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若者のスマホ文化から紐解く、新時代に必要な「妄想」のかたち/メディア環境学者 久保友香

本記事は、株式会社金風舎が9月30日に発刊する『妄想講義 明るい未来の描き方と作り方』の著者紹介記事です。職業も価値観も様々な24人の著者が、自分・仕事・社会・未来を自由に妄想します。

バーチャルな自己が生み出す、新しい時代に必要な「妄想」

久保 友香(くぼ・ゆか)
メディア環境学者 1978年、東京都生まれ。2000年、慶應義塾大学理工学部システムデザイン工学科卒業。2006年、東京大学大学院新領域創成科学研究科博士課程修了。博士(環境学)。専門はメディア環境学。東京大学先端科学技術研究センター特任助教、東京工科大学メディア学部講師、東京大学大学院情報理工学系研究科特任研究員など経て、独立。著書に『「盛り」の誕生-女の子とテクノロジーが生んだ日本の美意識-』(太田出版、2019年)。『ガングロ族の最期-ギャル文化の研究-』(イースト・プレス、2024年)

メディア環境学者として若者の「盛り(デジタル上の自分の見た目を加工する)」の文化を研究する著者が、今回「妄想」というテーマで語ったのは、若者の中でメジャーになっていく「自分らしさ」と「他者理解」に対する新しい価値観だ。それを、彼女自身の研究の道筋から丁寧に紐解く。

「妄想」をテーマにしたビジネス書を参照しながら、ビジネスシーンで語られる「妄想」の意義と、若者世代の中で形成されつつある「妄想」的な文化、価値観との対比を緻密に描いていく。スマホが当たり前に普及し、SNSが広まり、バーチャルな自分という第二のアイデンティティが習慣化した若者ならではの自己像が、その考察のカギだ。

しかし、このようにメディア環境が変化しても、一貫して、若者たちはバーチャル世界で「バーチャルな外見」になり、「リアル世界とは異なるコミュニケーションをして、リアル世界とは異なる基準で評価される」ことを「妄想」し続けてきたのだとわかる。
それは未来でも続くと考える。それをもとに私は、画像コミュニケーションの未来を予測している。

本文313ページより

文の最後では、これからの時代に必要となる新たな「妄想」の形を提案する。これは、私たちが固定観念として持っていたアイデンティティに対する新たな問題提起でもある。

次世代をつくる本流になるのは、間違いなく若者世代だ。彼らが作り出す「妄想」の内実を捉えることで、私たちが向かうべきところが明らかになるだろう。

その詳細はぜひ、本編で。



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