じぇれ

かつて脚本家を目指していた映画話法オタク。 現在は脚本愛好家と名乗り、創作を学ぶ若者た…

じぇれ

かつて脚本家を目指していた映画話法オタク。 現在は脚本愛好家と名乗り、創作を学ぶ若者たちを応援中。 『おれなら』レギュラー 成功者の言葉はついつい鵜呑みにしてしまいがちですが、私は非成功者。 疑いながら読んで下さい。 それがアナタだけの思考法を生み出すきっかけになれば幸い。

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失敗者から学ぶ成功術~脚本家への茨な道~

はじめまして。じぇれと申します。とりたてて映画オタクでもないので“脚本愛好家”と名乗り、日々Twitterで映画紹介を行っている者です。興味ある方は、じぇれ@映画垢(@kasa919JI)をフォローしていただけると、大変嬉しく思います。 さて、そんな私がnoteを始めたのは、脚本家を目指す若者たちにノビノビと学んでいただきたいからです。というのも、いわゆるシナリオ執筆術の本は、現役脚本家やスクールで教える方々、つまりプロが書いた物です。となると、納得のいかないことがあっても

    • 『超擬態人間』から学ぶ“情報の出し入れ”術

      私じぇれのnoteでは、しばしば“情報の出し入れ”というフレーズを使ってきました。その重要性を学ぶのに最適な作品がソフト化&配信されたので、今日は徹底的に解説していきます。 その作品は藤井秀剛脚本・監督作品『超擬態人間』。前作『狂覗』同様、メタファー満載の社会派ジャンル映画に仕上がっており、ブリュッセル国際ファンタスティック映画祭ではアジア部門グランプリにも輝きました。 2020年10月に劇場公開されると、『悪魔のいけにえ』を彷彿とさせるゴア描写にホラーファンが熱狂!また

      • 『メメント』から学ぶ ~なぜノーランは時制をいじるのか~

        『TENET テネット』が絶好調のクリストファー・ノーラン。彼の出世作と言えば『メメント』です。公開時には某タレントが「編集遊び」と斬り捨てていましたが、それを読んだ私は拳をわなわなと震わせたものです。断じて言いましょう。これは単なる「編集遊び」なんかではありません! 映画『メメント』の概要 主人公は約10分間しか記憶を維持できない男。そのため、写真を撮り、時には自身の体にメモをしていきます。そのメモによれば、主人公は妻を殺した男を探しているのですが、なかなか思うように犯人

        • TENETは“時系列”通りの親切設計

          『TENET』の感想・レビューには「難解」という言葉がセットで使われています。しかし、ノーランが難解さを目指しているとは思えないんですよね。そこで、具体的なネタバレはせずに、『TENET』から学ぶべき脚本術を見ていきましょう。 TENETは“時系列”通りの一本道構成は?お前寝たのか? 時間が進んだり戻ったり色々してたろ!......罵詈雑言が聞こえてきそうですが、私いたって本気です。 たしかに『TENET』は、時間の逆行をモチーフにした複雑な物語。だからこそ、ノーランはシ

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          伏線回収の甘い罠

          それまで散りばめられてきた伏線がパズルのようにガッチリはまり、一気に物語が収束すると、人々は拍手喝采! 「伏線がすげぇ~!」とSNSは絶賛一色に。アナタもきっと思うでしょう。「こんなかっこいい伏線回収を書いてみたい」と。 断言しますね。アナタも書けますよ。プロにはなれなかった私でも、それぐらいのコツは知っています。では、お教えしますね。メモのご用意はよろしいですか? 初稿を書き上げてから伏線を仕込めばいいだけそう、一度書き上げたラストをよ~く吟味し、逆算するんです。そして

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          映画は貶すより褒めろ!

          脚本家を目指し始めた頃、私は自分のことを天才だと信じていました。なにしろ書くことを意識してからは、観る作品、観る作品、粗ばかり気になるようになり、しかも改善策(少なくとも私にはそう思えた)まで思い浮かぶのですから。そんな日々を過ごしていくと、こう思うようになります。 脚本家って大したヤツいないんじゃない? ここまで読んで、私の何がおかしかったのか気づけない方は要注意!あなたも私と同じ過ちを繰り返そうとしているのかもしれません。 どれだけ名作と言われる作品でも、多少の欠陥

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          バリアフリー時代の作劇の注意点とは

          『無垢なる証人』という韓国映画を観ました。簡潔に纏めれば、自閉症スペクトラムの少女との交流を通じて人生を見つめ直すヒューマンドラマです。 この手の作品に出会うと、私は『ダンス・ウィズ・ウルブス』が頭によぎります。『愛は霧のかなたに』『ラストサムライ』『アバター』などと比べると類似性がわかりづらくなっていますが、骨格は同じだと思うんですね。 主人公=観客(メインターゲット)と同じ立場の人間 『ダンス~』・・・白人 『愛は~』・・・人間 『無垢~』・・・健常者 ↓ 全く異なる

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