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勝手にゲーミフィケーション大賞2021 大賞「コクヨ株式会社 しゅくだいやる気ペン」インタビュー

日本ゲーミフィケーション協会 理事の原です。

今回は、「勝手にゲーミフィケーション大賞2021」の大賞に見事に輝きましたコクヨ株式会社の「しゅくだいやる気ペン」の開発リーダー 中井様にインタビューさせていただきました。

勝手にゲーミフィケーション大賞2021とは

日本ゲーミフィケーション協会では、ツマラナイをワクワクに変えるゲーミフィケーションの普及を目的として、優れた作品を表彰する「勝手にゲーミフィケーション大賞」を昨年から開催しております。

今年は、全部で32作品をノミネートさせていただき、その中でゲーミフィケーション活用のサービスとして最も優れたものとして、コクヨ株式会社の「しゅくだいやる気ペン」を選出させていただきました。

しゅくだいやる気ペンとは

学校の宿題を子どもがなかなか着手してくれず、困っているご家庭は多いと思います。親も叱って取り組ませるのも疲れますし、どうやったら子どもが主体的に宿題に取り組んでくれるのだろうかと日頃から悩んでいるはずです。

そんな悩みを解決できるものとして、「しゅくだいやる気ペン」は開発されました。「しゅくだいやる気ペン」は、いつものえんぴつに取り付けるだけで、宿題など家庭学習の習慣化をサポートするIoT文具です。

「しゅくだいやる気ペン」を使えば、子どもの日々の努力が見える化されるため、子どもは書きたくなります。そして、親が褒めるきっかけが見つかり、褒めると子どもはまたやりたくなるというやる気習慣化サイクルを生み出すという仕組みです。

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しゅくだいやる気ペン

お客様とトコトン向き合って生まれた商品

それでは、「しゅくだいやる気ペン」の開発秘話について伺っていきます。

Q. 商品開発のきっかけについて教えてください

中井様 センサーを組み込んだIoT技術を使って、何か新しい取り組みを行おうということで商品開発がスタートしました。当初は、共働き家庭が増えている中、忙しい親をサポートする子どもを見守るためだったのですが、お客様からヒアリングを重ね中でニーズが違うことに気づきました。子供を単純に見守るのではなく、むしろ積極的に関わりたい親御様が多いということです。

Q. 開発で工夫したことはありますか?

中井様 商品を一度使って終わりではなく、使い続けてもらう必要があります。そのための仕掛けとして、ペンのLEDが光るというだけでは長くは続かないため、何か仕掛けが必要ということを感じていました。そこで、思いついたのが「すごろく」です。

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18ステージ用意されているすごろく

すごろくは昔からある遊びですが、これを導入することで継続性が高まりました。次のマスに進めたいからという新たな動機が生まれるだけでなく、区切りが作られることで自分の勉強量の積み重ねが体感できます。

Q. 商品で苦労したことはありますか?

中井様 勉強が終わった後にスマホやタブレットに、やる気パワーを注ぐ方法も大切にしています。子どもがやる気パワーを注ぐためには、本当に注いでいるような動きが必要になるのですが、これを行うことで親が気付きやすくなるのです。親が気付けば、子どもを褒めるきっかけにもなるというものです。このために非常に良いセンサーを使っています。

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やる気パワーを注いでいる様子

しゅくだいやる気ペンにも多く含まれるゲーミフィケーション要素

ゲーミフィケーション観点から、しゅくだいやる気ペンでも多くのゲーミフィケーション要素が使われています。

日本ゲーミフィケーション協会の提唱するゲーミフィケーション6要素での分析は下記の通りです。

①能動的な参加

・ペンのLEDが光るのが楽しみ
・「やる気の庭」というすごろくが楽しみ

②達成可能な目標設定

・勉強する量に応じてLEDの色が変化

③称賛の演出

・LEDの色が変化

④成長の可視化

・LEDの色の変化で勉強を行ったことを実感
・勉強後にやる気パワーを注ぐと「やる気の木」が成長

⑤即時フィードバック

・勉強を行うとすぐにLEDの色が変化する
・やる気パワー注入時の親からのリアクション

独自性の歓迎についてはもう少し強化しても良いかと考え、下記についてご提案させていただきました。

⑥独自性の歓迎    

・学習ログからその子に最適の学習パターンをアドバイス

商品開発前から、ゲーミフィケーションという言葉は知っていたとのことですが、やはり子どもたちが主体的に取り組むという仕掛けにはゲーミフィケーション要素が含まれています。

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ゲーミフィケーション6要素

今後も進化するしゅくだいやる気ペン

評判も上々とのことで、アンケートによると90%以上が家庭学習のサポートに役立ったと答えているそうです。また、JAMSTEC(海洋研究開発機構)との共同開発など新しいコンテントも追加されるなど新たな子どもたちをワクワクする仕掛けを生み出してくれる「しゅくだいやる気ペン」の今後が楽しみです。

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インタビュー後は理事長の私物「しゅくだいやる気ペン」とパシャリ

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