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四季の中から届く季節を1つ選べる『手紙』 をデザインした話〈HOTEL編〉

これは某ホテルクライアントのイベント用に、ユーザーが四季を選んで送ることができる『手紙』を企画提案デザインしたお話です。

みなさま、いかがお過ごしでしょうか。
世界も、日本もなんだか大変になってきましたが、この際、家の中で過ごすなら、一つ『お手紙』なんてどうでしょう。

相手のことを考える良き時間になります。
さて、本題です。

大晦日イベント限定のツールを作りました。

去年2019年の師走のことです。あるホテルのクライアントから、31日の大晦日に宿泊したお客様用に『手紙』を使った1日限定のイベントをしたい。とお声がけがありました。

なんでも、新年のカウントダウンを宿泊者と祝うのだという。
その際、宿泊者が『この一年を振り返り』や『新年への目標や決意』といったものが書けるようなモノ。ということで、

手紙』というツールが最適解であると行き着きました。

11月も終わる頃に、この相談を受けた私は、焦りつつ、唸りつつ、考えました。やはり、モノづくりには、作る上でのテーマやストーリーが欠かせません。原点に立ち戻ります。そうだ、
このホテルがある青森県奥入瀬(おいらせ)地区は四季の移ろいがとても美しい場所なのです。

なので『四季』→あっ『四季を選んで配送』いいな。

完全なユーザー目線です。
ただ...ホテル側のオペレーションが面倒そうだな。
と、思ったのでした。

ホテル快諾

面白い!と即決でした。(不安もよそに)
本当に良き案にのってくれるクライアントは素敵な存在です。(大切です)

つまり、解説すると、

・この手紙には4つの領域(ゾーン)があります。

水平に半分、垂直に半分、十字に線を引くと、4分割になりますよね。
右上:春(鳥の尾っぽの右側、花の葉で区切る上部のゾーン)
右下:夏(トンボの左羽から右側のゾーン)
左下:秋(木のみ、ミノムシ、落ち葉のゾーン)
左上:冬(うさぎと雪の結晶ゾーン)
という領域になっているのが分かるでしょうか。

・4分割の一つのゾーンを選択! 塗り絵する。

あらかじめ用意したカラフルなペンで、塗り塗り、塗り絵してもらいます。
塗った季節に届きます。

ホテルのオペレーション、大変です(ありがとうございます)
4つに分けて保管、季節ごとに4回の配送。

届く時差が、面白い

普通の郵便は、良くも悪くも最短で届いてしまう。
しかし、この手紙は、早くても次の季節まで届かないのです。
冬を選択した人には、約1年後に届くわけです。

時差を利用すると、忘れた頃に届くというメリットがあります。
つまり、忘れた頃に届くので、不意打ちができる。
その不意打ちで、じわーっと、氷が解けるように心にしみてくるのです。

ホテルのことを思い出したり(また行きたくなるという広告にもなる)
自分自身に出すという面白みにもなります。(思い出してね的TODOにも使えます)

この手紙、透けます!

そしてこの手紙には、忘れてはならないもう一つ大きな特長があります。
ギミックでもあるその特長は...なんと『透ける』こと。

光にかざすと(つまり逆光で見ると)紙が暖かく透けるんです。

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ホテルには暖炉があります。
しかも、シンボリックな暖炉で、なんと岡本太郎さん作。(記憶では...遺作だと言われている)
それを観に行くだけでも一見の価値があるホテルですが、その暖炉の灯火の前にこのカードを展示しました。

画像2

期せずして、岡本太郎さんとコラボレーション。

これから届く人もいる

春を選択した人には、そろそろ届く頃でしょうか。
コロナが終息して、この手紙を手にした人がじんわり奥入瀬のことを想う...そういう日が、一刻も早く訪れるといいなと思います。

購入可能となりました!

弊社Webショップ、または十和田市現代美術館、奥入瀬渓流ホテルにて、限定販売しております(なくなり次第終了となります)

ぜひ、手にとってご覧いただきたいです。



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