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ジュエリーの歴史編

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宝石・ジュエリーには、人は人として、輝いて生きる為の先人の英知が秘められています。 人類の歴史をジュエリー文化人類学より、考察していきます。
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宝石は 天上に輝く星の化身 【ジュエリーの歴史編5】

宝石は 天上に輝く星の化身 【ジュエリーの歴史編5】

 6000年前メソポタミアに住むシュメールの人々は、星の運行リズムとともに移り変わる大地自然の変化を読み取り、暦を発明した人々です。星が大自然の移り変わりを司る‼ 当時の人々は偉大なる星を観察し神格化していきました。そして世界最初の神話「ギルガメシュ叙事詩」が編纂されました。

 神話は時代とともに信仰としての原始宗教へと進化を果たし、やがて、イエスの出現によりキリスト教、ナショナル宗教へと更なる

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宇宙のリズムとともに生きる(星占い) 【ジュエリーの歴史編4】

宇宙のリズムとともに生きる(星占い) 【ジュエリーの歴史編4】

久しぶりの休日の朝。
昨日は少し飲みすぎただろうか。激しい頭痛。最近仕事で全く成果がでていなかった。ソファーの横に無造作に置かれたテレビは、電源がつけっぱなしだった。
毎朝、夜明けに家をでるためか、朝にテレビなどみなかったが、アナウンサーの声で星占いがやっていた。

「さそり座のあなたは、自分の本当のやりたいことに気づけば、次のチャンスへとつながりそうです…」  
 しばらく考えて、テレビを消

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星空に想いをのせて  【ジュエリーの歴史編3】

星空に想いをのせて 【ジュエリーの歴史編3】

 ふと夜空を見上げると、輝く満点の星空。
頭上に鎮座するその星は、二つの天秤が、バランスをとりあっているように我々に何かを主張している。二つの天秤は「朝」と「夜」、つまりバランスをとりあってるのは、朝と夜の長さが同じだということだ。

                                  「そろそろ冬にそなえなければ…」        

 先人が肉食獣の脅威から免れ、農耕・牧畜を

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「お守り」として

「お守り」として

 闇夜に忍び寄る大草原の魔物。音もたてず、野原の隙間から集団で我々を襲いにくる。鋭い牙や爪の前に、また一人また一人と私たちの仲間が倒れていく。
「私たちにもあの獣のような力があれば…」

 我々人類の祖は、約400万年前に出現した猿人アウストラロピテクスです。当時、私たちの先人は、木登りにたけた大型肉食獣、豹の祖先サーベルタイガーに毎夜追い詰められ、餌食にされていました。そこで先人たちは岩山に逃れ

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婚約指輪の真実

婚約指輪の真実

 ホテルの最上階のとあるアイリッシュバー、テーブルの上に置かれた赤いキャンドルの炎は、窓越しに映るカップルを優しく包み込む。
「結婚してください。」
男性の手には、ダイヤモンドのリングが輝いている。
「はい。お願いします。」
女性の薬指にはめられた一粒の大きなダイヤモンドリング。そのダイヤの輝きはまるで、二人が見上げた大きな窓ガラスから見える、夜空に輝く星のようだった。

なぜ、男性は最愛の女性を

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