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【今年のレノファ大丈夫?】レノファ山口 2022年シーズン展望

気が付けば今年もワクワクが募るJリーグ開幕の時期になった。
昨シーズン終盤から私はDAZNで配信されている番組『ジャッジリプレイ』の感想noteを書き始めた。が、年またぎの段階でその更新がなあなあになってサボってしまった。で、そうこうしているうちにシーズン開幕というキリの良いタイミングになった。というこで、今年は更なるアウトプットを目指して、私が愛してやまないクラブ・レノファ山口のマッチレビューを毎試合書いてみようと思っている。正直レビューを書けるほどのサッカーの知識がある訳ではないが、まあそこはやっていくうちに多少は付いていくのでは…との浅はかな打算で。

(上記のようなツイートをしたところ今年からレノファの社長に就任した小山文彦さんにいいねを頂き後に引けなくなった感もあるが…笑)

というこで、今回はその準備体操的なノリでレノファ山口の今シーズンのプレビューを書いてみようと思う。

2022年シーズンのレノファの選手編成

まずは今シーズンのレノファの選手編成について。シーズンオフでのレノファの選手の異動は以下のようになった。

IN (前所属)
ファンティーニ燦 (福島・レンタル加入)
生駒仁 (横浜FM・昨シーズンは北九州でプレー)
橋本健人 (慶応義塾大学)
上本銀太 (東海大福岡高校)
山瀬功治 (愛媛)
吉岡雅和 (福岡)
沼田駿也 (関西大学)
兒玉澪王斗 (鳥栖・昨シーズンは相模原でプレー)

OUT (移籍先)
山田元気 (富山・レンタル移籍)
楠本卓海 (水戸)
川井歩 (山形)
新保海鈴 (宮崎・レンタル移籍)
ヘニキ (岐阜)
高井和馬 (水戸)
澤井直人 (JFL・新宿)
田中陸 (相模原)
草野侑己 (横浜FC・今シーズンは琉球へレンタル移籍)
浮田健誠 (相模原)
小松蓮 (松本)

その他レンタル移籍中の選手 (レンタル先)
起海斗 (地域リーグ九州・沖縄SV)
伊東稜晟 (JFL・松江シティ改めFC神楽しまね)
国本玲央 (シンガポールプレミアリーグ・アルビレックス新潟シンガポール)

レノファを去った選手に対して、入ってきた選手に物足りなさを感じるのは決して私だけではないはず。
大分、仙台、横浜FCなどJ1仕様と何ら変わりないゴリゴリのメンツを誇る降格組、親会社マネー(多分)でクリスティアーノなど戦力の大幅な上積みに成功した長崎、J2の制空権を得た感の強い岡山、元レノファの2選手(高井和馬、楠本卓海)をはじめ昨シーズンJ3で旋風を巻き起こした宮崎から2選手(梅田魁人、前田椋介)などコスパの良さそうな補強をした水戸、インドネシア代表選手加入でInstagramのフォロワーが激増した東京V、豊田陽平という地元出身のビックネームを獲得した金沢など、今シーズンのJ2を戦うライバルたちの選手編成を見ると余計にレノファのそれが物足りなく見えてしまう。というか宮崎の梅田魁人はレノファに来てほしかった。山口出身だし、個人的には高川学園に居た高校時代から知っている選手なので。
まあ、新体制発表直前の年明けにリリースされた元日本代表・山瀬功治の加入でなんとかお茶を濁したというかお後をよろしくした感じだろうか。

割とビックネームな山瀬の加入は個人的にとても嬉しく、これで救われた感があるぐらいだ。「石川にしようかなー、はしけんにしようかなー」と悩んでいた今シーズンのユニフォームも山瀬の加入発表を受けて彼に即決したぐらいである笑。

現状のレノファは所謂市民クラブという形であるから(多分)、資金力も乏しい。その上財務体質もヤバい。(昨年発表の2020年度決算の時点で9000万弱の債務超過)その為、このオフの選手補強が物足りなくなってしまうのは仕方ないことではあるが、野球やバスケに比べるとサッカーは組織力で個の力を打開できるスポーツだと思っている。昨シーズン途中から就任した名塚善寛監督が継続とのことでチーム作りは決して難しくないはずだ。今シーズンのレノファは是非とも組織力で強豪ひしめく世界一アツい2部リーグことJ2で逞しく戦って欲しい。まあ、そのチーム作り云々に関しては後述にて…。

得点源大丈夫?

