見出し画像

BEAST-JAAS勉強会 2024年度第一回~博士課程支援に関する勉強会~

こんにちは!NPO法人 日本科学振興協会(JAAS)学生部とBEASTです!

2024年度から “Society with Art and Science” をミッションに掲げるサイエンスと社会を結ぶ学生団体 BEAST と一緒に「博士課程支援に関する勉強会」を開催していくことにしました!

2024年4月5日に第1回を開催しました。若手研究者への支援策についての情報を共有し、今後の行動計画を検討しました。

勉強会を開催してきた経緯

JAAS学生部では2023年度から勉強会を開催してきました。事の発端は、2022年7月26日の日本経済新聞で「博士課程の生活支援、重複受給4割に 財務省がムダ指摘」という題の記事が掲載されたことです。具体的には、いくつかある博士課程学生への経済支援のうち、無利子奨学金の返還免除は他の経済支援との重複が認められないことになりました。このような重複受給が本当に無駄であるのかという疑問から、この問題を深く理解するために、国の博士課程支援の基本理念について学ぶ勉強会を開催してきました。

昨年度の振り返り

今回は2024年度の第1回ということで、今までの勉強会の内容を振り返りました。これまで、内閣府の「第6期科学技術・イノベーション基本計画」に記載されている若手研究者への支援に関する記述を読み合わせ、それに関連する単語や概念について調べ、6回にわたり意見交換を行ってきました。以下に過去の議論の内容をまとめます。

第1回では、テーマや題材、今後の会の方針を決めました。

第2回では、博士課程の学生を増やすためにはどうしたらいいか、そしてその恩恵を受けるのは国民全体なのか、それとも学生自身なのかについて話し合いました。修士課程の学生の増加も必要かもしれないという意見も出ました。また、基礎研究と応用研究の定義について行政文書を参考にすることが有効に議論を進める手助けになるとの意見も出ました。さらに、博士課程への進学率が低下している問題や、研究者が研究以外の業務に追われている現状、そして研究予算の一元化の必要性についても話し合いました。女性研究者や多様性の推進についても触れました。

第3回では、競争的研究費や人文社会系の研究の扱いについて話し合いました。理系が優先される傾向と人社系研究者の現状について問題提起されました。博士課程への進学を促進するための方策についても議論し、博士課程経済支援の基本金額となっている180万円がJASSOの試算から来ているという説明がありました。また、40歳未満の大学教員を増やし、教員の学内事務負担を軽減する目標についても話しましたが、2025年までの達成は難しいかもしれないという懸念も出ました。

第4回では、読んだ箇所に博士課程学生に関する情報は少なかったものの、各種研究費の制度設計や、大型プロジェクトに関する話題、国際共同研究に関する話題など、普段の学生生活であまり触れることのない情報について知ることができました。

第5回では、研究者の雑務削減に関する取り組みの効果を確認する必要があることが報告されました。データの利活用に関しても内部での関心が高まっています。

第6回では、文部科学省の取り組みについて議論しました。実際に計画が実行されているかどうかを確認し、提出された文書が公式な証拠として機能する可能性についても言及しました。

昨年度に行った以上の議論を振り返り、この勉強会の目的を再確認することができました。これからも、有意義な議論を続けていきたいと思います!

感想会

最後に参加者が感想を言い合いました。博士課程支援の受益者が誰なのか、支援金額の適切性、研究者としてのキャリアパスなど、多くの意見が出されました。

今後の方向性

課題について文句を言うだけでなく、実際に解決に向けて動いている人たちの活動を学び、学生側からの支援可能性について考えることが提案されました。今後の勉強会から、若手アカデミーの「見解 2040 年の科学・学術と社会を見据えて いま取り組むべき 10 の課題」を教材として使用し、さらに深い議論を進める予定です。

まとめ

今回は、若手研究者の支援に関する勉強会の第一回で初めて参加する人もいたので、これまでにしてきた勉強会の内容を振り返りました。次回の勉強会から、若手アカデミーの「見解 2040 年の科学・学術と社会を見据えて いま取り組むべき 10 の課題」を教材として使用し、さらに深い議論を進める予定です。
今後のわたしたちの活動を楽しみにしてしていてください!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?