なども見逃さないように、分析し研究する必要がある。
だから、わずかな違和感を見逃さず、なんで?を何回も繰り返す。
「なんとなく」が混じり合った僕はきっとぼくじゃない。そう思っている。
もう一つの理由は、他の人の感覚も同じくらい大事にしたいから。
「なぜこの表現を使おうと思ったのか?別の言葉じゃダメだったのか?」そこには何かしらの理由やそこにしかない1人の想いがあるはず。
多くの人が見逃したとしても、自分だけは見逃してはいけない。気づける人が気づいて反応を返す必要がある。そう思うのだ。
何度も言うように、考えることは僕にとっては当たり前のことで、苦ではない。
もしかしたら人とは違う視点・こだわりを持ち、物事や感情を捉え、考えられることは僕の得意分野なのかもしれない。
その代償にちょっとコミュニケーションに難があるみたいだけど。
だからこそ、こうやって書いている。書いて、何度でも伝えようとする。
普段から本気で生きて、感じたことを言葉にして伝えようとする。
違和感をそのまま流さない。
僕が本領を発揮するためにはきっと必要なことだ。
今日もまたひとつ、気づいた。
ペンを置いたら、晴れやかな気持ちでランニングに行こう。
皆さんのお気持ちを、こっそり置いていっていただければ。小さな幸せ、これからも皆さんに与えます。