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本当は神社マニア。 [神社izm]→https://jinjaizm.com 【物事は是々非々】 読書記録。 過去2、3年〜最近の間に読んだものをちょこちょこ追加しています。 それ以前のものは、気が向いたら掲載します。

最近の記事

読書記録|アダム・ハート=デイヴィス 『パブロフの犬 実験でたどる心理学の歴史』

読了日:2024年3月31日  「心理学」の起こりから現代に至る発展を、歴史の流れとともにたどる。蘊蓄を述べるというよりも、これまでに行われたメジャーな実験を淡々と紹介していく内容となっているため、心理学に少しでも触れたことがある方には、既知な部分は少々退屈な部分があるかもしれない。その場合はその項目を飛ばして読んでもいと思う。逆に、これまであまり心理学を知る機会がなかった方にとっては、堅苦しくなく読める上に、身の回りに思いを巡らし「ああ、これってあのことかぁ」という発見も

    • 読書記録|山口周 『武器になる哲学』

      読了日:2024年3月18日  昔、CDのジャケットを見て、インスピレーションで「なんとなく良さそう」と感じて買ってみたら大当たりだった!……という、所謂”ジャケ買い”(死語かもしれない)的に軽い気持ちで買ってみた本。これが実に面白かった。  数ページずつに分けて50名の哲学者を紹介しつつ、キーコンセプトを踏まえた上で現代に活かす術を伝えている。登場する哲学者は、知らない人はいないであろう人物から、名前を聞いたことのない人物まで様々だが、「この理論は知っている!」と、どこ

      • 読書記録|小室直樹 山本七平『日本教の社会学』

        読了日:2024年3月2日  社会学の宮台真司氏が「極右の師匠」と表現する小室直樹氏と、代表作『「空気」の研究』で知られる元帝国陸軍将校の山本七平氏2人による『日本教の社会学』。  日本という(特に外国人から見ると理解し難い)奇妙奇天烈な国について、テーマごとに対談形式で徹底分析をしていく。本書の発端として、山本七平氏の「空気」問題を、小室直樹氏が社会学の視点から的確に整備して誰でも理解できるような形にできたら……という発想に基づく。  日本には「空気」という絶対的

        • 読書記録|山本七平『一下級将校の見た帝国陸軍』

          読了日:2024年2月11日  日本という稀有な国の本質を突いた『「空気」の研究』の著者、山本七平氏が、ルソン島で日本陸軍の砲兵隊本部の少尉として体験したことを、どんな戦史よりも生々しく語る。  いったい「帝国陸軍」とは何だったのか、何がゆえに敗戦に至ったのか、戦場を目の当たりにした山本七平氏が徹底的に分析する。  本書の中で一番印象に残ったのは、日本的組織の在り方の根本にある員数主義と事大主義である。  「数さえ合えばそれで良い」といった、実数よりも員数優先の空洞状態。

        読書記録|アダム・ハート=デイヴィス 『パブロフの犬 実験でたどる心理学の歴史』

        • 読書記録|山口周 『武器になる哲学』

        • 読書記録|小室直樹 山本七平『日本教の社会学』

        • 読書記録|山本七平『一下級将校の見た帝国陸軍』

          読書記録|『韓非子 全現代語訳』本田済 訳

          読了日:2024年1月27日  古典的な中国の書物は、経(中国の国教、儒教の経典)・史(歴史書)・子(諸子百家の書)・集(文集・詩集)の4つに分類される。「子」とは男子の美称で、孫武を「孫子」と呼び、孔丘を「孫子」と呼ぶ其れである。韓非も元は「韓子」と呼ばれていたが、唐の時代の詩人、韓愈を韓子と呼ぶようになったこともあり、韓非を「韓非子」と呼ぶことが一般化した。  韓の公子であった韓非子の生まれは紀元前280年頃。紀元前233年、使者として隣国の秦に赴いた際に、性悪説を唱え

