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人とヒト テレワーク(リモートワーク)を5年ほど併用して思うこと


はじめに

 あれっ、昨今の状況って1年半ほどじゃない?とタイトルをご覧になって思う方が多いことだろう。

じつは5年半ほど前からSkype、LINE、Zoomなどを使い、自宅とその近くの職場から、生徒たちのサポートをおこなってきた。

これでもネット環境に制限の多いこの地域での導入はそんなに遅くないほう。前職の中心街とはちがい、自宅エリア内には相談できる方すらいない。それなりに試行錯誤の連続。

ここまでやってきていろいろなことを経験してきたので、思うところを記しておく。


テレワークをはじめた頃

 5年半前のこと。遠距離の方が教えてほしいとわたしの運営するブログづたいに、連絡をいただく。ようやく連絡できてぜひとも教えてもらいたいとのこと。最初は半信半疑だったが熱心そうな方なのでそれではと、料金やどういう段取りで進めるか相談しながら決めていった。

当時ちょうどSkypeを使いはじめたので、これ幸いと試験してみた。無料で使えるのは驚きで、何か不安を感じさせた。最初がうまくできたので、ではこの方法でつづけましょうとその日別れのあいさつをして翌週。いろいろなトラブルが起こりはじめる。

Skypeの特徴を知ってしまえばいまでは何でもないことが、使いはじめた当初は右往左往してしまう。途中でいきなりとぎれて電話だけでやりとり。

急遽LINE電話ならばおたがいに費用がかからないと知り、これに切りかえたり、Skypeにふたたびもどしたり。試行錯誤をくりかえし、なんとか数ヶ月するとほぼ安定して使えた。

いまはもっぱらZoomを利用している。

中山間地の宿命

 ここは地方都市の中山間地。いつも通信の改善は最後のほうになりがち。ここに住んでこの地ではたらくと決めた以上、自己責任。とやかくいうことではない。

参考までにいかに時間がかかったかだけ紹介しておこう。時代はさらに20年ほど遡る。光ケーブルについては沿線の国道への埋設は平成の中頃からとっくに終了していたが、それからのち何も進展しなかった。幹はできても枝が伸びないのだ。

国道沿いのはずの役場でなぜか7、8年前、学校ではほんの数年前から使えるように。その話を都会に住む知り合いやアジアからの留学生にしても信じてくれなかった。

参考までに、前職の長期出張先で、その職場のホームページなるものを運用しているのをはじめて見たのが、1995年5月。室内ですでに1Mで使えていた。

こうして自分たちで自らの情報をやりとりできるインターネットの可能性を知ったのがいまから26年前。すぐにわが家でも使えるだろうと思っていたが。


忍耐、ひたすら忍耐

 光回線を10年ほど前から個人事業用としてここまでの工事費用を払うからと要望をつづけていたが断られつづけ、今年になってようやくわが家にひけた。国土全体の計画であと数%のエリアを残すだけだったそうだ。

それまではモデム回線利用の期間が長かった。56kの期間が15年間ほど。その当時はテレワークなど頭の片隅にもなかった。ときと場合によっては立ち上げるだけで1,2分、画面が変わるのに何十秒かを要するインターネットができるだけで感謝していた。

周囲の知り合いには自虐的にネット経由でウイルスに感染しにくいのではと冗談をいうほど。更新作業だけで半日仕事にPCが使えないのはふつうだし、ネットを介して仕事をこの場所でおこなうのは論外だった。


無線wifiの存在

 NTTに相談すると気の毒に思ったのか、他社だがとことわりつつそれとなく無線の存在を教えてくれた。まだ無線は…と半信半疑の時期だった。

なにしろ3大通信会社の回線のうち、ようやく2つめが地域内のメインストリート沿いのみでなんとかつながるというリスクのある頃。無線でも中継局から電波がとどくエリアに限られる。

家の中で無線wifiの使える場所を他人の機器を借りてたしかめ、ようやく開通させた。結局、1社目しか使い物にならなかった。

それでも低速とはいえ使えることにちがいはない。やれるだけのことはやろうと上述のとおり、遠隔地の生徒のサポートをはじめたのが5年半前。予備の機器を備えての実施。

昨今の状況下では、さらに一歩進めて活動拠点を最大5か所まで増やし、わたしのほうで移動して、より実際の生徒たちに接する機会を得つつ、テレワークでもサポートできる態様とした。このほうが緊急事態などへの対処がしやすい。

それでも、ご家庭によっては対処しづらい場合がある機器の設定だ。インターネットをこどもに使わせない方針の方がいらした。昨今の状況下、サポートに必要なことをていねいに説明し、ご納得いただいたはずだが、機器の設定がおぼつかない。

出向いていただき設定法などをご説明した上で、ご理解いただいたと思ったがどうもご家庭ではおぼつかない。1か月ほど挑戦いただいたが断念された。こうした方々が何名もいらした。なかにはそれまで4年ほどサポートしてきた生徒もいた。

こうしてサポートできずに生徒の半分がやむなく去り、昨年は給付金や支援金を申請しないとならないほどに。これでサポートできない事態になるとは予想だにしなかった。


おわりに

 テレワークの活用により、移動時間のロスを極限までなくすことができて、それ以前には到底不可能だった、生徒たちとの接触ができるまでになった。これもネット環境充実のおかげ。

その一方で限界を感じることも。やはり離れてPCごしのサポートでは伝わりにくいこともある。もどかしい。じかの声のほうが伝わりやすいし、表情の細かな変化をつかみにくいなあと感じ、確認の回数が増えてしまう。これを相手はくどいなあと感じるかもしれない。

やはり、人間と人間。じかならば無言でも伝え合うことができる。直接のコミュニケーションも必要と感じ、その機会も昨今の状況が許す限り、さまざま備えつつおそるおそる設けている。


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