今シーズンのレノファの選手編成を見て多くのレノファサポーターが不安に感じたことはやはり攻撃面だろう。昨シーズンのレノファは渡邉晋監督の就任や渡部博文、関憲太郎といった心強いベテラン選手の加入と活躍によって総失点数は51と一昨シーズンよりも20点以上減らしている。一方で総得点数は37でリーグワースト5位となり2016年シーズンにレノファがJ2に参入して以来最少となった。そんなシーズンのオフであったが、レノファチーム内得点ランキング上位2人(高井和馬・6得点、草野侑己・5得点)が共に移籍。彼らに代わる選手を獲れたのかと言うと、何とも頷き難い。今シーズンのレノファは果たして誰が得点源になるのだろうか。今のところ前線には大槻周平や梅木翼といった選手を起用するとの噂らしいので彼らの奮起・覚醒に期待するしかないのだろうか。もちろんレノファサポーターとしてはレジェンド・岸田和人の復活もまだまだ諦めてはいない。得点源に関する我々サポーターの不安を良い意味で裏切って欲しいものだ。

ファンティーニ燦は絶対的守護神・関憲太郎の牙城を崩せるか

前述の通り攻撃面に関しては不安の大きい選手編成となった。一方で守備面、とりわけゴールキーパー陣に関してはなかなか楽しみな選手編成になっている。昨シーズン、絶対的守護神として君臨しレノファのJ2残留の立役者となった関憲太郎、足元の技術とPKストップに定評のある吉満大介アレアレオーは今シーズンも健在。加えて、横浜FMからのレンタル継続となった寺門陸、そして福島からレンタル加入のファンティーニ燦というゴールキーパー4人体制で今シーズン挑むことになった。で、気になるのは新加入のファンティーニ燦。

イタリア時代からアンダー世代の代表候補として何度か名前が挙がっていた記憶がある。その後逆輸入的な感じでJリーグにやって来るが、4年間でJ3 21試合の出場に留まるなどここまで決して順風満帆とは言えないキャリアである。実績は乏しいが、イタリア仕込みの選手ということでポテンシャルは高いはず。かなり高い壁ではあるだろうが、彼が絶対的守護神・関憲太郎の牙城を崩せるかどうかは個人的な注目ポイントである。いや、もちろん関にはまだまだ頑張って欲しいのだが。

橋本健人にかかる期待

今シーズンのレノファの注目選手として多くのサポーターが期待しているのが、今シーズンから正式にプロ選手としてキャリアを歩む橋本健人だろう。彼が大学3年生だった2020年の時点で、レノファが2年後の加入内定という青田買いを敢行した選手である。そして、昨シーズンまでの2年間は大学サッカーと二足の草鞋を履いて特別指定選手としてレノファの試合にちょくちょく出場。その僅かな試合出場でも他の選手と遜色なくJ2の舞台でバリバリやって多くのレノファサポーターをワクワクさせた。そして、満を持して橋本健人がプロ選手としてレノファに加入。プロ初年度から副キャプテンというう役割も担うことからも、サポーター以上にチームが彼にかける期待は大きいようだ。

