部長・課長は、「ゴルフ」や「飲み」の相談を仕事中にして許される理由。

「部長」や「課長」は、仕事中に「ゴルフ」「飲み」などを仕事中にずっとしているのに、どうして許されるんだろうか。どうして「一般社員」と比べて給与が高いのか。このような疑問を多くの人から投げかけられる。

その理由は、「部長」や「課長」の給与は、「業績」(会社の売上や利益)の対価として、支払われるものだからであるからである。一方で、「一般社員」の給与は、「労働時間」を提供した対価として、支払われるものだからであるからである。

ただ、ここまで読んでも皆さんは、納得しないだろう。

人事部で、会社全体の給与や賞与の計算や支給を行なった経験や海外の人事制度を学んだことを踏まえ、具体例をあげさせていただく。

いきなり話は変わるが、なんで会社は、存続できるだろうか。

それは、お客様が「商品」や「サービス」を購入していただくことで、「売上」が上がり、「利益」が得ることができるからである。

「部長」や「課長」は、会社の経営側として、「売上」、「利益」を達成させる責任がある。「売上」や「利益」の目標に到達できなければ、給与の大幅な減額もあり得る。ニュースで、大企業の経営者が、業績不振で「役員報酬」の半分をカットされたという話も見ることもあるだろう。

例えば、2020年6月に「月給100万円」を支給されていた部長が、7月に「月給120万円」か「月給80万円」になるのかは出した成果(売上、利益)による。一方で、とある一般社員の7月の時給「1000円」とすると、出した成果によって、来月8月の時給が「2,500円」になることはほとんどないだろう。一般社員の給与は、成果によってほとんど影響を受けない。

日本の法律(労働法)では、会社は、最近まで経営側に近い管理職の労働時間を把握する必要がなかった。法律で義務になっていないので、「部長」や「課長」の給与は、労働時間で決まっていないことを裏付けるだろう。

例えば、「営業部長」であれば、会社から与えられた売上や利益に貢献すればいい。1日2時間で達成するのであれば、2時間の労働で大丈夫である。倫理的なことは別として。

一方で、日本の「一般社員」の給与は、労働時間によって決まっている。私の時給が「1,000円」だったとする。8時間働けば、「8,000円」の給与が支給される。80時間働けば、「80,000円」の給与が支払われる。

成果があがれば、時給が「200円」上がるかもしれない。残業すれば、時給が残業割増「1.25倍」になるだろう。でも、給与を決定するものは、働いた時間(労働時間)がベースになる。

確かに、欧米などの人事制度では、一般社員(オフィスワーカー)は、「職務技術書」(job description)に基づき、仕事の範囲を決められている。その定められた仕事範囲だけをすれば問題ない。決められた仕事の範囲以上の成果を出せば、給与アップの交渉をできる。決められた仕事の範囲の成果を出せなければ、最悪解雇される。

日本のほとんどの企業では、「職務技術書」(job description)に基づいた雇用契約を結ぶことはない。新卒で「総合職」という採用枠があることから、仕事の範囲は、明確に決まっていることはほとんどない。つまり明確に求められる成果は、決まっていない。

部長・課長が、「ゴルフ」や「飲み」の相談を仕事中にして許されるのは、「売上」や「利益」に基づいて、給与が支払われているからだ。もちろん、倫理的なところは考慮せずに。

労働時間によって、給与が決まっている一般社員が、「成果」によって給与を受け取れるためには、どうしたらいいのだろうか。

「独立して、自身が経営者になる。」「フリーランスになり、自身で仕事の単価を設定し、報酬を受け取る。」「営業職やプログラマーなど、成果が見えやすい仕事で成果をPRする。」などが考えられる。

「成果」による給与と「労働時間」による給与のどちらが良いだろうか。人によって向きや不向きがあるので、検討して見ると今日からの仕事の捉え方が変わるのではないだろうか。

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