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僧帽筋(下部線維)の触診

前回・前々回と上部線維・中部線維について整理していきました。
臨床で働いていると意外と見落としがちなのが中部線維の状態です。肩甲骨に安定性が欠けていると考えたら、中部線維の状態をしっかりとMMT・触診などで評価してみましょう。
さて、今回は下部線維について整理していきたいと思います。

1 触れることの臨床意義

下部線維は臨床で注目されることが少ない筋ですが、作用を確認すると状態を把握することの重要性が理解できます。
下部線維の作用は肩甲骨の外転と下方回旋です。
しかし、ここで注目していきたいのが、肩甲骨の上方回旋にも作用するという点です。

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(引用:基礎運動学 第6版)

つまり、下部線維が不全を起こすと、肩甲骨の動きを阻害し、肩関節の運動にも支障がくることが予測されます。
その点を踏まえると触診しておきたいポイントです。

2 特徴

僧帽筋の下部線維が上方回旋に作用することがイメージしにくいことが多くあります。
ここでのポイントはしっかりと走行をイメージできるようになりましょう。起始:第4~12胸椎棘突起
停止:肩甲棘三角

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(引用:(c)teamLabBody)

確認すると停止は肩甲棘三角です。つまり、肩甲棘三角を中心に肩甲骨を牽引するため、上方回旋にも作用することが理解できます。

3 実際の触診方法

では、実際に触れていきましょう。
中部線維との筋間についてもしっかりと触り分けをしていきたいポイントです。
① 肩関節をゼロポジションに誘導
② ゼロポジションから肩関節を屈曲してもらい、収縮を確認
③ 指を大きく外側、内側に動かし筋腹全体を確認する

スクリーンショット 2021-09-06 6.51.38

4 まとめ

今回の参考資料は基礎運動学をメインに書いてみました。
いかがでしょう?学生時代の基礎的な内容を見直すと臨床で活かせることが多いことに気づきます。基礎が大切なのですね。
ぜひ、ご自身でも整理してみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

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