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現代を「鬼滅の刃」から読み解く

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#竈門炭治郎

現代を「鬼滅の刃」で読む(拾壱):惜しみなく与える強さ

現代を「鬼滅の刃」で読む(拾壱):惜しみなく与える強さ

私の知っている研究室の博士課程の学生はほぼ留学生です。あまり好きな言葉ではないのですが、その出身地は「開発途上国」です。

彼らは博士論文を大学に提出するための条件として、(インパクトファクターが付いている)有力な国際誌に3報以上の論文を掲載しなくてはなりません。

研究室では夜な夜な勉強している学生を見かけます。彼らは色々な論文を読み込んだり、統計ソフトの使い方を磨いたり、新しいツールの活用法を

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現代を「鬼滅の刃」で読む(拾):身の回りの人の幸せのために

現代を「鬼滅の刃」で読む(拾):身の回りの人の幸せのために

「親ガチャ」という言葉が巷を少し騒がせました。発信元の若者たちの中にはそこまで深刻な言葉としてではなく、「しょうがねえなぁ」「やれやれだぜ」という意味合いも込めてライトに使っていた人もいるようです。

むしろ、団塊ジュニアあたりが強めに反応してしまった気もします。しらんけど。

哲学者のマイケル・サンデルは、その著書『実力も運のうち 能力主義は正義か』で、「親ガチャ」の考えを「メリトクラシーの世界

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現代を「鬼滅の刃」で読む(伍):家族ごっこ

現代を「鬼滅の刃」で読む(伍):家族ごっこ

旧陸軍には員数主義(いんずう)というものがあった。「員数」とは各隊に配備された物品の帳簿上の数のことをいう。この場合、実質は関係ない、かたちだけ整っていればよいという「体裁主義」(形が整っていないと恥ずかしい、不利益を被る等)ともいえる。山本七平(イザヤベンダサン)が日本軍の敗因として紹介していた。

さて、鬼滅の刃において「蜘蛛の鬼」は「家族」を持つことに拘った。自分を中心とした「家族」である。

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