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372 Web制作者にとって「分かったような気になる」のは大敵。(稲田)2023/8/8

仕事において「分かったような言葉を使わない」ようになるには節度が必要です。モラルと言ってもいい。分かったような言葉を使わないと余計な手間も時間もかかるし何より面倒くさい。いわゆるコスパが悪い。でも、それらのデメリットがあっても、分かったような気分になってしまうことの方が問題なんですよね。手も足も思考も止まるし。

特にWebサイトは画面の向こう側にいるユーザーのことを考えて妄想して憑依して成りきって丁度いいくらいなので、Web制作者にとって「分かったような気になる」のは大敵です。分からないと思うから分かろうとする訳で。例えばWeb活用においてユーザーのカテゴライズは重要ですが諸刃の剣だと思っています。MQLとかSQLとかスコアリングとかぜんぶ企業側の都合ですから。別にユーザーは「いま自分はSQLだな」なんて思って行動しているわけじゃない。

ユーザーのカテゴライズは事業を進めるために必要だし有効な手段ですが、それが即ちユーザーではない。分類したことで目の前の人物への観察や想像が薄れてしまったらそれこそ本末転倒です。ユーザーの一人ひとりに個別な状況があるし、異なる課題があり、成すべきことがある。なに当たり前のこと言ってんだと思われそうですが、たしかにすごーく当たり前のことなんですよね。でも、分かったような気になっちゃうんです。気をつけていないと。

分からないと思うから分かろうとする。分からないから観察して想像して試行錯誤する。どんな仕事であれ、顧客やユーザーを分かろうとする姿勢は絶対的に必要なマインドですよね。だからこそ、「分からなさ」を保つ姿勢が必要なんだろうなと思ってます。特にWeb制作者は。


関連note

仕事で使う言葉でその人の本気度がわかる説。

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