第21話:オンラインの自治体を作ってみました

どうもこんにちは。バラエティショップ・レットゴー、サカキです。

最近かしこまって書いた方が読む人が受け取りやすいのか、くだけた文体で書いた方が読みやすいのか、さじ加減が迷子になっておりますが、こちらはレットゴー日誌ということなので、雑談のような気軽さでお話しできたらと思っています。

早速ですが、オンラインの自治体をはじめました。

オンラインの仮設自治体はじめました

この令和市ですが、あまりイメージを固定させず2021年の1月という時期になにか行動をしたくてうずうずしている人や、これまで積み重ねてきた先進的で実験的な活動がやっと受け入れられる時代が来た!と諸手を挙げて喜んでいるような人々に自由に定義してもらって、うまく活用してもらいたいと願っています。

なので、語りすぎないよう気を付けているのですが、あまりに語らなすぎるのも、うまく発芽しない気がしたので、どんな思いでスタートさせたかについて少しだけ書いておこうと思います。


緊急事態なはずなのに実感が乏しいことへの違和感

新型コロナウィルス感染拡大という世の中の共通課題が発生してから、1年ほどたちますが、災害と表現してもいい規模の現象が起きているのに、どこか地震や洪水とは違う存在感を放っているコロナ禍に、居心地の悪い気持ち悪さを感じていました。

時代を変えてしまうくらいの脅威が発生しているはずなのに、なぜか実感に乏しい。もっと身体感覚を伴うような緊張感があってもいいのに。なぜだろう。なぜだろう。

しばらく考えてみて、気持ち悪さの正体について下記の2点の仮説を立てました。

①今回は物理的な変容を伴わない災害だから、能動的で達成感を伴うタスクがないから気持ち悪い
②脅威に対して団結して乗り越えようとする人間の性質に反して、今回は解決策として分散を求められているから気持ち悪い


どういうことか、少し話を試みます。

物理的な変容を伴わない災害のだから能動的で達成感を伴うタスクがない

地震や洪水等の災害時には、かならず能動的で達成感を伴うタスクが発生します。

家をかたづけるとか、道や橋を修復するとか、そういったタスクです。

わたしは、このタスクはお葬式のような意味合いを持つと思っています。

災害後の精神的な混乱と緊張を誰かと共に行動することで緩和し、その後、起きた出来事を受け止め、次に向かうための動機と時間を人間に与える効用があると思うのです。


葬儀の際、参列した方々が全員帰って近しい親族だけになった時の『何はともあれ無事にお葬式ができてよかったね。みんなおつかれさま。』という達成感と疲労感や、儀式によって与えらえる自己対話と心の整理の時間は、災害発生⇒後始末⇒復興へと至る心理的導線と似た構造をしているように感じます。

しかし、今回のコロナ禍は、こういったものとは性質が異なり、災害に伴い発生したタスクといったら、外出を自粛したり、手を洗ったりマスクをすることや、事業においての対応や書類を書いたりといった頭脳を中心に使うもので、身体を動かし達成感や疲労感を伴うものは少なく、起きた出来事を受け止める時間も暴れる時間も与えられないまま、なんとなくパーテーションで隔てられた日常も見慣れ、過ぎていきます。


あ、これが気持ち悪さの正体かと感じました。

慟哭するほど悲しいわけでもなく、疲れ果てるほどすることもない。なんだか野性的な振る舞いがしづらい。暴れるタイミングを奪われた感じ。

感覚的な自粛という抑圧の中で、身体はなまっていき、道徳的な行動を求められ、脳は日に日に今の状況を受け入れ最適化していく。


「悲しみをばねに」と言ったりしますが、陰陽二極の反動で奮起して何かしようという感情反応も起きにくいので、激しく極端に行動する人も目に映らない。

みんなそれぞれに、なんとなく幸せそうで、それなりにうまくやっている感じ。

問題はないように見えます。余計なことを考えなくてもいいのか?


これもある意味一つの人類の幸せの形であろう、と納得しようともしましたが、何か直感的な部分でしっくりこない。

『THE END』の表示を出して、人類待望の感動のエンディング!を迎え、料理なんかを新しく趣味にしてレシピ開発に精を出す人生もよいものかと思いましたが、やっぱりしっくり来なくて、さらにはわたしのゴーストが「もうちょっと考えなさいな」と毎晩囁くので、もうちょっと考えてみることにしました。

もう一つのコロナ禍の気持ち悪さについても、思いを巡らせてみようと思います。


人間は脅威に対して団結して乗り越えようとする性質を持っているが、今回は分散を求められている

2つ目ですが、災害というテーマから私は2011年の東日本大震災を思い出しました。

そして、あの出来事の直後に世の中を席巻したキーワードといえば、絆や繋がりだったということを思い出しました。

しかし、今回はあまりそういった風潮になっていない。


それもそうです。集まるな。ソーシャルディスタンス。密です!!!の方向性なので、マスコミュニケーションの中では「さあ、集まってみんなで解決しよう!!」とは言えないわけです。

