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7/3 ニュースなスペイン語 DNI:国民IDカード

DNIはDocumento Nacional de Identidadの略で、国民ひとりひとりの身元を公に証明するための書類(多くはカード)を指す。日本のマイナンバーカードもDNIの一種だ。

スペインでは年明けに「動物用IDカード(DNI animal)」が導入されるようだ。

政府閣議(Consejo de Ministros)が去る2月、「動物の保護、権利、福祉に関する法律(Ley de Protección, Derechos y Bienestar de los animales(以下「動物保護法」))」の立法手続き(tramitación)を終了したことを受け、本法が今年末には議会での承認手続き(tramitación parlamentaria)を終え、2023年には施行(entrar en vigor)するとの見通しがついたようだ。

昨日10月27日の記事でも紹介したように、スペインは、ペット(mascota)を飼っていたカップルが別れた時に、そのペットの共同親権(custodia compartida)を認める判決が出た国だ。ペット用のIDがあっても、何ら不思議ではない。

共同親権は、もちろん、本来はヒトに認められた権利だが、ペットにも、ついに与られた権利となった。ペットはもはやヒトと同権なのである。

これまでも、ペットにマイクロチップ(microchips)を埋め込むことが義務付けられている。マイクロチップの弱点は、もし、ペットが迷子になって、居住地以外の市、県、自治州などに紛れこんだ場合、追求が出来なくなってしまう点だ。

しかし、ペット用のIDカードが携帯されていれば、カードに付いているQRコードを読み取れば、飼い主(dueño)の情報をどこからでも読み取ることができる。

ペット用IDカードは「完全無料(absolutamente gratuito )」だ。しかも、ペットにマイクロチップを埋め込みさえすれば、後は、発行まで「自動(automático)」だから、飼い主がどこかに申請(solicitarse)しに行く必要もない。

すでに一般化しているマイクロチップの、補助的な手段(una herramienta complementaria)との位置付けだ。

動物保護法の柱は「動物虐待ゼロ(sacrificio cero)」だ。虐待には、遺棄(abandono)や不当な臓器の除去手術(mutilación injustificada)などを含む(去勢や避妊は除く)。

そのため、例えば、犬を買う場合、飼い主はペットを飼うことの責任を自覚するための、養成講座(curso de formación)を受けなければならない。

日本で例えるなら、マイナンバーカードをペットにも付与するようなものか。日本はペット大国だが、まだ、ヒトと同じ権利を法律的に認めるには時間やハードルが高そうだ。

写真は「perrhijo」。「犬(perro)」と「息子(hijo)」が合わさった語だ。子供のように扱われるペット犬を指す。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20220702/dni-mascotas-espana-perros/2385531.shtml