好きな広告で考える~「女子力」って何だろう。~
~はじめに。~
私は広告の仕事においていくつか役割があると思っている。
もちろん、基本的にはすべて「売る」というところにつながると思っているが、
それを分解していったときに担う役割があると思う。
その一つの役割が「知る(知らせる)」ということだ。
当たり前だが、人は知っていることしか知らない。
逆に言えば、知っていることでそこからいろいろな展開ができる。
知っていれば、考えることができるし、
知っていれば、調べることができるし、
知っていれば、モノを買うこともできるし、
知っていれば、人に教えることもできる。
今回、広告によって「知る」ことによって、
改めて「女子力」について考える機会を創出したのが
このミルボンの広告であると感じた。
なので、「女子力」について考えてみようと思う。
~自分が恥ずかしくなった。~
「女子力って何だろう。」
このキャッチコピーを見たときにとても恥ずかしい気持ちになった。
それは、自分の中で勝手に「女子力」というものを決めてしまっていたからだ。
ふとした時にポケットティッシュを持っている。
ご飯を食べるときにサラダを取り分けてくれる。
おいしそうなお弁当を作っている。 など
女子力と聞くと、こんなイメージを想像する人が多いと思う。
でも、これって、女子じゃないとダメか?
答えはNOだ。
男性がサラダを取り分けてもいい、
男性がポケットティッシュを持っていてもいい、
男性がお弁当を作っててもいい。
もっというと、男性がメイクをしたっていい、
スカートをはいていたっていい、
ぬいぐるみが好きだっていい。
「女性がやっているであろうこと」というものに対して、
勝手に「女子力」というイメージを作り、
女性に対してそのイメージを当て込んでしまっていたのだ。
そんな自分がとてつもなく恥ずかしくなった。
~女子力って何だろう。~
では、改めて「女子力って何だろう。」そんなものを考えた。
先程も書いたように、
勝手に「女子力」というイメージを作ってしまったものは、
男子がやっていても何らおかしいことではない。
当然、生まれながら男性にしかできないこと、女性にしかできないことは存在する。
ただ、それをそれぞれが行うのではなく、
男性も女性も一緒になった取り組む時代が今じゃないだろうか。
これらを踏まえたときの私にとっての「女子力」とは、
女子力は男子力であり、男子力は女子力。
女子力=男子力=人間力である。
というものだ。
答えにはなっていないかもしれないが、
「女子力なんて、本来はないんじゃないだろうか」
というのが私の答えだ。
男性だから、女性だからと考えるのではなく、
その人個人が人間らしさというものを持っていることの方が
ものすごく大事なのではないかと思う。
世界に70憶人の人がいるとして、
70億人分の人間力のカタチがあって、
それを69憶9999万9999人が尊重しあうことが大事なんじゃないだろうか。
そんなことを考えた。
~最後に。~
今回のミルボンのこの広告は、
まさしく現代に対しての投げかけであると思っている。
働き方改革や少子高齢化など、
日本の社会問題というのはまだまだ山積みだ。
そんな時代だからこそ、男性も女性も一緒になって取り組んでいかなければ解決に進むことは難しいのではないだろうか。
その考えのきっかけとして、
「女子力って何だろう。」からはじめませんか、
というメッセージとして私は受け取った。
もちろん、私の考えが正しいかどうかはわからない。
ミルボンにとって全く違う意図かもしれない。
それでも、この広告をきっかけに、
社会問題などを考える機会が生まれたことは事実だ。
少しでも多くの人にこの広告が届き、
まずは「女子力」について改めて考える機会が生まれることを願いたい。
P.S.
世の中に素敵な広告を生み出してくださり、
ありがとうございました。
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