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私的:なぜ解離性障害の情報が少ないのか

こんにちは。亜麻ああさです。


※この記事は私の考えていることを記述したものであり、どこまでいっても個人の意見以外の何物でもありません。よって健康・体調等への責任は負いかねます。
より正確な情報がお知りになりたい方は学術記事や信頼できる書籍・医師専門家の診断等別の情報源に当たられることをおすすめします。


「私たちって解離してたんだ!」
と気づいた直後、「解離」についての情報を集めまくるブームが到来していました。

知識欲はパーツの多くが共通して持っている欲求で、知識を仕入れることは私たちの役に立つと思ったんです。(実際役に立ってます)

……が、情報収集を始めてすぐ、あることに気づきました。

「……なんか、似たような情報しか出てこない……」

そうなんです。

これは2021年くらいの時期のことですが。
インターネットで「解離」「解離性同一性障害」等と検索すると、

  • 医療系サイトで解説されている「解離性同一性障害とは」の文章

  • 小難しそうな学術記事(英語)

がほとんどで、いくら読んでも概要のようなことしか分からない状態でした。

個人の体験記となるともっと少なく、電子書籍で個人的に出版されていたり、ブログやnoteにまとめていたり……で、ガンはじめその他疾患に比べて絶対量が少ない印象を受けました。

私たちにとってダントツで役に立ったのは、ジェニーナ・フィッシャー先生著『トラウマによる解離からの回復』(国書刊行会)でした。分厚いけど3周はしました。

私たちはまさにこの本に書いてあるような、「解離ではどういう人格が現れることがあるのか」「どういう対処法(共存法)があるのか」などが知りたかったんです。

もちろん、この本だけでは解消されない潜在的な疑問もありました。
パーツたちのことが分かれば分かるほど、「これってどうなんだろう?」と疑問に思うことも増えていきます。

知りたいことはたくさんあるのに、情報の絶対量が少ない。
どうしてこんなことになっているんだろう?


私が現在予測として考えている理由は「そもそも解離の現れ方を定義しきれないから」です。


もちろん、解離について分かっていることはあります。

解離性健忘・解離性遁走などは、身を守るために起きる解離の症状の一種です。これらは症状として定義することができます。

不確定要素が多いのは、パーツ(人格)が複数存在する状態。私たちがまさに知りたいところです。

人によってパーツの人数も、名前も、個性も、年齢もばらばら。
また(おそらく)目に見える症状として記録することも難しく、科学的研究において必要な「定義」や「分類」としてパターン分けすることが非常に困難なのではないでしょうか。

上に挙げた本の中では「日常生活を送るパーツ」や「たたかうパーツ」など役割で分けられた呼び名が使われていました。

これらの分類は確かに私たちが自分のことを理解するのに役立ったけれど、みていくうちに本に挙げられた中ではカテゴライズできないパーツが見つかったり、パーツ同士の融合・分裂等が起きたりして、内部が常に一定というわけでもありません。

仮にこういう状態の解離を研究するとなったらおそらく被験者(解離している人)の自己申告に比重が置かれるわけで、もしかしたらその時話しているパーツによっては、身を守るために必要と判断し、嘘をつくこともあるかもしれません。(パーツは主人格を守るために生まれると言われています)

そうなると得られた情報の信ぴょう性を確認することも難しく、研究に使える確実なデータと言えるのか? という研究の土台みたいなところから揺らいでしまうのではないでしょうか。


つまり、情報を増やしたくても、個人個人に根付いた体験談がたくさん散らばっているだけで、統合して一定の定義づけをするのはとても難しいということ。


でもこの不確実性・ゆらぎのようなものこそがパーツたちを捉えることを困難にし、「主人格を守る」という根源的な役割を安全にこなす役に立っていることもあるかもしれませんね。

揺らいでいれば、つかみどころがなければ、掴まれたり、殴られたり、言葉のナイフで刺されたり……されることから逃げやすくなるかもしれないから。





余談:

これは完全な余談なんですけど。

パーツへの分裂が伴う解離性障害について情報を得たい時。
「解離」って調べると「大動脈解離」とか、別の病気の名前が出てきてうまくたどり着けないことがあります。

心理士さんが「解離性障害」って調べると良いかもよ、と教えてくれました。検索ってむずかしいね。



文責:亜麻ああさ



サムネイルの画像はPixabayからお借りしています

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