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閉ざしてしまった価値。に触れる。人生の話しをしよっか。

〜高校生達の物語〜

沖縄県教育民泊を受け入れています。 

修学旅行に来る全国の中高生を民間が受け入れている取り組みを知っていて、私の住んでいるエリアでも広がりを見せつつあったから、登録だけしておいて
2年も経っていた所でした。


・  ・  ・

『急で申し訳ないんだけど、明日、ピンチヒッターで
受け入れ、お願いできませんかね〜?』

夕飯の買い物をしに行こうとしていた時、玄関先で
電話が鳴り修学旅行生を引き受けてくれないか?
との打診。

話によるとキャンセルの民家がでてきてしまい急遽、準備中の中部地区エリアに要請しているとの事。

この年は
立て続けにかなり大きな台風が二つも通過していて
台風に慣れっこの私ですら
久しぶりに大きいのがきたな、、って、
台風による不安というのを
久しぶりに感じていました。


窓が割れて、屋根が飛んで、、ドアが傾いて、、
部屋が水びだしという
民家の被害状況の話を聞いた時に、新聞でもテレビでも連日かなり大きく取り上げられていたから
担当者の話を納得しながら聞いていました。

急遽6世帯ほど探しているとの事。
全体の内容を把握した所で、

この子たち、
私が断るとどうなるんですか?

と聞くと、

『ホテルを急遽探さなくちゃならないねぇ..
でも空いるかどうかもわからなくってさ..,.

......明日だし、まだ観光客たくさんの季節さね...
とりあえず当たって聞いてみてる最中なんですよ...』

・  ・

急な以来に、話を聴きながらも
私の思考は一瞬であれこれと模索し始めて、

すぐさまNOを出さない、私の中にある何かが
流れ始めた感覚
がありました。






『1時間だけ考える時間を頂けますか?』
と言って電話を切り、車に乗り込む。

エンジンボタンを押し
暫くハンドルに顎を乗せたまま、

なんてったって明日の話。
18時受付の翌日12時昼まで
高校2年生の、女子を4名。

んーーー、どうしようか、、と
思考が高速回転する。

運転しながらも
ボーっと糸満までの送迎と自分のスケジュール、
うちの子供たちのスケジュールと心境等、

YESかノーか
思考の頭の上司が、決断に向けての会議体制
入っていきました。

・  ・  ・


自宅に人を泊めるという事に関して
実はあまり抵抗感を持っていなく、

それは私の実家も同じ様にホストファミリーとして
海外からの受け入れ、常時ウェルカム体制で
スタンバイしていた体験があったからで、

姉妹都市になっていたニュージーランドの
学生を皮切りに、アメリカ、カナダ、オーストラリア、イタリア、韓国、そりゃあっちからも、こっちからも、色んなお国の人達が我が家に出入りしていて

それも、これも、父の趣味。

異文化交流好きな父の趣味の一環に毎回、
完全、事後承諾の流れで事がやってくるので
母がいっつも困り果てていた顔をしていたのを
未だに覚えています。


でも、わたしも実は似ていて
実はやってきた、今まで。沖縄で。何度も。

この観光地沖縄、内地から遊びに来る友達も
多くて、食う寝る遊ぶを、共にする事、
人をもてなす事、全く苦じゃなかったから
そして、とっても深い時間を過ごせたから、
楽しい体験ばかりがフラッシュバックする。

仕事も一段落した時期で
時間がぽっかり空いてしまい
どう時間を使って行ったら良いのか分からない
時だっただけに、

電話を切った後、そんな
以前味わった、そんな楽しかった感情が
ふつふつと沸いてきました。



昼間の時間は空いているものの
夕方から夜にかけては少しばかり子供達の送迎に使う
拘束時間はあって、でも。
明日火曜日は
何にもない、何にも、。

見事にぽっかりと空いていてこれは
ゴーサイン。いやまて、、?
わたしのスケジュールは空いているけど、
末っ子も何にもないけれど、、
長女が、
あいやぁ、中間考査、初日だ....。



・   ・



どうしよう...かな。テスト、それも初日。
て事は、今日は前日だったか。
んーーどうしよう...

進学校に通っている中2の娘は
色んな教科に既に追いつけなく、やる気も起きなく
そのうち何かのタイミングが来たら頑張ってくれるでしょう...。
とは思っていたけど、やっぱり学校の試験

でも、面白そうだよなぁ今しかないよなぁ、
普通はテスト中は受け入れしないよなぁ、
普通の家は、、。
なんて考えながらも、わたしの直感はGoなのだ。

一応娘にメッセージを入れたものの
直ぐに担当者にコールバックし
『やってみましょうね...』と
承諾の連絡を入れてしまいました。



・   ・   ・

それからかれこれ2年が経過しています。
ピンチ受け入れを10件程経験していった流れ
子供達とたったの1泊2日、2泊3日を過ごす中で、
それもかなり密に過ごす中で、

どの子もぽつりぽつりと心のうちを話して
来る様になり、
17歳という自我の芽生えた青春ど真ん中。

自分なんて、どうせ自分なんて、

羨ましい、○○が羨ましい、、

私の事なんか、わたしなんか、
だいきらいだ、

わたしは本当は○○になんかなりたくない!

オレなんか、どうせ、大したことないし、

ぼく、ふつうに、いきていけたら、なんでもいいや
べつに、いいや、

オレさ、親にさ、包丁向けた事、あるよ...


ニコニコしながら学校の事をを沢山語ってくれる時も
彼氏の写真を嬉しそうに見せてくれる時も
はたまた、片思いのひとの話しの恋話に 
混ぜてもらえる時も

最初のきっかけは
なんてことない事だけれど
ぽつりぽつりと話してくる。

『まま、、あのね、』って。


家庭環境をあれこれ聴く事はないけれど、
だんだん心を見せてくるから、
話したければ、話せばいいから。

沖縄に来たほんの、ひととき過ごす時間の中でも

私が東京から沖縄に来たばっかりな時に
身近にいた沢山の人が私にそうしてくれた様に。

人の温かさを感じて、それに触れた時の
肌の感覚は覚えてるから。

温かさは目に見えない、でも
見えない何か。
人が人へ感じる何かは、
柔らかく、温かく、

それは、受け入れられているという事だけ。
その余韻は未だに身体が覚えているから..

痛みを知っているさぁね、いろいろと。
だから優しくなれるさぁね、いろいろと。
そんな風に笑って話す沖縄の人たちの温かさに
触れたから。私も伝えてあげたい。


人生を歩むという事について話をしよっか?

家だけではない、別の場所でも、

あなたはあなたのままで
先ずは、今のその全て味わっている事が
大丈夫なんだって。話してあげたい。

あなたは先ずそのままで。
だから先ずはしっかり味わってごらん

大丈夫よ、ららら〜なんくるないさ。

・  ・  ・



申請していた旅館業の許可がおりました。
余りにもスムーズな流れで
目に見えない何かが働いている様です。

あの時の何とも言えない
直感のGoサイン。

自分の中での作戦会議が
あんなにも早く済んでしまった流れ。

何かわからないけれど、ご縁のある方々と一緒に
進んでいくんだろうなって
思っています。
今コロナでこんな時期だけれど、
落ちついた時に来てくれる子供達と
ひとときの間だけでも
喜びを織り込んでいきたいなと思って、

お宿の名前を『喜織』と名付けました。

わたし、女将さん業似合うんじゃないかなって
前から思っていて、

全てはこんな経験をしてみたいって思う
自分の意識から生まれたもの。
あの時のやっちゃえ、から始まったもの。

人生の料理家Saori  私はこんなひとです♪

お料理はこんな感じです♪

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