求道者が紡ぐ、深淵な音色[岩川光×尾花毅]
動画を再生した瞬間に、分厚く芯の通った力強い音色の迫力に驚いた。ケーナとギターという組み合わせから、静謐なサウンドを先入観として抱いていた筆者は、自分が恥ずかしくなった。岩川が時折、自身の声を発しながら奏でるサウンドはジョン・コルトレーンの最後期の、人力演奏の限界まで到達したかのような高みに上り詰めた求道者の面影を感じた。対する尾花も岩川の発する尋常ではない音の波動に対して、その指先から熱量の高い音を爪弾き出す。ケーナとアコースティックギターというシンプルな編成から、ここまで