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4/13 ニュースなスペイン語 Hincha culé:バルササポーター

12日にフランスのパルク・デ・プランス(Parque de los Príncipes)スタジアムで行われたFCバルセロナ(FC Barcelona)対パリ・サン・ジェルマン(PSG;Paris Saint-Germain)の試合の中で、バルセロナの熱狂的サポーター2名が、サンジェルマンの黒人選手たちに向けて、人種差別的な暴言(gritos racistas)を発したり(proferir)、ファシスト式敬礼(saludos fascistas)をしたとして、逮捕された。

逮捕の直接の決め手になったのが、防犯カメラに残されていた蛮行の数々。

せっかく、2-3で、しかも、敵地でのアウェーゲームで、バルセロナが勝利したのに、逮捕者が出たことで白けちゃった。

もったいない……。

ところで、バルセロナのサポーター(seguidor)や選手を「バルセロニスタ(barcelonista)」や「アスルグラナ(azulgrana;「紺とえんじ色」の意)」と呼ぶのは知ってたが、今回のように「culé」という表現を使うのは、恥ずかしながら、知らなかった。

「Culé」がカタルーニャ語だと聞けば、まぁ、スペイン語の「culx(自主規制中…)」関連の語なんだろうな、ということは想像つくが、どうして、あまりお行儀の良くない語が定着したのか。

バルサのホームグラウンドは、今でこそ、9万9000人を超える収容人数を誇る「カンプ・ノウ(Camp Nou)」だが、1902年〜1922年までの間は、カンプ・ダ・ラ・カレー・インドゥストリア (Camp de la carrer Industria)というつましいスタジアムだったらしい。

収容人数は6000人程度。

当時まだ珍しかった階段座席(gradas)を備えていて、新しい幕開け(con modernidad)を象徴するような施設だったようだ。

試合のある日曜日になると、バルサのファンはスタジアムに集まり、以下のように、グラウンドを取り囲む壁に腰掛けるようになったという。

スタジアムに面した通りを往来する人からは、当然、ファンのおケツ(traseros)しか見えない。

こんな史実(!?)から「culé」は自分の尻を見せる人(los que muestran sus traseros)という意味になり、1970年代からは、バルサのファンを指す用語になったというワケ……。

名に歴史あり。

写真は今回逮捕された連中の一部。

ちなみに、culéは国籍を表す語と同じ扱いで、名詞にも形容詞にも使えるので、複数の場合は「hinchas culés」とちゃんと複数の-sが付く。

出典
◆https://www.rtve.es/deportes/20240411/detenidos-dos-hinchas-cules-gritos-racistas-saludos-fascistas-psg-barca/16055577.shtml
https://www.dazn.com/es-ES/news/otros/por-que-aficionados-barcelona-cules/qdzt7cl67rqd1bdau6omqfjcn