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膝関節の評価⑧

前回、前々回と脛骨大腿関節の後方を安定させる膝窩筋、半膜様筋について整理しました。機能解剖と筋の走行を一緒に確認することで、解剖学の知識と臨床がつながり、評価の目的が明確になります。
前回の内容はこちら
臨床1年目の教科書
今回は膝窩筋、半膜様筋と一緒に脛骨大腿関節の後方を安定させる腓腹筋について整理しましょう。


1 特徴

復習になりますが、脛骨大腿関節の後方関節包は、膝窩筋、腓腹筋、ハムストリングス、特に半膜様筋腱の延長線維によってさらに補強されています。
それぞれに走行を確認すると、以下の図になっており、各筋が後方を包み込むように走行しています。この走行を確認することにより後方の安定性を担当していることが理解できます。
臨床で膝関節の評価をする際には
・膝窩筋
・腓腹筋
・半膜様筋

の3つの状態を確認することがポイントとなります。

引用: (c)teamLabBody

2 どう可動しているのか?

今回注目するのが、腓腹筋の起始です。
腓腹筋の起始・停止を確認すると
【起始】内側頭:大腿骨内側顆の後面 外側頭:大腿骨外側顆の後面
【停止】アキレス腱を経て踵骨後面の踵骨隆起

となっています。
この起始部は後方の安定性に寄与している半膜様筋の深部にあり、腓腹筋と半膜様筋は重なり合っています。
この部位に滑走性の低下が生じることが臨床上多くあります。滑走性の低下が生じると、それぞれに筋が個別で働きにくくなり、脛骨大腿関節の後方の安定性が低下してしまいます。

臨床ではこの重なりあっている部位の滑走性を確認することがポイントとなります。

3 実際の評価方法

実際の評価方法として半膜様筋と腓腹筋の筋間に押圧を加え、疼痛の有無を確認していきます。
方法として
①半腱様筋と腓腹筋内側頭の交差部を確認
②交差部に圧を加える
③徐々に押圧を加え、痛みの有無を確認する

4 まとめ

筋の役割を確認した後は、必ず解剖学の参考書などで走行も確認しましょう。その筋が担当している役割、そして評価ポイントの理解が深まります。
そのためにも一度機能解剖で整理していきましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。最後まで読んでいただきありとうございました。

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