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#アライ
【短編】11時のぼくら
遅めの朝ごはんを食べ終えたぼくたちを、姉ちゃんが食卓に引き留めた。
リビングに掛けられた時計は午前9時少し前。お皿を下げようと立ち上がりかけたぼくは、どこか張りつめた「待って。話したいことがある」の声で椅子に座り直した。
姉ちゃんに話しかけられると、少し緊張してしまう。
姉ちゃんは県外の大学に通っていて、数年ぶりに帰省してきて一緒に夏休みを過ごしていた。帰ってくる前はあれこれとわくわくしてい
遅めの朝ごはんを食べ終えたぼくたちを、姉ちゃんが食卓に引き留めた。
リビングに掛けられた時計は午前9時少し前。お皿を下げようと立ち上がりかけたぼくは、どこか張りつめた「待って。話したいことがある」の声で椅子に座り直した。
姉ちゃんに話しかけられると、少し緊張してしまう。
姉ちゃんは県外の大学に通っていて、数年ぶりに帰省してきて一緒に夏休みを過ごしていた。帰ってくる前はあれこれとわくわくしてい