もちろん、サポーターからの期待もかなりのもので、1月下旬時点でのレノファのユニフォーム販売ランキングは背番号14 橋本健人となっている。

プロ選手としてフルシーズン戦う橋本健人は、前述の通り不安の大きい選手編成な今シーズンのレノファサポーターにとっては数少ない希望なのである。そんな橋本健人であるが、やはり危惧されるのが夏での移籍。特別指定選手として2年間Jリーグの試合に出場しているので、既に気にかけているクラブもあるだろう。更に、今シーズンが始まり彼のプレータイムが伸び期待通り活躍するにつれて興味を抱くクラブは増えるだろう。DAZNマネー投入以来、夏の移籍市場においてJ2で活躍した選手をJ1クラブが引き抜くことが当たり前となっている為、橋本健人もシーズンの終了を待たずにステップアップする可能性が高い。そういう感じで遅かれ早かれ他所のクラブが彼を引き抜くことを見越してレノファは2年前の時点で橋本健人を青田買いしてキープしたのだろう。「安く買って高く売る」という点において夏のマーケットで橋本健人が引き抜かれてもトレーディングとしては(ベストかどうかはさておき)成功ということになるのだろうが、チームの戦力としてはかなりの痛手になるだろう。2018年シーズン途中に小野瀬康介がガンバに飛び立ったことはレノファサポーターにとって記憶に新しい出来事だろう。
まあ、プロ初年度にも関わらず橋本健人に副キャプテンという役割を与えたのは「今シーズンぐらいは最後までレノファに居てね…」というレノファからの些細な願いの現れなのかもしれない。尤も、他クラブではシーズン途中にキャプテンが移籍した例もある為、気休め程度という感じだろうが。

チーム作りの進捗どうですか?

このような選手編成で開幕を迎える2022年シーズンのレノファ。先に述べたように今シーズンのレノファは例年以上に(個の力に対する不安が大きいので)組織力が重要になってくると個人的には感じている。チームを指揮する名塚善寛監督はシーズン途中でのスクランブル登板となった昨シーズンとは違って今シーズンは年明けの始動日から監督としてチームに携わる。よって、キャンプなどで腰を据えてチーム作り行える。…はずだったが、1月下旬に行われた1週間ほどの鹿児島キャンプの数日前から選手にちらほら陽性者が出始める。

キャンプは無事全日程終えたようだが、その後チーム内で陽性者が相次いだ。その為、開幕直前の非常に大事な時期である2月上旬のおよそ1週間、チーム活動の休止を余儀なくされる。

(上記ツイートのチーム活動休止期間は後に2/10まで延長されている。)

昨年のガンバ大阪やBリーグの千葉ジェッツなどの例を見ると分かるように、チーム活動がストップすることはチームにとってかなり痛手である。シーズン途中でチーム活動が止まってしまうと選手のコンディション調整やその後の過密日程を余儀なくされる為、レノファに関してはこれがシーズン開幕前でまだ良かったと捉えることもできるだろう。だが、痛手であることには変わりない。開幕前の準備段階で大きなディスアドバンテージを負ったことは事実である。この1週間ほどのブランクがチーム作りに大きな影響を与えていなければ良いが…。果たして、レノファのチーム作りの進捗は如何ほどか。非常に気になる部分である。
もちろん、リーグ戦が始まり試合を重ねるにつれて見られるであろうチームとしての進化も楽しみな部分である。名塚善寛監督のマネジメントに期待。

社長交代によるレノファ内部のrenovation

ここまでネガティブな内容ばかりになってしまった。しかし、今シーズンのレノファには非常に楽しみな部分もある。年明けにリリースされたレノファの運営会社「株式会社レノファ山口」代表取締役社長の交代である。

