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商業化されすぎた「バレンタインデー」をコロナ時代に問い直す|67%のドイツ人は贈り物は不要と回答

ふたりで過ごすことがもはや特別じゃないコロナ時代

ドイツでもバレンタインデーは「愛を確かめ合う日」として認識されており、性別に関係なくパートナーと花束やプレゼントを贈り合ったり、レストランで食事をしたりするのが一般的だ。しかし、百貨店のバレンタイン商戦がある日本のように、近年ドイツでもバレンタインデーは商業化されすぎているとの見方が強い。

バレンタインデーの起源は3世紀まで遡る。ローマ司祭のウァレンティヌスは、法律に背いて結婚を禁じられていた兵士たちの結婚式を執り行ったため、269年2月14日に処刑されてしまった。そして聖ウァレンティヌスは、恋人たちの守護聖人と呼ばれるように。結婚式ではウァレンティヌスが自分の庭から恋人たちに花を贈ったといわれており、このエピソードはバレンタインデーにおける花の売上に大きく貢献しているとか。

調査機関YouGovによると、ドイツ人の67%はパートナーからの高価な贈り物はいらないと考えているという。さらに、コロナ禍において一緒にいる時間が増えたというカップルが大多数であるため、わざわざバレンタインデーに「ふたりでゆっくり過ごす」という価値が下がったともいえる。

もう「罪滅ぼし」的なバレンタインデーをやめよう

ICONISTのフリー編集者であるグローリア・フォン・ブロネフスキー氏は、コロナ禍は商業化したバレンタインデーをカレンダーから削除するチャンスだと語る。そもそもバレンタインデーに贈りものをしたり特別な時間を過ごしたりすることは、愛情不足などに対する「罪滅ぼし」とも捉えられる。パートナーと一緒にいる時間が多いコロナ禍に、わざわざこの日に特別なことをする必要がないということをわたしたちは学んだのではないだろうか、と同氏は問う。

またフォン・ブロネフスキー氏は、もし今パートナーとの関係性が危ういという場合でも、アマゾンで急いで何か注文するべきではない、と読者に対して助言。その代わりにロックダウン後に向けて、ホテルの週末宿泊プランを用意したり、お気に入りのレストランの食事券を手に入れ(※)、ドレスアップする価値のあるすてきな夜を過ごそうと呼びかけている。

※2月14日現在、ドイツではロックダウン措置のため、観光目的などのホテルの宿泊は禁止、飲食店は閉鎖されている(テイクアウトおよびデリバリーは可能)。

参考:ICONIST「Macht der Lockdown den Valentinstag überflüssig?」

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