9/15 ニュースなスペイン語 Genoma completo de la vid:ブドウの全ゲノム
ここでいうブドウは学名「Vitis vinifera」で、日本語では「ヨーロッパブドウ」と呼ばれている。生食のほか、レーズンや、そして、もちろん、ワインの原料となる。
ヨーロッパブドウの全ゲノムの解析はバレンシア大学の研究所が中心となり、2007年に初めて成功したものの、その後、2回目(versión 2)と3回目は失敗。
4回目は「栽培の血統(pedigrí del cultivo)」を示すことに成功。
そして、今回の5回目の分析では、害虫や水不足へのストレス反応に関わる遺伝子(genes relacionados con la respuesta al estrés por plagas, por la falta de agua) やブドウの香り成分に関わる遺伝子(genes determinantes de la capacidad aromática de la uva)が大量(una gran cantidad)にあることが分かったという。
今回の解析では、ロングリードシークエンス分析(secuenciación de fragmentos largos)という手法が取られ、従来のショートリードシークエンス分析(〜 cortos)よりも、複雑な(たぶん、長い)ゲノムを解明できるらしい(門外漢の小生が分かったのはここまで)。
こうした遺伝子の存在が明らかになることで、将来的には、ワイン業界に大打撃を与える気候変動に、より耐性があるブドウ棚(el viñedo del futuro más resistente al cambio climático que amenaza gravemente a la industria del vino)が可能になると期待されている。
今年のスペインは天候不順、特に、干ばつ(sequía)でブドウが壊滅的な打撃を受けた。
気候変動は世界規模で起きているので、天候不順に強い品種が開発されれば、ワイン名産地のチリやカリフォルニア、そして、日本などで争奪戦になるかもしれない。
それとも、ブドウに限らず、天候不順に強い品種への改良は農業国のメインプロジェクトのひとつなので、まぁ、いろいろな品種が各国で現れては消えを繰り返すのかもしれない。
写真はヨーロッパブドウ。
本文とはほぼ関係ないが、今回のゲノム解析に成功した機関はバレンシア大学の「バイオシステム総合研究所(Institute for Integrative Systems Biology)」という名称なのだが、その略称が「I2SysBio」となっている。
各要素の頭文字を取って略語を作るのは、まぁ、分かるけど、なぜ「2」か!?
位置的に「Insituto」の「tu」だとすると、ちょっとね…(「研9所」と同じ発想だもんね…)
ここがどこかの研究所の統廃合の結果できた「2代目」なら、まぁ、良いんだけど。
出典
https://www.rtve.es/noticias/20230913/secuenciado-genoma-completo-vid/2455901.shtml