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前代未聞の200人への取材から大手企業の変革に挑む。

「業界の変革に伴い、存続の危機にあるA社を救いたい。」そのためには社員の意識や行動を変えなければいけない。100周年記念事業を通して大手食品メーカーA社の改革に挑む、5年がかり、予算約2億円という超大型プロジェクト。そのリーダーである江口さんに、一緒にプロジェクトに携わる学生インターンの水野と小南がインタビューをしました。

〈 ゲストプロフィール 〉
江口克成 / 周年社史事業部 プロジェクトリーダー コンサルタント
JBAには2013年に新卒で入社。海苔屋の息子として佐賀県に生まれる。大学時代は建築を学び、クリエイティブな仕事をしたいと感じJBAに入社。
小南明日香 / 周年社史事業部 コンサルタント
北海道大学農学部3年。北海道出身。
JBAには2023年3月に入社。他社のコンペでは学生にしてプロジェクトリーダーを務めるなど活躍の幅を広げている。
水野咲季 / 周年社史事業部 コンサルライター
北海道大学生命科学院1年。静岡県出身。
JBAには2023年3月に入社。コンサルタントとしてだけではなく、本プロジェクトではライターとしても活躍している。

(小南) 本日は、A社の周年支援について伺っていきたいと思います。まず改めて、プロジェクトの概要を教えて下さい。

(江口) A社から100周年記念として制作する社史のコンペに参加してほしいとお話をいただいたことからはじまったプロジェクトです。
そもそも社史とは、伝記の企業バージョンのようなもので、その会社が経験してきた歴史をまとめるものでした。日本には長い歴史を持つ会社が多いことから、周年をきっかけにこれまでの出来事を記録するために社史を作ろうとするお客様が多くいます。そこに、私たちは着目しました。ただ歴史をまとめるだけの社史ではもったいないんじゃないかと。やり方さえ変えればもっと大きな力があると考えたのです。私たちが新たな社史を提案すれば、会社が変わるきっかけになると信じています。

A社についても、改めてこれまでの歴史を見つめ直すと、この数年で業界の変革に伴い業績が落ちており、社員に「何をやってもまた失敗するのではないか」という考え方がしみついてしまっていることが分かりました。このままでは、せっかく素晴らしい商品を提供し続けてきたA社が終わってしまう。だからこそ、私たちは社史を含めた100周年記念事業の支援で、A社を変えようと決心しました。

(水野) とはいっても、本当にそんな大企業を変えることできるのかと感じる方も多いと思います。具体的に社史を通してどうやって会社を変えられると考えていますか?

(江口) そもそもどんなに大きな企業でも、会社を作っているのは社員一人ひとりの行動なんです。会社の歴史を変えるようなプロジェクトも初めは一人の社員の声からスタートするものだからこそ、社員一人ひとりの行動に大きな価値があるんです。
A社がさまざまな時代を生き残り、ここまでの大企業になっている理由は必ず過去の社員の意識や行動にあります。それを会社の未来をつくる次世代に伝えるとともに、これから目指すべき姿を提案する。
大手企業の若手社員はびっくりするぐらい自分たちの会社の未来を自分事としてイメージできていない。それでは今後会社の成長が止まってしまい、業界の変化に対応できずに衰退してしまいます。私たちは、社史を通して、歴史から抽出した会社の成長に繋がる行動の「ヒント」を伝え、これから自分や会社が目指すべき未来、そのために自分がするべきことを考える機会を提供する。それによって、社員一人ひとりの挑戦を広げ、これからの時代を生き抜くことができる会社、より大きな価値を社会に提供できる会社に成長させることができると考えています。

A社にはまさにこれが必要だと感じ、社史をきっかけとして自分たちがA社を何とかしなければと強い使命感を持ちました。JBAをパートナーとして選んでいただけたのは、お客様にもJBAとなら本当に一緒に会社を変えていけると感じていただけたからだと思います。

(水野) ありがとうございます。私も社史制作に関わっていて、歴史の裏にある企業の魅力に多くの社員が気付いていないもどかしさを感じています。社史を通してそれを伝えることができれば、本当にその企業を変えられるという実感を持っています。
プロジェクト開始後、社史に残す情報を集める段階では全社員の10%もの方たちに取材されてますよね。そもそもなぜ、そんな人数を取材することになったんですか?

