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現代を「鬼滅の刃」で読む(肆):一つできれば万々歳!

不確実性がますます高まる現代社会において、リスクテーキングしながら進んでいくためには、自分軸を持ちながら判断材料となる情報の分析や収集が必要です。

我妻善逸は泣き虫でしたが、育ての親である師匠(じいちゃん)に厳しくも優しく鍛えられました。優しさの中で厳しく鍛えられることは自分軸の形成にとって大切だと思います。

善逸:「誰からも期待されない。誰も、俺が何かを掴んだり、何かを成し遂げる未来を夢見てはくれない」
善逸:「誰かの役に立ったり、一生に一人でいいから誰かを守り抜いて幸せにするささやかな未来ですら、だれも望んではくれない。一度失敗して泣いたり逃げたりすると、あぁもうコイツは駄目だって離れていく」

他の剣士たちが次々と技を身に付けていく中で、善逸は一つの技しかできません。しかし、無意識の中でも技が繰り出せるくらいに一つの技を磨き上げました。

じいちゃん:「いいんだ、善逸。お前はそれでいい。一つできれば万々歳だ。一つのことしかできないのなら、それを極め抜け。極限の極限まで磨け」
じいちゃん:「泣いていい、逃げてもいい。ただ、諦めるな。信じるんだ、地獄のような鍛錬に耐えた日々を。お前は必ず報われる。極限まで叩き上げ、誰よりも強靭な刃になれ!!一つのことを極めろ」

子どもの愛着形成の時期は大切です。愛着はアタッチメント。近くにいてタッチし合う時期です。

子どもには、子どもに振り回される大人の存在が大切です。子どもに付き合う大人の存在が。

そうした中で構築する情緒的な関係は、子どもにとっての心理的安全地帯を形成し、安心感を与えます。善逸はじいちゃんからそれを受け取ったのだと思います。

善逸:「でも、じいちゃんは何度だって根気強く、俺を叱ってくれた。何度も何度も逃げた俺を何度も何度も引きずり戻して、明らかにアレ殴り過ぎだったけど、俺を見捨てたりしなかった」

自分の想定や能力を超える社会的な出来事(危機)は起こります。そのような社会で、自分で泳ぐところ浮いて待つところドリフト(流される)するところを使い分けて、局面を乗り切っていく必要があります。

そのためには体力、状況を仕切り直せる精神的なレジリエンス(しなやかさ)が大切です。

そうした力や能力を養うために、アタッチメントから生まれた安全地帯が必要なのでしょう。

善逸:「夢を見るんだ。幸せな夢なんだ。俺は強くて誰よりも強くて、弱い人や困っている人を助けてあげられるいつでも」
善逸:「じいちゃんの教えてくれたこと俺にかけてくれた時間は無駄じゃないんだ。じいちゃんのおかげで強くなった俺がたくさんの人の役に立つ…夢」

(コミック第4巻より)


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