          読書記録|『韓非子 全現代語訳』本田済 訳

          読書記録|『失敗の本質 日本軍の組織論的研究』

          読了日:2023年12月18日  大東亜戦争における日本軍の失敗を、組織論という視点から分析し、現代社会にも根付いている日本の組織の”悪いクセ”を浮き彫りにし、教訓へと繋げていこうという一冊。著者は、戸部良一氏、寺本義也氏、鎌田伸一氏、杉之尾孝生氏、村井友秀氏、野中郁次郎氏の6名で、それぞれが軍事、戦史、政治、組織論等のスペシャリストという面々。  第一章は「失敗の事例研究」として、ノモンハン事件、ミッドウェー作戦、ガダルカナル作戦、インパール作戦、レイテ海戦、沖縄戦、以上

          読書記録|『失敗の本質 日本軍の組織論的研究』

          読書記録|司馬遼太郎『関ヶ原』

          読了日:2023年12月2日  筑後川の戦い、川中島の戦い、と共に語られる日本の三大合戦の三つ目、関ヶ原の戦いを、司馬遼太郎が見事に書き上げた歴史小説『関ヶ原』。西軍の石田三成からの視点が主だが、対する東軍の徳川家康、そして二人を取り巻く人々の心の動きまでもが生き生きと描かれている。  私個人としては、石田三成のような”義”に篤い人物が好きだ。三成は豊臣秀吉を心から慕い、その死後も未来永劫豊臣家を守ろうとした。『関ヶ原』での三成は、ただそのシンプルな思いの上に言動が発せら

          読書記録|司馬遼太郎『関ヶ原』

          読書記録|明智憲三郎『明智家の末裔たち』

          読了日:2023年10月15日  『光秀からの遺言 本能寺の変 436年後の発見』の後に、同じ著者の『明智家の末裔たち』を読んだ。  まず、明智憲三郎氏の研究熱心さに脱帽する。御先祖である明智光秀の真の姿を探り、この結論に辿り着くまでに、古い文献を読み、資料をくまなく漁り、検証し…これまでいったいどれほどの時間を費やしたのだろうか。果ては光秀の末裔それぞれの足跡までも追い、今では明智氏同様に「自分は明智光秀の子孫である」という方々にも会いに行きヒアリングをしたり、明智光秀の

          読書記録|明智憲三郎『明智家の末裔たち』

          読書記録|明智憲三郎『光秀からの遺言 本能寺の変 436年後の発見』

          読了日:2023年10月9日  「三日天下」「謀反者」と、とにかく”悪名高く謀反に失敗した戦国時代の愚かな武将”かのように、現代に語り継がれる明智光秀。彼は本当にそのような人物だったのだろうか?  明智光秀の子・於寉丸(おづるまる)の子孫と伝えられる明智憲三郎氏が、その真実を解き明かすべく研究をし、執筆をした。この『光秀からの遺言 本能寺の変 436年後の発見』は彼の4作目の著書である。  これまで、明智光秀の出自や信長に仕え上洛するまでの詳しい経緯については不明であった

          読書記録|明智憲三郎『光秀からの遺言 本能寺の変 436年後の発見』

          読書記録|加藤廣『明智左馬助の恋』

          読了日:2023年9月22日  <本能寺三部作>の最後は『明智左馬助の恋』。  明智左馬助は明智光秀の娘婿で、出生は三宅氏説、明智氏説、遠山し説など幾つかあるが、作品では三宅氏説で描かれる。明智光秀の重臣であり、「本能寺の変」で光秀が謀反に至る背景を克明に知っているのではないか?と思われる人物、それが明智左馬助であり、この作品では主人公として描かれる。  <本能寺三部作>の一作目『信長の棺』では、織田信長の家臣の太田牛一の視点、二作目『秀吉の枷』では羽柴(豊臣)秀吉の視点、

