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ちかくてとおい大地のめぐみ〜earthing〜


なるべく よごれないように。
つちが なるべく つかないように。

「土にはバイキンがいるから、あまりよごれないようにしましょう」

そんな価値観のなかで育ったわたしにとって、ずっと「土」は直接ふれることが少し ためらわれる、身近にあるけど遠い存在でした。

インドにいたころ、ともにヨガを学んだ世界各国の友人たちは、ほとんどが「裸足」で外をあるいていました。身軽で、気もちよさそうな裸足に惹かれつつも、わたしはそれでも足の裏を汚したくなくて、いつも靴下と靴をはいていたのです。

アシュラムのいりぐち

インドのアシュラムの入り口


滞在していたアシュラムはインドでもかなりの田舎にあり、そのころは電気もほとんど通っておらず、1日に数時間だけ発電機で電気が供給されていました。

コブラやサソリ、いろいろな生き物も敷地内にいました。猛毒をもつコブラやサソリの場合は、みつけたら先生が捕獲し、アシュラムからかなり遠くで放していました。

とかげ

ある朝、アシュラムの木にいたトカゲ?ちゃん😁


アシュラムにはじめて滞在していたころ、ある日わたしは知らないうちに蜂に触れてしまい、チクリと手を刺されました。

そんなことは日常茶飯事だったので、自然療法の先生はすぐに常備していた「土」を水でとき、刺された場所にそのまま貼付。そのときの土のひんやりしたやさしい感触を今でも鮮明に思い出すことができます。

そして患部は全く腫れることなく、翌日にはきれいに治っていたのでした。

それは土の力に直接触れた、はじめての体験でした。

インド各地にある自然療法センターでも、「土」はだいじなお薬のひとつです。それはだれにでも無料であたえられている、自然のめぐみそのもの。


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ナジック市にあるヨーガ&自然療法センター。わたしもここで学びました。
https://www.yogapoint.com/yogatherapy/therapycenter.htm


それでも「使える土」は「汚染されていない」ことが必須です(汚染されていない土地の表土から1.5〜2メートルのところの土を濾してトリートメントに使う土をつくります)。

農薬、殺虫剤、除草剤、排気ガス。多くの場所が汚染されているなか、田舎でさえ、「安全な土」が手に入りにくくなっているのは残念なことです。

そしてまだまだ、多くのひとが「ばい菌」にとても神経質になってしまう日本では、なかなか土の素晴らしさについて共有することができず、インドでの体験や学びは胸にしまったまま、相変わらずしっかりと靴を履く生活を続けながら、月日は流れていきました。

インドの自然療法センターで学んでから数年経ったころ、わたしは信州に移り住みました。

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そして全く予期していなかったのですが、そこでまたたく間に 原生林と恋に落ちました。住むことになった場所から歩いて45分の場所に、美しい森(原生林)があったのです。


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毎日、仕事の朝礼がある7時40分までにもどってこられるように、朝5時くらいには起き、毎日毎日、嬉々としてこの森に通いました。

そして1年以上経ったある夏の日のことでした。

森につくと、わたしはもう我慢できなくなって、靴も靴下も脱ぎ捨てて、裸足になったのです。

大地に直接、触れたい。

触れずには いられない。

それは からだの奥から突き上げてくる欲求で、はじめて少しぬかるんだ、やわらかくて香ばしい薫りの土に足を浸したとき、ふつふつと、しずかで力強い、やさしい響きが足裏から全身を駆け巡りました。

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(じゆうな木)「土さん、、、ただいま🥺♡」
(大地)「♡✨」


そしてそれ以来、森のなかではなるべく裸足で歩くようになりました。

やがて自然と、川にも裸で飛び込むようになり、皮膚全体で森を味わうとき、とても自由で解き放たれた素晴らしい感覚に満たされました。

加えて不思議なことに、大地に触れれば触れるほど、からだは めきめきと強くなり、身体を覆うものが少なくなっているにも関わらず、基礎体温は少しずつあがっていったのです。

