コロナ後にはじめたデザイン / ものづくりのローカルコミュニティ「たこやきUX」
オフラインイベントも少なかった2022-2023年前半、ローカルコミュニティ「たこやきUX」をはじめました。
どんな背景と思惑をもってはじめたのか。コンセプトやビジュアルの設計、イベント企画、3回のイベント開催から未来に向けて、書いてみます。地域が好きな人、地域でがんばる人とシェアできたらうれしいです。
この地域が良い
デザインやものづくりに関するオフラインのイベントやコミュニケーション機会がどんどん復活してきた頃、大阪に住む自分はもどかしさを抱えていました。
イベント参加したい。でも距離や家庭の事情で行けない。多くのイベントは首都圏で開催され、人の多さからしてしょうがないとはいえ、どこかもどかしさを消化できない日が続いていました。
ただ機会がないだけで、魅力は眠っているとも思っていました。この地域が好きで、地域で知り合った人たちも魅力ある人ばかり。テレビのステレオタイプなイメージとは全く違う、地域の良さがあります。
きっと同じような気持ちの方もいるはず。
集まれば、盛り上がるのでは?ここにしかない魅力があるのでは?など、勝手な期待をつのらせながら、イベンターや関係のある方々と話す機会が増えていきました。
「無いなら作る」「待つよりやってみる。」
いろいろと考えた末「たこやきUX」という名前をつけて準備を始めます。
名前やコンセプトは後述しますが、この時点で開催理由を問うたり、大きなコトを成すつもりもなく、それよりもできる範囲で人に会ったり、話す場をつくりたいと意識していました。とはいえ勝手な期待をもったところで、やってみないと分かりません。
たこやきUX -pilot talk-
人が集まるイベントをやってみよう。やってみないことには失敗もふりかえる糧もない。でもモチベーションは大切にしたい。自分ができる範囲で、いいと思うようにやってみよう。
こんな自己都合を前提にして、初回を催してみました。当時はこんなことを考えていました。
会場はとりあえず自社のスペースでやろう
ラクそうだから
でも特定の会社がやってる感は出したくない
時間は金曜の夜にやろう
後ろを気にせずやりたい。
あとで呑みにいく理由にしたい(😜)
人は多めに出てもらおう
内容の損得でなく人にスポットを当てたい。
そして偏りなく多様さを味わいたい。
必要機材は借りよう
持ち込みはスピーカーアンプぐらい。
そのほかは全て会場や会社の借り物で。
まず知り合いから誘おう
知り合いと会う機会もなかったので、背伸びせず順番にお誘いしていきました。
大きな宣伝もない中で、30人を超える方々が参加してくれました。
催しらしい準備も最低限で、発表もお任せでしたが、短いLTを多数実施したことで好評いただきました。
体験を考える必要
社内勉強会やってみた
UXerのキャリア
など、6名の方からそれぞれの話が聴けました。地域にも多様なデザインやものづくりを考える人がいる。今後も続けていこう。そして、地域コミュニティとしてメンバーを募って、長い目で活動していくことを決めました。
カジュアルに、うまみを味わうコミュニティ
この地域でどんなコミュニティができる?
既にデザインやUXのコミュニティや団体があることも知っていました。多くは活動を停止するか停滞している状況で、新たにはじめるとしたら、さらに関わるハードルを下げる場、機会が必要ではないかと、うっすら考えていました。きっと“カジュアルさ”が必要。
ただハードルを下げてしょーもない(取るに足らない)コミュニティにはしたくない。ここには魅力ある人がいる。そして、おもしろいモノゴトが日々あるはず。せっかく集まるなら、それに光を当てて“シェア”したい。
地域の“カジュアルさ”と“シェア”から「たこパ(たこやきパーティ)」の着想を得ました。私たちは、たこパする感覚でやりたいな!と。
またイベントコンセプトを思索するなかで「上方文化」を調べたり、参考にしようと意識しました。メンバーが描いたキャラクターのビジュアルに、そのニュアンスを表現してもらっています。
芸事の延長に「漫才」がありました。私個人は、テレビでお笑いはみるものの、商売っ気や過度なツッコミは苦手だったりしました。しかし漫才の成り立ちを知るほど、地域の人情や高い民度、人々の暮らしや温かさがその土台にあると認識しました。「令和版ネオ上方カルチャーがしたい」そんな大層なことを思いながら、メンバーと、共にキャラクターが壇上で漫才する様子を目指したいビジョンとして描きました。
そんなこんなで、カジュアルに、うまみを味わうコミュニティ「たこやきUX」の在り方が定まっていきました。