          読書記録|加藤廣『明智左馬助の恋』

          読書記録|加藤廣『秀吉の枷』

          読了日:2023年9月12日  加藤廣<本能寺三部作>の一作目は『信長の棺』、そして二作目はこの『秀吉の枷』である。  『信長の棺』では、信長の家臣である太田牛一目線で物語が進行するが、『秀吉の枷』では秀吉本人が主人公。この作品単独でも十分な内容だが、一作目を読み終えていると点と点が繋がっていくので、より一層愉しめる。  一般的な秀吉像というのはどういうものだろう?賢い人物と評されることもあるが、私個人としては、 良い意味でも悪い意味でも狡賢い 情緒豊か 処世術に長

          読書記録|加藤廣『秀吉の枷』

          読書記録|加藤廣『信長の棺』

          読了日:2023年8月10日  加藤廣<本能寺三部作>の一作目。  未だ謎が多い「本能寺の変」。事件から400年以上経過しても尚、人々の心を惹きつけるミステリー。  信長の遺体はどこにあるのか?光秀の謀反の本当の動機は?早すぎる秀吉の対応は予め情報を持っていたからなのか?どこを切り取っても不可思議さに満ちている。  どんな歴史研究家がどれほど時間をかけても解明できないこの事件を、太田牛一の目線で歴史の謎解きをしていく小説。  太田牛一は、織田信長の家臣で『信長公記』その他

          読書記録|加藤廣『信長の棺』

          読書記録|ルース・ベネディクト『菊と刀』

          読了日:2023年7月27日  1946年に出版されたもの。著者はアメリカの文化人類学者で、第二次世界大戦中の1943年、勤務していたアメリカ戦時情報局からの依頼で、アメリカ人から見て”不可解”な日本人の気質や生活、行動を研究する。  彼女は実際に日本へ来て、日本の文化と日本人を直に触れることは叶わず、日系人を対象としてインタビューを繰り返し、その報告書を仕上げた。そのわりに日本人とその生活、日本人が好きな事柄、苦手な事柄、自分の欲望よりも人目を重要視する文化、無言の同調圧

          読書記録|ルース・ベネディクト『菊と刀』

          読書記録|司馬遼太郎『菜の花の沖』

          読了日:2023年7月2日  「高田屋嘉兵衛」という名は聞き覚えはあったが、いつの時代の何をした人物なのか、詳しいことは私は知らずにいた。  この歴史小説を手にした理由は、好きな文筆家の司馬遼太郎の作品だから、というだけだったが、読んでいくうちに自分が住んでいる北海道ととても縁が深い人物だということがわかり、更に前年に嘉兵衛が生きた時代に深く関わりある松前藩が置かれていた松前町(松前城をめぐり、新選組の土方歳三が、榎本武揚らと共に開陽丸に乗ってやってきた江差町も立ち寄り、廻

          読書記録|司馬遼太郎『菜の花の沖』

          読書記録|百田尚樹『永遠の0』

          読了日:2021年5月22日  本を読んで久々に泣いた。  第二次世界大戦の特攻隊の実話を元にした物語で、小説家・百田尚樹氏のデビュー作。  歴史小説やノンフィクションものを読むといつも感じることだが、政治家や官僚の在り方、マツリゴト的な部分は過去も今も変わらない。  高級官僚の点数稼ぎのために国が動かされている。こういった現象は武家社会でも垣間見える。  どの時代でも、そういう世界は嫌だなぁとみんなが思ってきたはずなのに、それが現代でも普遍的に在ることに、人間が本来持

          読書記録|百田尚樹『永遠の0』

          読書記録|百田尚樹『百田尚樹の日本国憲法』

          読了日:2021年5月25日  改憲についての話になると、アレルギーのように途端に熱を帯びてガーガー!となる人が多いが、戦後78年も経過した今、根本から見直す時期にきてると私は思う。  何しろ、今の憲法は終戦後、ダグラス・マッカーサー率いるGHQ(連合国軍最高司令官総司令部)の統治下の元で作られた憲法だからだ。  各地域の神社の創建や日本の文化に特化したブログを書いているが、記事を書く際に様々なことを調べると、日本の神道や皇室に対するGHQ(基、アメリカか)の毛嫌いぶりが

          読書記録|百田尚樹『百田尚樹の日本国憲法』