森を離れた今も、土に触れたくて、自分の自然農の畑では真冬以外は裸足になります。もう足の裏や手が汚れることも気にならなくなりました。

2-3時間、裸足のまま畑の手入れをして、畑で寝っ転がって空を見上げる。そのときは、まるで背中がパッカーン!と ひらいた感覚になります。そこから羽根がはえて、飛んでいけそうな(!笑)そんな開放感さえ感じます。

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そしてそんな折、インドの自然療法センターの先生から、1通のメイルを受け取りました。

(先生)「じゆうな木ちゃん、とってもすてきな映画を観たからリンクを送ります。それは earthing(アーシング)、大地に直接触れることの素晴らしさとその癒しを科学的にも証明した映画でした」


上記のURLから無料で公開され、だれでも観ることができるのですが、英語のみになっています。

内容を要約すると以下のようになります。

ひとと大地(地球)とのつながりを絶っている壁(つまり、靴!)を取り除くことによって、体内に蓄積されていた静電気や毒素が流れ出し、体内の炎症(さまざまな病気の原因)を癒し、心身の健やかさを取り戻すことができる、という内容。「靴」(特にゴムがついているもの)は、「絶縁体」として働くため、体内の毒素や静電気も外に出て行くことができないそうです。


映画はとても具体的に、この効果をみせてくれていました。それは赤ちゃんの夜泣きから、もう治らないといわれた難病、謎の湿疹(湿疹も炎症のひとつ)、アレルギー体質の方まで、身体の悩みを抱える、たくさんの方たちの回復を科学的な裏付けとともに紹介していました。

裸足になることはとても簡単で無料でできるし、副作用もありません。無農薬の畑や庭がなければ、海辺(砂浜)や里山、公園(除草剤を使っていないところ)などでもよいとおもいます。ほんの少しでも裸足になる機会があれば、身体のなかのいろいろな巡りもよくなり、少しずつですが健やかさも取り戻せることを、わたしも実感しています。

「レイキ」というヒーリングもインドではセルフケアとして多くの方が日常に取り入れていらっしゃるのですが、その「レイキ」の考えでも、エネルギーは頭頂から入ってきて、いわゆる正のエネルギーは手のひらに、負のエネルギー(体内の毒素を含む)は足裏から出て行く、という考えがあります。

タイでも、「足の裏をひとに向けない」というのは、大事な作法ひとつで、子どものころからかなり厳しく躾けられます。見えないけれども、そういったエネルギーの流れを昔のひとはしっていたのではないかな、と、インドでの体験やレイキにも触れ、ますますそう感じるようになりました。

そしてつい先日、「土」に関わる、地元で開催されたちいさな映画会に参加しました。
「いただきます ここは発酵の楽園」という映画。


このすてきな映画のなかでも、土の素晴らしさが描かれ、土のなかの「土壌菌」たちと体内の「微生物」たちとのつながりも感じられる内容でした。

手のひらには少なくとも数億の微生物がいて、その多くが皮膚常在菌と呼ばれています。この皮膚常在菌、腸内細菌、土壌菌は緊密に繋がっているそうです。種まきをするときも、皮膚常在菌の多い子どもたちが素手でタネをまくと、元気な野菜が育ち、またその野菜を食べるとさらに腸内細菌も増える、という素敵な循環がうまれます。

「土」が秘めている可能性のおおきさ、そして、それが実はもうすでにすぐそばに与えられていることに感動し、ますます土に触れることの素晴らしさを実感します。

考えてみれば、野生動物も鳥も、みんな「裸足」です。彼らが ひとほど、さまざまな病気にかからないのは、裸足で常に大地とつながっているから、とも考えられるような気もします。

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そして何より、むずかしい理論や科学的根拠云々はさておき、体感として、それはとてもきもちがいいのです。

大地を裸足で歩く。
さまざまな草を感じる。
土の温度を感じる。
朝露を感じる。
寝っ転がる。

それは、ほんとうにきもちがいいことです。


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(じゆうな木)「大地さん、ありがとう☺️♡」
(大地)「♡✨」




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のびのびと たのしそうな菜の花の葉っぱさん✨
(じゆうな木)「きょうもきもちがいいですね〜😊♡」
(菜の花)「ね〜♡」



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土さん、ありがとう✨
すこやかさを ありがとう♡