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熱量をあげる実験

最近、スポーツビジネスの世界でも「ファンエンゲージメント」という言葉をよく耳にします。
「ファンとのつながりを強める」マーケティング施策を指しますが、
個人的には、「ファンの心をくすぐり、熱量をあげる実験」と解釈しています。

そんなファンエンゲージメントについて、先日、面白い区分を目にしました。
それは、「レストラン」と「バーベキュー」という分け方です。
この分け方がとても秀逸でしっくりきたので、事例を交えながら整理したいと思います。

ちょうど週末を控えているので、
これから、おいしいお肉を食べる旅に出かけるとしましょう!!

1.レストラン型ファンエンゲージメント

おいしいお肉を「レストランで食べる」という選択をした場合、どういったイメージを持つでしょうか?

例えば、
有名なソムリエがいて、お肉に合わせたワインを選んでくれたり、
高級な食材を使って、目の前で調理をしてくれる、
優雅な音楽と、ゆったりとした空間 etc...

そんな状況をイメージしてください。

これらがレストラン型ファンエンゲージメントを構成する要素となります。

要するに、レストランで食べるというのは、完成されたものを五感を使って楽しむ行為です。
そこには、提供者と消費者という関係が存在します。

サッカーに当てはめれば、
完成されたサッカーという試合を中心として、
横浜Fマリノスが配信している舞台裏を紹介する動画コンテンツ「THE DAY」のような、その料理をつくる過程を見せるもの(オープンキッチン化)や、
素材のルーツを知る「まりびと」などがレストラン型の好事例として挙げられます。


また、ソムリエと一緒に料理を楽しむ事例としては、戸田和幸さんが立ち上げた「深解説」などもコンテンツとして非常に面白いです。

これらのコンテンツはどれも、クオリティが高く、見ているだけで感情を揺さぶられるので、熱量は自然と上がっていきます。
と同時に、「友人・仲間にも知ってもらいたい」、という気持ちが高まるため、後述のバーベキュー型の一部となる拡散をしていってもらうきっかけにもなります。

2.バーベキュー型ファンエンゲージメント

一方、おいしいお肉を「バーベキューで食べる」というのはどんなイメージでしょうか?

みんなで食材を持ち寄って
一緒に野菜を切ったり、火を起こしたりするところから始め、
ワイワイガヤガヤその場の雰囲気を楽しむ

そんなイメージでしょうか。

さきほどのレストラン型は提供されるのに対し、バーベキュー型は、そこに集まる一人一人が参加者になるということが、大きな特徴だと考えられます。
裏を返せば、みんなが参加者になれるよう、「余白」を作っておくというのが鍵となります。

バーベキュー型の例として本当にすごいと思ったのは、SHC同期の松本雄一さんがnoteでも書いていた横浜FCの「UGC施策」です。

詳しくはリンク内で事細かに書いてくれているのですが、とても勉強になります。(是非まだ読まれてない方は読んでいただきたいです。)

もう一つ、バーベキュー型の特徴は、コンテンツ自体に大きな価値が現時点でないものも、みんなの力で盛り上げていく、その過程を楽しむことができるというのも大きいのかなと思います。
だからこそJ2・J3クラブなどはそこに力を入れるべきだと個人的には思います。

最近、FC町田ゼルビアもパートナー事業部のメンバーが自ら発信してくれることで、見える関係性を構築し、一歩ずつですが、過程を楽しみ始めております。是非、温かい目で応援していただけると嬉しいです!
みんなでやっている水戸ホーリーホックさんとかホントすごい!

マリノスのコンテンツ力、強い。。。ありがとうございますw

3.まとめ

今まで述べたように、ファンエンゲージメントといっても、
大きく「レストラン」と「バーベキュー」に区分してみると、できることも変わってくると感じています。

もちろん、どちらか一方を選ばなければいけないわけではなく、場合分けをして色々なことを試す中で、それぞれのクラブの状況によって、合う合わないが出てくるものだと思います。

ですので、あくまでファンエンゲージメントは「鉄則」というものではなく、「実験」という風に表現をさせていただきました。

これからも色々なトライをしていく中で、気づきを共有できればと思います。


と、ここまでを書いて終わりにしようと思ったのですが・・・・

一流シェフによるバーベキュー型ファンエンゲージメントの事例が出てきたので、最後に紹介します。

これは破壊力満点ですね!!これだからスポーツビジネスは面白い!

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