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竜・ドラゴンの起源について

興味を持った経緯

私が今年最も遊んでいるゲームのひとつとして,エルデンリングが挙げられる.このゲームでは西洋で見られるようなワイバーン型のドラゴンから,四足歩行に翼を持った竜が登場する.(余談だが,ゲーム内の一部地域では古龍信仰として崇められていたり,竜の力を手に入れる事が出来るがいずれ身を滅ぼすとNPCが発言する等,宗教面での竜の関わりが触れられている.宗教と竜に関する深い話やエルデンリング自体の紹介,考察は後日綴りたい.)

ワイバーン型ドラゴン
四足歩行型ドラゴン

さて,様々な形態のドラゴンが認識されており,ドラゴンの和訳として竜が挙げられるが,ここで疑問に思った事がある.それは,私達の住む日本(東洋)の竜と西洋のドラゴンの起源・概念は同じかどうかである.今回調べた限りでのまとめをしたい.

さきに結論

まず西洋のドラゴンと東洋の竜は異なる概念だと考えられる.ただ,起源が全く別だと言い切れるわけでもなかった.
dragonはgoogle 翻訳だと次の様に記されている.

a mythical monster like a giant reptile. In European tradition the dragon is typically fire-breathing and tends to symbolize chaos or evil, whereas in East Asia it is usually a beneficent symbol of fertility, associated with water and the heavens.

google 翻訳

巨大は爬虫類のような,神話の怪物だとあるが,西洋ではdragonは火を吐くのが典型的で,混沌や悪魔を象徴するとのこと.
一方東洋では一般的に水や天国と関連して,豊穣の象徴とされている.
このように西洋と東洋では概念がまるで正反対のようである.しかし,正反対であるにも関わらず,dragonとして一括りになっているのは興味深い.


深堀り

ここからは更に詳しく掘り下げたい.
※一部脱線もあり.

西洋のドラゴン

西洋のドラゴンは大蛇や巨大な海の怪魚などの意味をもつ古代ラテン語に由来しており,メタファーとして「サタン」をも意味している.
キリスト教ではドラゴンは「悪の象徴」とされている.ドラゴンは宇宙論的悪即ちカオス(混沌)であり,人がドラゴンを退治する事でコスモス(秩序)へと変える事が記されている.このように自然(ドラゴン)を人が支配(秩序の構築)する思想が生まれている.(具体例を挙げると,西洋の庭園はシンメトリーに造られたり,木々や植物を完璧に剪定する等,自然を支配する思想が垣間見える.一方で日本は侘び寂び文化のように,自然に人が住まわせてもらう?考えが根付いており,両者で対照的である.)

東洋の竜

中国の竜は神獣・霊獣であり,その伝承の発端として,鯨や恐竜などの大型動物の骨や化石,ワニやトカゲなどの爬虫類,人間の本能的な蛇などへの恐怖などが挙げられる.

また,インドの蛇神であり,水神でもあるナーガの類も仏典が中国に伝わった際,「竜」などと訳されている.その影響もあり,中国の竜は蛇神ナーガのイメージから影響を受けている.
中国の竜は雨水を司るイメージがあり,日本にある神道の考えと中国の文化が融合し,日本の竜が生まれた.その結果,日本では海,川,山など,自然の姿や力を竜に擬え信仰の対象とした.時代が進むにつれ特に雨乞い信仰が強まった.

まとめ 両者の違い・共通点

西洋では,ドラゴンは「悪」のイメージがあり,その結果からか,人が自然を管理するという概念が生まれたのではないかと考える.
一方,中国のような東洋では水神といった「有益な神」として崇められており,当時からあった日本での自然への崇拝と調和し,自然崇拝が強まり,根付いたのだと考える.
しかし,庭園などの物的証拠やその時代での背景・考えを述べたが,ドラゴンのイメージと自然への考え,どちらの考えが先に生まれ,影響を他方に及ぼしたのかがはっきりできなかった.

共通点として,竜・ドラゴンの起源として主に爬虫類が挙げられ,特に「蛇」が深く関連しているように感じられた.時間があれば,蛇がなぜこれほどまでに関連しているのかを調べたい.


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