(江口) そこまでしなくても社史はできるし、普通はこの人数は絶対にやらない。でも、私たちの本質的な目的は、社史づくりではなく、あくまで会社を変えること。
具体的に社史の内容を考えたときに、会社を変えるためには、これまでと同じ成功ばかりを集めた美談ではなく、失敗や後悔などの本音を聞いて、新しい観点で会社を捉えることが必要だと考えました。そのためには、記録に残っている情報ではなく、実際にその時代を生きた人たちのリアルな声が必要だったんです。また、一つの出来事も、あらゆる立場や職種の人など複数の視点から多角的に捉えたいという想いもありました。だから、現在の社長をはじめ、全役員や歴代社長までを含めた全社員の10%におよぶ人数にヒアリングをさせてほしいとお願いしました。
さらに、取材した会社のキーマンたちに会社の未来を自分事化して考えてもらい、このプロジェクトに巻き込むという観点においても、組織の10%というのは全くもって妥当な人数。初めはお客様から予算的にもそこまでやるのは厳しいのではと反対されましたが、絶対に必要な人数だと思っていたのでやらない理由がありませんでした。「コストはこちらで負担するので、取材をやらせてください」とまで言って、やっと実現しました。


(小南) 私たちは取材の情報整理も担当していましたが、社員のだれも知らない話や若手世代に対する課題、逆に若手世代から見た会社など、絶対普通では聞けない話ばかりが語られていましたよね。文字からだけでは伝わらない、さらに深い情報を知りたいと思って、実際に取材した江口さんに質問をし続けてました。当時の担当者の悩みや当時の生々しい苦労話を聞くと、その企業の社員ではない私まで勇気をもらえるような感覚になっていました。

(江口) すごい経験だよね。これだけの人数を取材したことで、A社の変え方・導き方が見えてきました。それだけ生の声を聞くことで、はじめて企業のあるべき姿を描くことができるようになるんです。
ここまで1つの会社をとことん詳しく知るなんて、自分の働く会社についてでもめったにないこと。水野さんも小南さんも若手社員より絶対詳しくなっていると思う。でも、ただ詳しくなっただけでは意味がなくて、二人が感じたことをA社の社員に感じて貰わないといけない。取材で得た膨大な情報から本当に社員に伝えないといけない情報を選んで、伝わるように形にしていくのが、社史をつくる私たちの責任だと思ってます。

(水野) 自分がこれまで何気なく手にしていた商品の裏側を知れるのもおもしろいですよね。社員の人も知らないような裏話をたくさん聞いたので、スーパーでもA社の商品を見つけると、その商品についての裏話を思い出すようになりました(笑)
私たちと同じように純粋な驚きとか面白さを感じて、もっと商品や会社のことを好きになってもらえるようなコンテンツもつくりたいです。

(小南) 伝えたい話が多すぎて選ぶのが難しいですよね。つくりたいコンテンツがどんどん出てきて100周年までに出来上がらないんじゃないかとすら思ってます。

(江口)100周年でできあがらなくてもいいんだよ。今回はWebで社史を作るから、更新し続けられるのがいいところで、このプロジェクトは10年、20年と続いていくものにする。伝えたいことを伝えきるまでとことん発信しつづけるし、100周年を過ぎても、それこそ会社が変わるまでとことんやりつづけます。

(水野) 私も記事を執筆しながら、本当に伝えたいメッセージを伝えるためには、文章以外の表現も必要ではないかと感じました。文章だけではなく、動画や漫画などもっと新しい表現方法も身につけたいと考えるようになりました。さまざまな方法で、より若手社員の心に残るコンテンツを追求していきたいです。

(小南) 私は、このプロジェクトを通して、社史はあくまでも手段で、その先には「企業をより良くする」という目的があることを実感しました。取材の事実をもとに「どうすれば企業が良くなるのか」を本気で考えていると、価値のある社史をつくることはもちろんですが、社史制作だけに囚われる必要はないと感じています。取材を通して人材課題の声が大きければ社員教育や採用支援、商品の売上が低迷しているならマーケティング支援など、あらゆる角度から1社を支援していきたいです。

(江口) その通りで、やりたいことはまだまだある。社史だけに留まらず、本当に会社を変えるために必要なことをどんどん支援したい。それがJBAが企業を支援する意味なんです。やればやるほど終わりがない。どこまでも親身に、長期的な関係性を築いていきたいと思っています。さらに、A社の支援を通して私たちが身に付けたノウハウは、他の企業にも展開できます。このプロジェクトを皮切りに、大企業を本質的に変えることを支援していきたい。それが、日本を、世界をより良くすることに繋がっていくと信じています。


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