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9/15 ニュースなスペイン語 Falso:虚偽

この度、虚偽(falso)にまつわる出来事に捜査のメスが入った。ふたつの事例を紹介しよう。

ひとつは9日の記事でも紹介した「虚偽告訴」だ。20歳の青年が5日午後5時ごろ、マドリードのマラサーニャ地区(Malasaña)で、フードを被った(encapuchado)8人組に襲撃され、臀部(glúteo)に男性同性愛者を指す差別語「maricón」がナイフで刻み込まれたと訴えた。LGBT差別に反対を唱える政界や市民もかなりざわついたが、結局、ウソの申告だったという(resultó ser falsa)。

この青年に対しては、「犯罪のでっちあげ(simulación de delito)」という罪状で、裁判所が諸手続き(diligencias)を開始した(abrió)。刑法(Código Penal)の第457条(artículo)に基づき、罰金刑(multa)6ヶ月~12ヶ月が適用される。今後、裁判所によって、1日に支払う罰金の額が決まるようだ。ちなみに、飲酒運転の場合、免許取り消し(retirar el permiso de conducir)の他、3~6ヶ月の禁固(prisión)または1日6ユーロを8ヶ月払い続ける(合計で1440ユーロ≒18万6000円)。

もうひとつはやや古い事件だ。

2019年6月、ある女性が自らのツイッターのアカウント(cuenta)にある動画をアップした(publicó ; difundió)。

女性教師(maestra)に対して、数人の生徒たちが、奇声を上げて(gritando)、机を投げつけている動画だ(lanzando)。学級崩壊も甚だしい(https://youtu.be/9BIRNhhzTEI)。

騒動の中心にいるこどもたちは、少なくとも、白人ではないように見える。

そして、この動画のアップ主は「違法移民の子供たちの教育現場の動画をアップします。私たちが彼らを受け入れてあげたことを、ずいぶん、感謝しているみたいですよ(Mando vídeo de un centro educativo para emigrantes ilegales. Mirad como agradecen nuestra acogida)」と皮肉交じりにツイートした。

が、しかし、この動画、実は、ブラジルのある学校で撮られたもので(それは、それで、すごいことだが…)、移民の子供たちの教育現場とは無関係であることが、この度、判明したのだ。

検察(Fiscalía)は、このフェイクニュース(la noticia falsa)を発信した女性に対して、「人権と公共の自由に対する犯罪(un delito contra los derechos y libertades públicas)」、つまり、人種差別(racista)の罪で、禁固2年(dos años de prisión)および6840ユーロ(≒83万8000円)の罰金を求刑した(solicita ; pide)。

写真は、女性が上げた動画の一部。