本気ジャンケン。(2019/3/26)
今日は、この半年間「監督術」を学びに行かせて頂いていた公立中学の部活に“学生コーチ”として参加する最後の練習日だった。
練習が終わっての帰り道、何よりも感じたのは
「もっと早く彼女達に出会いたかったな~」ということだった。
この学校に行ったときに心掛けていたことは、自分が『潤滑油』となって機能することだった。
熱くて強くて選手育成に定評のある監督さんの下、選手達は皆懸命に練習しているのだが、現メンバーが持っている気質上、
上(監督さん)から強く打たれるとどんどん下に沈み込んでいくような、そんなチームだった。
ボトムアップとまではいかないものの、もっと選手達主体のチームになれば強くなるような気がして、
監督さんとも選手達とも沢山の話をすることで、お互いの思いや考えを中継することに努めた半年間だった。
信頼を得るためのコミュニケーションが全てだ、という監督さんの話はとても印象的である。
彼は、先日の3年生との送別会にて生徒達から
「何度も部活を辞めようと思ったけど、最後まで続けて良かった。今となっては全部自分達の為だったんだと分かり、感謝している」
という言葉を貰ったそうだ。
この選手達の言葉に強いチームになりうる要素が詰まっているような気がした。
そして、監督としてのやりがい・喜びの1つでもあるんだろうな~と思いながら、私はそのお話を聞いていた。
自身が全国大会に出た時や、関東大会常連校として名を連ねていたときに戦っていた他校の監督方が
学校を変えてもまた、継続的に強いチームを作って上位大会に出場し続けている一方で、
自分が率いる学校は、その舞台になかなか立てないことが悔しい、という話をして下さった。
素直に羨ましく思った。憧れの大人だなと感じた。
社会人になって歳を重ねても、自分を鼓舞するような感情が心の底から自然と沸き上がってくる、
そんな人間でありたい。
さて、話は変わるが、監督さんが神奈川県の中体連ソフトボール部専門部の役員を務めていらっしゃることから、この学校では、練習メニューに県内トップチームや県選抜チームの練習が、どんどん取り入れられる。
その中でもおもしろかったのは、スポーツメンタルを鍛えるものだった。
『本気ジャンケン』
ペアで、ガチで気合いを入れてジャンケンをして、勝ったら本気で喜ぶ、負けたら本気で悔しがる、至ってシンプルなゲーム。
大切なのは、感情を “おもいっきり発散” すること。
声はもちろん、全身手足の末端まで、感情表現に使う。
どういうことかと言うと、
行動を気持ちに依存させるのではなく、順番を逆にする。
行動をすれば、やがてその行動に気持ちがついてくる、ということだ。
ジャンケンに勝った、、、まあ別に、大して嬉しくもない。。。
けど、とりあえず、おもいっきり喜んでみる。
ガッツポーズして、
「よっしゃーーー!」と叫んで、
空高く何度も飛び跳ねる。
なんか嬉しいじゃん、自分!!!!
そんな感覚を得る。
ソフトボールは、試合の「流れ」があるスポーツだ。
どんなに有利に試合を進めていても、ピンチは必ずやってくるし
どんなに劣勢であっても、チャンスは必ずやってくる。
だからこそ、流れを引き寄せられるか or 流れを相手に渡さずにいられるか
という点において、チームのメンバーが持つ“メンタル”の部分は、とても大切になってくる。
端的に理想像を述べるならば、
「あきらめのわるい、ポジティブプレーヤー」。
よっしゃ、ここから!
今から行こう!
まだまだ、どんどん!
流れが自分達に傾いているときは言わずもがな、
劣勢に立たされている時こそ、そんなメンタルを持ったベンチの雰囲気があれば、強い。
そして、そのメンタルを内に秘めるだけではなく、チーム全体に波及させるという意味でも、
余すことない感情表現が必要になってくる。
だからこその、本気ジャンケン。
感情のスイッチを、自分の行動でONにできるようにトレーニングしてみても、おもしろいかもしれない。
『判断には基準が必要だが、決断は体でするもの。』
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