〈好きな場所〉 エルツ城
今まで訪れた場所の中で、「自分をここに縛りつけておきたい」と強く思う場所はありますか?
帰ってからも、心がいつの間にかその場に戻ってしまうような場所。
わたしには何ヶ所かそんな場所がありますが、そのうちのひとつがドイツの西部にあるエルツ城です。
今日まで約850年間、一度も落城したことがなく、世界大戦時の空襲にも遭わず、昔のままの姿を保っているそうです。
本当に山奥(というか森の奥)にポツンとあるお城なので、周囲には何もありません。
駐車場からも、バスで数分かかります(元気な人なら歩ける距離)。
お城の公開は春から秋の始めあたりまで、冬は完全にクローズします。
日本の古いお家や、神社仏閣でも感じますが、ドアが大変低く、ベッドフレームなども小さく、昔のドイツ人はずいぶん小柄だったんだなあ…としみじみ。
古い空気の向こうから、暮らしていた人の声が聞こえてきそうなくらい、すべてが当時のまま。
この城の冬はどれだけ寒かっただろうな…(震)
部屋の隅々まで漂う、「そこだけ今ではない」感じ。
もっと長い間いて、この空気感を味わいたかった。
中は写真がないのですが、なんびゃくねんモノのタペストリーや、アンティークという言葉では表現できないくらい古い家具や調度品の数々…
うっとりを通り越して、よだれが出ます(笑)
(家具好き、インテリア好きにはたまらんです)
城内には宝物庫的な部屋もあって、歴代の城主所有のお宝がざくざく展示されています。
わたしなどは、この城がいまだに個人所有と聞き、宝物庫を見学したあたりから
「2006年に今の城主に城が引き継がれた際の相続税」
「毎シーズンの施設修繕管理費」
「毎年の固定資産税は一体いくらなのか」
などが大変気になってしまい、ドキがムネムネしてしまうのでありました。
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