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ひとり広報はツラいよ 孤独や誤解との戦い編
私の広報としてのキャリアのスタートはリクルートで、大所帯の広報部員のの中にいました。
リクルート卒業後は、ベンチャー企業のシンガポール支社立ち上げに参画。シンガポールという外国で、ひとりで販路開拓から広報活動まで行っていた時、「ひとり広報って私みたいな人のことをいうんだろうな〜w」とよく思っていました。
その後、2018年に今の戦略広報の会社ジェイードを開業してからは、クライアント・友人知人などとして実に様々な企業の広報さんと関わってきました。
従業員100名規模の会社であっても、広報の専任をおいている会社はさほど多くはないことを考えると、「ひとり広報」さんは実は非常に多いのです。
「ひとり広報」あるあるを語り出すとキリがないのですが、いくつか私自身の経験や見聞きした内容をもとにご紹介したいと思います。
相談相手・壁打ち相手がいない
これはほとんどのひとり広報さんが抱えている悩みでしょう。
広報の世界って、手法やメディアの体制なども日々目まぐるしく進化していくものですから、とにかく情報のアップデートが大切です。
大きい会社なら、役割分担もしっかりしているので、黙っていても最新の情報がアップデートされたりします。一方ひとり広報だと、自分で情報を収集して、それを咀嚼して自分の仕事に活用し、時には社内にシェアもして…ってかなり大変ですよね。
広報が扱う情報は社外秘も多いので、うかつに部署外や社外の友人に話すわけにもいかない。
孤独!
です。
「広報って宣伝でしょ?」「何で記事チェックできないの?」という誤解
これはひとり広報さんに限らない広報あるあるですが、この誤解が広報を苦しめることがよくあります。
世の中でいわれる「広報」って、本当に定義が曖昧なので、ひとによってかなり捉え方が違います。
いわゆるプレスリリースやメディア対応など、純粋なPublic Relationsとしての広報。
+そこに広告宣伝を含めた広報。
+さらに営業資料なども含めた対外的な発信物すべてまで含めた広報…。
会社によって実に様々なので、どれが正解、というのはありません。
ただ、純粋なメディアからの取材は、あくまでも発信主体はメディア側にあり、こちらでコントロールし切れるものでないことだけは確かです。
にもかかわらず「記事が出る前にチェックさせろ」とか、「話したこと全部紙面に載せろ」とか、そんな無理難題を突きつけられることの多いこと多いこと…。
そうした無理難題に対しても、ひとり広報の場合、たったひとりで立ち向かわなくてはならないのがツラいところです。
しかも、取材対応をする方なんて、たいていは部長以上のエラい方々。
そんなエラい方々に「広報のいる意味がない!」なんて面と向かって怒られてしまった日には、モチベーションだだ下りですよね。
ネームバリューがないから? あんな仲良くなった記者なのにスルーされた涙
取材を通して仲良くなった記者さん。特にテレビなど長時間にわたる取材を経ると、かなりの確率で記者さんと仲良くなれます。
取材の合間に話しているうちに、同学年だったり、出身大学が同じだったり、趣味が同じだったり、共通の友人がいたりと、思いがけない接点を見つけることもしばしばです。
そうして仲良くなった記者さん。次のリリース時に「先日取材でご一緒した穐吉です!この度新しいリリースが…」なんて連絡をしたのに、ノーレス、ということもしばしばです。
そうするとついついひとり広報さんが考えてしまうのが「あぁ、うちの会社、ネームバリューあんまりないから無視されちゃった…」という考え。
そんなふうに考え始めると、「あの取材の時はあんなに盛り上がったのに…」とか「今度飲みに行こうとまで言ってくれたのに…」なんて寂し〜い気持ちになってしまうものです。
ただ、ここに関して声を大にして言いたいのは、記者さんにスルーされてしまうのは会社のネームバリューではなく、ネタが原因です。
記者は世の中にインパクトのある情報や、自分の担当する領域で多くの読者が興味を持つネタを追っています。
その意味で、大規模な企業のネタの方が取り上げられやすい、というのはあるとは思いますが、どんな小さな企業だって、切り口やタイミング次第でいくらでも大手メディアに取り上げてもらう方法はあります。
記者さんとはどんなに仲良くなっても、やはりそこはただのお友達ではありません。もらった情報が自分の興味の範疇から外れていれば、忙しい日々の中で返信を忘れてしまうこともあるでしょう。
とにかく「無視されても気にしない」。
ここに尽きます。
次も、そのまた次も何事もなかったかのように「ご無沙汰してます!」なんて普通に 連絡してみてください。
私も、5回連続でリリースを送ったのにスルー。けれど6回目で「こんにちは!ずっと返信できてなくてごめんなさい。ぜひ取材させてください」なんて明るく返信をいただくこともしばしばです。
とにかく、広報は無視されるのが仕事のようなものと捉えて、明るく次にすすんでいくことが大事なのですね。
どうやって孤独や誤解と戦う?おすすめの方法
ここまでひとり広報あるあるをいくつか紹介してきました。
振り返ってみると、「孤独」や「誤解される残念さ」みたいな精神的な面での課題が多かったように思います。
ご参考までに、世の中のひとり広報さんがとっている対処法をご紹介してみます。
相談・壁打ち相手がいない
これは横の繋がりをふやし、世の中の良い事例に学ぶしかないです。
・FacebookやClubhouse、noteなどの広報関連のグループに入る
・雑誌の『広報会議』などでステキ事例を学ぶ
・PR 会社などが運営する広報の会などに入会する
・記者で気軽にランチや情報交換ができる人をつくる
やはり広報はプロフェッショナルな仕事ですので、話が通じ合う人どうしで繋がって、どんどん最新の情報にアップデートをしていくに限ります。
広報と宣伝の混同や記事事前チェックなど広報業務への誤解
地道ですが、これは誤解が生じるたびにきちんと広報と広告は別物であることを説明していくしかありません。
社内のいち担当者が言っても納得してもらえない場合は、PRコンサルをしている企業の手を借りたりする方法も良いでしょう。
また、「事前チェックできないなら広報がいる意味がないだろう」という議論に対しては、「広報は広告ではないので、どんな企業でも、最終の編集権限はメディア側にあります。でも中長期的に、よりうちに良い形で記事を書いてもらえるように日々最善の努力を尽くしていくのが広報の仕事です」
これを伝え続けるしかないですよね。
企業広報が事前に記事チェック&修正なんかできるのだったら、決して企業批判の記事なんて出ないはずです。
広報としては結構傷つく言葉ですが、とにかく「知らない」だけなのです。
腐らず、何度でも繰り返し説いていきましょう!
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