コロナ禍、組織内に承認欲求の危機が来ている!!
withコロナとか、afterコロナとか、そんな言葉はどうでもいいんだけど、私たちはまさにコロナとの共存の真っ只中に居続けます。そして、慣れないテレワークという世界に投げ込まれました。それから4カ月以上、少しずついろいろなことが起こっています。
あなたがマネージャーだとしたら、最近とても重要だと感じることとして、メンバーの「承認欲求」をしっかりと満たしてあげることの大切さを指摘したいと思います。これが不十分ですと、強い不満になって表れたり、メンタル初期症状に陥ったりというようなことで、表に出てきます。
承認欲求を考えるとき、まず承認の対象として2つにわけて理解すると、わかりやすいです。
➀.行為承認(結果承認)…相手の行為やその結果を認める
➁.存在承認…相手の存在そのものを認める承認
まず、「存在承認」から考えてみましょう。「存在承認」の筆頭は、きちんと挨拶をすることです。そして、名前で呼ぶことです。さらには、ちゃんと意見を聴くこと、発言に対して質問を投げかけること。コミュニケーションをとるときは、しっかりと目をみること。その人に関心を持って、その人をよく観て、その人の変化に気づくことです(髪型、洋服、………)。
どうでしょう。これらすべて、お互いテレワークをしている環境下では非常にやりにくいものです。平常時でも結構おろそかにしがちなことでしたが、テレワークとなると相当に意識をしなければできません。日々、家で一人で仕事をしている人が孤独感を覚えないために、一人ひとりの「存在欲求」に応える努力がマネージャーには必要になります。
朝夕の連絡メールは必ず入れ合う。メールやチャットでの質問や意見等については、否定はせずにきちんと受け止めた上でできるだけ早く返信をする(今、これが1番大切です)。時にはオンラインで対面で打ち合わせをする(お互いに映像onで!)。その際にはビジネステーマのみでなく個人的な事柄の話し合いも交える。などなどささやかながらできる努力はいろいろあります。この努力をおろそかにすると、少しずつ「存在承認」に関わる承認欲求が満たされなくなってきます。それに気づかずに放置すると、必ず何らかの問題が顕在化してきます。
もう一つの「行為欲求」、これもテレワーク時には実に難しいものがあります。テレワークの日々では仕事のプロセスそのものが上司には見えません。プロセスが見えていれば、よい行動をした時点で「行為欲求」に応える声がけができますが、リアルに上司に伝わってくるのは仕事の結果だけです。結果の数値だけです。このようなテレワークの特徴をとらえて「ジョブ型」の人事制度を入れろという意見が強まっています。まあ、ジョブ型論議にはいろいろといいたいことがあるのですが、テレワークをしているメンバーを成果の数字だけでとらえることは実に危険です。テレワークでは、誰にも見えないところでメンバーは努力や苦労をしています。もしくは、手抜きや楽をしています。ここを見抜かずに結果の数値だけで判断されては「行為欲求」はずたずたになりかねません。もちろん、企業ですから結果と数値で評価をすることは正しいことです。しかし、仮に高い評価はできなくても、そのプロセスで頑張ったことについて、きちんと承認してもらえるかどうかは、メンバーにとつては実に大きな違いがあります。
ただ、これは本当に難しいです。まずは小まめな承認は有効です。例えば、1つひとつのメールのやり取りの中で、メンバーが何かやったことを必ず承認しようとする努力をすることです。事務的な文面にとどめずに、感想や期待を書き、やったことに対して承認を与えることです。承認というのは、認めることであり、評価とは関係ありません。よく頑張った、でも成果は出なかったねということもビジネスではいくらでもあります。この「よく頑張った」は認めてあげるというのが承認です。リアルな行動が見えない中で、メールやチャットの文字が語り掛ける情報はとても重要です。いつも以上に繊細な気持ちで文面を読むと、メンバーの気持ちが時に浮かび上がってくるものです。
コロナはそこにいます。良いとか悪いとかいってもどうにもなりません。私たちは今に慣れなければいけません。そのためには、今、平時と違って何が起こっているのかを冷静に見極めなければなりません。その1つとして、「承認欲求の危機」が組織の中で起こり始めていないか、今日はそんなことを考えてみました。
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