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ぬばたまおろち しらたまおろち

みなさまご機嫌よう。もーやんです。

本日は読書感想文。最近偶然見つけて、あまりの面白さに明け方まで読みきった本をご紹介します。

『ぬばたまおろち しらたまおろち』(白鷺あおい著)

まず、何と言っても字が細かい!!!笑

そして分厚い(*ノ´□`)ノ

これだけで、著者と編集者の熱がこもった面白い本だと感じます。

ファンタジーの新人賞で優秀作品となり、本作でデビュー。

読んでみて、八咫烏シリーズが大好きな私は垂涎ものでした(*´∀`*)

◯あらすじ

岡山県北にある時代から取り残されたような村。そこに暮らす中学生の綾乃は、伯父夫婦の元で慎ましく過ごしている。

両親を事故で亡くし、自身も大きな怪我から回復したばかり。どこか村の子供たちとは一線を引いてしまう。

そんな彼女には、誰にも言えない秘密の友達がいた。。。

ある夏の日。言い伝えを研究する白い肌の美しい先生が村に来たことで、彼女の人生は大きく動き始める。

☆★☆ーーーーーーーーーー★☆★

様々な伝承が残る村には、人懐こい面々とは裏腹に、仄暗く薄気味悪さも漂う。

そして、秘密の友達との神秘的ながら妖しさと怖さも感じる禁じられた恋。

雨乞いの巫女に抜擢された綾乃。

。。。うん( 。゚Д゚。)これはアブナイ。

日本の怖い昔話がよぎる展開。なるほど、そーゆー系ね。どうせ、秘密の友達が助けに来てなんやかんや山の中で幸せになろうエンドね。と高を括ったわたくし。

ちがうの!

ちがったの!!!

その後は、、、

奈良のおみわさんにハリー・ポッター、トンネルの首無しライダーと河童、フランス菓子と箒とのっぺらぼう、大蛇とネッシーとアナコンダ。。。

まだまだあるわよ。うふふ( *´艸`)

※以下、マイルドなネタバレ注意※

◯本を読む人ほど面白い

本作は様々なオマージュと引用がたっぷり。日本書紀に宮沢賢治から海外の名著まで、私は読んだことがないものばかり。

主人公を読書家とするあたり、著者も相当の本好きと見ます。特にファンタジーやSF。

『ファウスト』の日本語訳を暗誦する場面。どんな隠喩があるのかしら?なんて考えてしまいました。

ほんとに色んな引用があるので、「きっと物知りな人は倍楽しくて深読みもできるんだろうなぁ」としみじみ。これをきっかけに本を読むのも素敵よね。

◯ファンタジーとSFの他ジャンルmix

ぬばたまおろちは、ファンタジーです。そしてタイムスリップもあるSFです。

八つ墓村の怖さと、『友情・努力・勝利』な学園ものの楽しさもあります。

思春期の危うい恋と純情もあります。

フランス式のハーブティーもあり、竹で箒を作って暴走族と筑波山で闘います。

読んでないと意味不明かと思いますが、読後に記事を読めば『にやっ』としていただけることでしょう。

◯最後にあっと言わせる伏線回収

。。。はい、

あのね。

ぬばたまとしらたまというタイトルから、きっと何かしらの対になっているのだろうとは考えていました。

陰と陽、光と影、白と黒。

でもまさか、そんな。

三角関係になると思ってたのに!

この展開も面白いけど!ヽ(●´ε`●)ノ

主役の恋模様だけではなく、あらゆる場面の伏線を回収しまくります。学園編はまだ中盤。由希恵先生が人身御供を疑った『お菊さん』の伝説など、意外な結末を迎えます。

読後、わたくしはイチから読み直しました。

にやつきながら。笑

◯結局。。。性と離せない昔話

魔女祭り『ヴァルプルギスの夜』をあけすけな言葉で表現した絵葉。赤面する一同でしたが、本作では喩えを変えて繰り返し伝えられます。

そうよね、お祭りの目的の1つは日本も世界もそれですから。

ネッシーも、神様も、主も、人も何でも。やっぱり生きるものの目的は繋ぐこと。最後の最後、雪之丞も白状したとおり考えてることは同じなのです。

いくら壮大に書いても、結局どんなストーリーもそこ( o´ェ`o)。

ただ、子孫繁栄という『広がる』ことより、もっとこう糸を切らずに絶やさないというイメージ?ひっそりとでも、何かしら残したいという想いを感じました。

。。。ここで逆に。子を成さないことへのジレンマを紡ぐ物語もわたくしは好きです。『生』を考えます。吸血鬼とか長寿のエルフとか不死の種族とか。

先のことではなく、今の自分をどう生きるか、いかに命を生ききるかが「わたし」の使命よね、と。

◯一言で伝えるなら「萌」

本作を分かりやすくまとめると、『萌えの集合』です。

萌えって最近聞きませんが、あえて。

人々のキュン所を的確に突いてきます。きっと、あなたにも刺さるシーンがあることでしょう。

わたくしは、閉ざされた村も学園も青春も柳田国男も好物なので最高でした(*ノ´□`)ノ

アロウと雪ちゃん、それぞれ過ごした10年間で微妙に違いがありそう。アロウの方が素直で大胆かしら?雪女の焼き餅やきとセットになった今後、一体どうなっちゃうの?想像だけで楽しい!!笑。

末恐ろしいのは、2人それぞれをメロメロにした綾乃。

特に最後の、「わたしのために虹架けてくれる?」は凄い破壊力ね( *´艸`)。

意味分かってるでしょうけど、本当に分かってるのかしら?!深夜のテンションも相まって、キャーーーー!恐ろしい子!と悶えながら読みました。

おすすめですヽ(●´ε`●)ノ




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