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【ツイスター】を三幕構成で読み解く
ツイスターズの予習も兼ねて視聴しました。
結末まで語るので、本編を未見の方にはブラウザバックを推奨します。
一幕
プロローグ)
1969年。オクラホマを襲ったF5ランクの巨大竜巻に襲われて少女は父親を亡くす。
1)
1996年。かつて人間気圧計のあだ名で馳せた元竜巻チェイサーのビルは恋人サマンサを連れてジョーに離婚届を受け取りに行く。ジョーは完成した新型竜巻観測装置『ドロシー』を見せるためにビルを現場まで呼んだのだった。
2)
ビルはジョーナスと鉢合わせる。ジョーナスはチームから観測器のアイデアを盗んで脱退し、スポンサーをつけて手柄の横取りを画策している。ビルはすぐ帰る計画を変更して、1日だけの条件でチームの竜巻観測に参加する。ジョーナスより先に観測データを取得するのが目的となる。
二幕
3)
ビルとジョーはドロシー1号を使って竜巻観測を試みるが失敗する。メリッサは湖の近くで空飛ぶ牛を見て竜巻の脅威を認識する。メグの家で朗らかに食事したり楽しくも過ごす。
4)
ビルとジョーはドロシー2号を使って竜巻観測を試みるが失敗する。丘の上で猛威を振るう竜巻を見てメリッサは恐怖を感じる。ビルはジョーの幼児体験のトラウマを再認識する。メリッサは二人の会話を聞いて未来を考え直す。
5)
ドライブインシアターで休憩中に竜巻の急襲を受ける。ビルはメリッサから別れを告げられる。巨大竜巻がワキタを直撃してメグの家が潰れる。ビルとジョーはドロシーの改良方法を思い付く。そして30年ぶりにF5ランクの巨大竜巻が発生する。
6)
ビルとジョーはドロシー3号を使って竜巻観測を試みるが失敗する。ジョーナスの車が目の前で竜巻に飲み込まれる。ビルとジョーは巨大な破片が降ってくる道路をなんとか逃げ切る。
三幕
7)
ビルとジョーはドロシー4号を使って竜巻観測に成功する。ドロシーの観測器が竜巻に飲み込まれて、大量の観測データを入手する。ビルとジョーは民家に逃げ込む。
8)
ビルとジョーとチームは生還に歓喜する。今後チームには集積してデータを使っての竜巻予測プログラムの開発が待っている。ジョーの人生の目的達成に大きく近づいた。
FIN
▼解説・感想:
一幕
一場:状況説明
二場:目的の設定
二幕
三場:一番低い障害
四場:二番目に低い障害
五場:状況の再整備
六場:一番高い障害
三幕
七場:真のクライマックス
八場:すべての結末
三幕構成に綺麗に当てはまる映画でした。
30年近く前にケーブルテレビで観たはずですが、完全に内容を忘れていたので、続編公開のタイミングで再視聴して大正解でした。主要キャラクターの動機と、本作でマクガフィンとなる新型竜巻観測器ドロシーについては知っておいて損はないでしょう。
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私は全くだったので予習して正解でした。(笑)
竜巻に飛ばされる存在がドロシーという名前なのは完全に『オズの魔法使い』で面白いです。
30年前の技術なのに、いま観ても大迫力な映像が素晴らしいです。構図と色彩と編集が完璧だからでしょう。アクション映画の教科書として何度もリファレンスされて然るべき作品ですね。
30年経った最新の映像技術の比較という意味でも視聴は有意義です。そして第1作の中での30年の時間スパンがあって、それが第2作で奇しくも同じ30年スパンで公開されることにも運命めいたものを感じます。
本作は竜巻を追いかけるだけのはずなのに、毎回違うビジュアルにして飽きさせないのはさすが『スピード』を大成功させたヤン・デ・ボン監督という感じがします。願わくば、この人にハリウッド版ゴジラの監督も務めて欲しかった!
空飛ぶ牛ばかり記憶に残っていましたが、円盤が飛んできて頭スパーンとか、コーン畑にトラクターで突進とか、他にもアイコニックなビジュアルが沢山ありました。これ『インターステラー』の着想元かもしれませんね。竜巻の中心に入って神々しいものを見るのは『マトリックスリローデッド』にも影響を与えているような気がします。
(了)
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