「UX」という言葉はつけたものの、専門的なUXデザインの手法や知見の共有に閉じず、人とその体験を考える人がより当たり前に、多様な人とその体験に触れる機会を目指したい。言葉はあくまでフックにすぎない、と考えながらつけました。そのため以降の催しでも、「(UXという言葉で限定しない)多様性」が集まるよう意識しています。UXと言わなくてもいい。しかし「たこやき」ではこの地域において度が過ぎる(笑)よいものがあれば別の名前でもいいぐらいに思っています。
そんなこんなで、コミュニティの輪郭も定まり、初期メンバーによるイベント検討をはじめます。運営メンバーはどなたも、日中は忙しく活躍されている方々なので、強制はせず、あくまで有志による活動として準備〜実施し、何度かコミュニティとしてイベントを実施してきました。
たこやきUX vol.1
2023年9月22日『たこやきUX vol.1』と称して、大阪肥後橋の株式会社クラスメソッド様のスペースをお借りし、多大なご協力のもと開催できました。
4名の方に登壇していただき、2名ずつQAセッションと休憩を挟む形式で実施しました。
動画サムネイル制作の苦難
開発における体験と3Dプリンタクラフト
体験型コンテンツ開発のあれこれ
私たちが共有する「アレ」
30名近くの方にお集まりいただき、終了後の2次会まで盛り上がりました。
たこやきUX vol.2
vol.1が盛況で終わり、vol.2はタイミングや準備を急がず3ヶ月が経ちました。「継続が大事」経験のあるどなたに聞いても同じようにそうおっしゃっていたため、「やってみよう」マインドでvol.2を計画します。
2024年1月24日、WeWork御堂筋フロンティアさんで実施できました。会場には設備も整っており、スタッフの方々にも告知から案内までサポートいただきました。
イベントでは5名の方に登壇いただき
エンジニアが考えるUX思索
郵便受けの通知体験(Arduinoによる開発)
ユーザーインタビューの試行錯誤
など発表してもらいました。こちらも平日の水曜日にも関わらず、28名+同ビル入居の多くの方々に来ていただきました。
これからこんなイベントをします(告知)
「たこやきUX」は今後もコミュニティとして、この地域におけるものづくりの盛り上げに貢献していきます。
次回vol.3は、3月15日に大阪京橋freeeさんのイベントスペースをお借りして実施しました実施予定です。
そろそろ、春がやってきます。ということで次回は「新しい季節」や「新しいチャレンジ」がテーマ!引き続き、地域の人々にスポットを当てます。春です。菜の花が咲けば、フレッシュな油が採れて、さらにうまみのあるたこやきが味わえるはず。そんなことを表現したバナーとなりました。(イベント中のたこやき提供はありませんなんとありました)
https://maido.connpass.com/event/311475/
vol.3はパイロット版のように時間は短いけれど人数は多め。しかしただ増やすのでなく旨みのある話を、さらに交流の機会をつくってみようと思います。運営メンバーもがんばります。ぜひぜひカジュアルに来てください。
そして4月19日に京都でやります。新たなイベント形態「アゲたこやきUX」として、いつもより意識をアゲるイベントを準備中!
いやいや「揚げ」って関西とちゃうんちゃう?と運営メンバーで話すも、みんな揚げたたこやきも、それはそれとして好きでした。それもネオ上方カルチャーの多様性としましょう(上方文化は江戸もあるんやで)。外見はカリッ、しかし中身はダシの深みをじっくりと味わえる、いつもより一段とアゲてくれる。そんな催しにします。ぜひぜひ、ご注目ください。
ネオ上方カルチャーの一端を目指して
コミュニティとして、これからやってみたいことがいろいろあります。
他のコミュニティ、イベントとコラボしたい
いろんな場所や地域に拡げてみたい
領域を拡げてみたい
などなどあるんですが、しかし一番は「継続」だと思っています。
当初より、地域にはおもしろみがたくさん眠っていると考え、何回かの催しを通じてそれを実感できました。しかし、機会がなければこのおもしろみを味わうことはできません。このおもしろみ、うまみは大切に育てたい。
主催者として、様々な課題はあったとしても、「継続」することをしばらく大切にやってみたいと思います。自然とその中で、新たな多様性やネオ上方としての表現やものづくり、人の体験を考えるカルチャーが醸成されていくはず(と勝手に思っている)。
とにかく、おもしろいコミュニティを育てていけたらと願っています。それにはおもしろみをシェアできる人々の参加が欠かせません!興味のある方はぜひぜひ、このコミュニティのことをシェアしてください。
そして近隣の方やお越しになる際は、気軽に参加してみてください。他地域でもやりたいな。それこそ、たこやきパーティに参加するつもりで来てもらえるとうれしいです🐙
たこやきUXを、今後もよろしくお願いいたします。ご拝読ありがとうございました。
たこやきUX隊長
ジーラム
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