では、人々は集まっていないのかというと、そうでもない。


これまでに繋がっている交友関係内では普通に会ったり話したりしている。イベント的な集まりもそこそこやっている。けれど、それを他者に積極的に見せるのは憚られる。SNSに写真などあげてはいけない。医療関係者に申し訳ないし、世間からの批判もちょっと怖い。

この状況を見て、もしかしたらこのままそれぞれのコミュニティ間の交流が無くなったら、共有していなかった文脈の量が閾値を超えて、価値観の多様性の幅が開きすぎて、お互い何を言っているかわからなくなるか、興味が無くなって、会話が成立しなくなるのでは?バベルの塔?と思いました。

そこから一晩寝て、朝起きた時には「いや、それはさすがに極論過ぎた」と思い直したのですが、そこまでは言わずとも、日常的な生活圏を超えたコミュニティ間の情報交換や交流が減少して、それぞれのコミュニティ情報が入ってこなくなってしまうのはちとつまらないと結論付けました。

なぜかというと、2021年は本来だったら盛大に文化が花開く年だからです。


2021年は人類待望のお祭りみたいな年の始まり

これは、論理的な話というより直感的な話なので短く書きますが、2021年って本来は文化祭みたいな年だと思うのです。

それぞれの人がそれぞれのコミュニティが、今まで試行錯誤してやってきたことが、ついに盛大に花開く。

そんな時期が2021年だったはずで、コロナにそれを邪魔されたくありません。

そういう意味では、コミュニティ間を行き来する人と情報の交通量が減ってしまうのは、とてももったいないと感じる。さて、どうしようか。


今のままでも問題はない。

人々もそれぞれのコミュニティも既に充実している。

その上で何を世の中に配置したらもっと面白さを助長できるんだろう


コロナ禍の違和感に端を発し色々考えた結果、この問いにたどり着きました。


そうだ、自治体をリリースすればいいじゃん

そして、令和市をつくろうと思い立ちました。

自治体というパッケージは、多様な主体的な活動をつなげるハブ的役割としてふさわしいように感じました。


既に発生している各コミュニティを統合したいわけでもない。

わたしのプロジェクトにジョインしてくださいと呼び込みたいわけでもない。


わたしが見たいのは、「こちらの方々の素晴らしい知見と視座と、そちらの方々の尊い知見と視座が自由に交易し、化学反応を起こし、それぞれの活動がアップデートする」そんな光景です。

各活動をしている方同士が、垣根を越えて散歩のときにふとあいさつをするような距離感で(ちょっと欲張るならみんな友達のような身内のような感覚で)過ごしている景色が見たいと思いました。

アカデミックな方々も、営利企業の方々も、地域に特化した方々も、サークルも、NPOも、お母さん方の集まりも、趣味の集いも、規模やポジションに関わず「わたしたちの2021年の取り組み」をお互いがリスペクトをもって自然に交わるためにふさわしいプラットフォームってどんなものだろうと問うていました。

そして、

「あ、自治体じゃん。令和市だ。」

と思いつき、さっそく親しい友人何名かに連絡を取り、令和市の始動に至ります。

盛大にお祭りをしたい

令和市は2021年7月24日に消滅することが決まっています。これについては長くなるので、またの機会に書こうと思うのですが、この令和市最後の日にお祭りをしたいと思っています。文化祭です。

各コミュニティ・集まりで「2020年から今までどんな対話が行われ、何が生まれたのか」それらが一堂に介するそんなお祭りをしたいと感じています。

なんか盛大にやりましょう。

これから、わたしも勇気を出して、様々なコミュニティをされている方に、声をかけてお話をしに行こうと思っていますが、もしこの記事に偶然出会い、何か一緒にやりませんか?という方がいらっしゃいましたらご連絡くださいませ。


まずは対話からはじめたいです。

2020年何を思っていたのか、何をしてきたのか、これからについてどう考えようか。ゆっくり編むようにコーヒーでも飲みながら、話しませんか?

見たこともないくらいに鮮やかな時代が花開く景色を目撃することに興奮を覚える方、そういうの嫌いじゃないよ、むしろ好きだよって方。是非知り合いたいです。

あなたからのご連絡お待ちしております。

バラエティショップ・レットゴー サカキミヤコ

<参考>令和市についての記事まとめ


この記事が参加している募集

#おうち時間を工夫で楽しく

95,511件

#この街がすき

43,524件

広大な仮想空間の中でこんにちは。サポートもらった分また実験して新しい景色を作ります。