レノファがJFL参入を控えた2013年の秋に運営法人が株式会社化される形で設立された株式会社レノファ山口。その設立時から今までおよそ9年間。監督及びGMの頃を含めると10年間に亘ってレノファの運営に携わってきたジャンボこと河村孝さん。そんな河村さんが株式会社レノファ山口の代表取締役社長を退任。中国リーグ→JFL→J3→J2とクラブがステップアップしていく過程でのクラブ運営会社の社長業は我々が想像できないぐらい激務だっただろうし、アカデミーの充実だったりと河村さんの功績は非常に大きい。本当に今までありがとうございました。
そして、そんな河村さんの後任として代表取締役社長に就任することになったのが小山文彦さん。山口県出身の経営者とのことで、サラリーマンを経て起業、イグジット、そして15年もの経営者経験というクラブの社長としては申し分ない経験の持ち主だろう。加えてJ3時代からスタジアムでレノファの試合を観戦するほどの「濃いめのファン」(本人談)とのこと。要するに、「ガチのレノファサポーターが社長になったった」という感じである。
この時点で楽しみでしかないが、更に小山新社長は既にSNSやYouTubeなどで積極的に情報発信はもちろんサポーターとの対話も試みている。ちょっとしたことなのかもしれないが、こうやってクラブのフロントに立っている人が情報発信してくれることはサポーターとしては本当にありがたい。まさに今の時代にピッタリな社長像なのでは。

また、1/15に行われた「株式会社レノファ山口代表取締役社長交代についての記者会見」の内容からも明らかなように小山新社長が最初に課された大きなミッションはクラブの財務体質の改善である。すなわち、約9000万円の債務超過の解消である。

債務超過解消の手立てとして小山新社長は増資を目指しているとのこと。つまり、既存の株主からの追加出資ないしは新規の出資者を募るということだ。その出資者に関しては「河村前社長にピックアップしていただいています」とのことで大方の目星は付いているのだろうが、その最終決定を下すのは(河村前社長や株主とのパワーバランスにもよるが)小山新社長ということになる。是非とも素敵な出資者をチョイスして欲しいところだ。
そういえば、増資といえば岡山が最近第三者割当増資を実施をしていた。

前述の通り岡山はこのオフになかなか魅力的な補強を敢行している。それと増資との因果関係は分からないが、もし関係しているのならレノファも…と来るべき増資に胸が躍ってしまう。尤も、岡山とレノファとでは増資する目的が異なるのでアレだが…。

そして、小山新社長には新しい風をどんどん吹き込んでいってレノファという箱舟で面白いチャレンジをたくさんしていって欲しい。河村前社長を批判するつもりは毛頭ないが、やはり10年間も会社のトップに居るとマンネリ化する部分もあるし、視野も狭くなっている部分もあるだろう。だからこそ、外からレノファにやって来た小山新社長には大いに期待したい。小山新社長のSNSでの積極的な情報発信を目にして期待に胸を膨らませている日々だ。実際、小山新社長のもとでレノファ待望の新スタジアムの話なども出ている模様だ。

また、これについては河村前社長の尽力によるものかもしれないが、小山新社長就任以降、「宇部興産のレノファのスポンサー契約締結」、「安永聡太郎さんをはじめとする有力者5名の専門アドバイザー就任」と非常にワクワクする明るいニュースも舞い込んでいる。

山口を代表する東証一部上場企業(今春実施予定の市場再編後もトップカテゴリーであるプライム市場残留とのこと)である宇部興産のスポンサー就任は多くのレノファサポーターの悲願だっただろう。
更に、後者の専門アドバイザーには安永聡太郎さんの他にも、今シーズンからバスケットボールのB3リーグに参入した山口ペイトリオッツの成田俊彦社長やフィナンシェの國光宏尚CEOなども名を連ねている。ペイトリオッツとのコラボはもちろん、今スポーツ界で流行りのクラブトークン発行もレノファでもそう近いうちに行われるのではないのかと思っている。非常に楽しみである。

それ以外にも面白いことを色々試みて、チーム名の由来の通りレノファをより良い方向に"renovation"していって欲しい。

ということで、不安と期待が入り混じる2022年シーズン。私は今年も1人のサポーターとして地元山口が誇る素晴らしいサッカークラブ・レノファ山口を応援し楽しんでいこうと思う。



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