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発酵と練習

みなさん、発酵しておりますか?
最近発酵食品が楽しいです。
発酵食品を食べたり、発酵食品を仕込んだり、発酵食品について教わったり、誰かと発酵食品について話したり。
今この記事も、自家製酵母のドーナツと、美味しいチーズと、お気に入りのビールを呑みながら書いています。
本日昼間は、私が主宰するヨガスタジオで発酵ワークショップを行いました。
大好きなパン屋さん(今食べているドーナツもここの)をゲストにお呼びして、おいしいパンを生み出す素となる、酵母液をおこすWSをしてもらいました。
発酵についての発見や失敗談、わからないことをみんなで共有して、何よりも生き生きとパワフルな酵母液をみんなで飲むのはとても楽しいひとときでした。

酵母液で乾杯!

スタジオの中はまだ、香ばしい酵母の匂いと発酵の余韻に満ちています。
重たくじっとりと熱い夏の夜、ときおり風がスタジオの中を通り抜け、冷たいビールの苦みを喉に沁み込ませながら、気持ちの良い時間を過ごしています。
知識や効果ではなく実感として改めて、発酵の面白さ・良さを反芻しています。

発酵WSのあと、夜のスタジオで一人ヨガの練習をしました。
そのなかで発酵WSとヨガの練習にリンクするものを感じたので、忘れないうちに書き留めておきたいと思います。

本日の発酵WSで印象的だった話があります。
単純にパンを作るなら市販の酵母で作れるけれど、その土地の水や厨房の常在菌とともに時間をかけておこした自家製酵母で焼き上げたパンは、焼きたてのおいしさはもちろん、その後もおいしさが長持ちし、かつおいしく熟成していく。
といった話だったかと思います。市販の酵母か自分で酵母をおこすのか、どんな環境で育った小麦を使うのか、酵母と小麦の相性も、パンの焼き上がりやその後の日持ち、おいしさに影響があるそうです。

WSに参加していたお百姓さんも、畑でも同じようなことが起きると教えてくれました。
品種改良や農薬で成長を促進させた野菜や果物は、病気や虫に弱く、収穫後の日持ちも悪いのだそうです。

要するに、菌も野菜も生き物本来が持つ強さを尊重し、促成の手をなるべく加えず、時間をかけた方が結果として良いモノができるよ、みたいな話です。

ボトルに入った酵母液を開栓する瞬間。活きの良さ伝わりますか?

これは自分のヨガの練習にも似ていると思うのです。
なかなかアーサナが気持ちよく深められなかったり、どうしてもできないアーサナに苦労することが多々あります。
というか、練習のほぼ大半がそんな感じです。
原因は身体だったり、精神的なものだったり、そもそも原因がわからないことも。
それらの諸問題をクリアしていくには、かなりの時間を要します。
一生できないんじゃないか、と思うほど長い時間です。
とはいえ、練習を続けていれば少しずつ自分がなりたい姿に変わっていきます。
爆発的な変化はありませんが、それでも確実に、間違いなく変わります。
そして、出来ない時間を味わい、たくさん練習を重ねた身体は(そしてそれはおそらく精神においても)、怪我や病気をしづらい健やかさと強さを備えたものになると思うのです。

「あなたも○日で理想のカラダに!」
「時短!××しながら痩せる!」
「飲むだけで▲▲ボディに!」
「これさえやればハッピーハッピー!」
といったタイプの商材やメソッドはたくさんありますね。
そしてそれらは、安価で手軽に手に入れることができます。
それらのもとに出来上がった身体や精神は、健やかでしょうか。長持ちするでしょうか。
もうそれらに手を出している時点で何かが蝕まれている気もします。

どんなに練習してもできない身体やがんばりたくてもがんばれない自分に腹が立ったり、周りの成長に嫉妬したり置いてけぼりをくらったきもちになるけれど、おそらくそれは今の自分に必要な、乗り越えるべき過程なのだと思います。
簡単な方法やショートカットアイテム、そして悩みや苦しみから手っ取り早く解放させてくれる魔法は、目の前にタダ同然で転がっているけれど、そこに手を出してしまうと手を出す前の自分には戻れません。
楽ですから。

発酵に話を戻します。
発酵食品はたくさんの種類があり、わたしたちの生活においても身近なものです。
発酵という一連の出来事は、多様な菌の共生と、共生に適した環境(気温や湿度や循環)のもとに成立します。
環境の適応がうまくいかず、菌の共生バランスが崩れると、カビや腐敗という人間にとって不都合な現象になるそうです。
美味しい発酵には「○○でなければいけない!」「××さえすれば間違いない
!」という秘訣はなく、どうやら試行錯誤を繰り返して自分がいる環境を把握し、菌が共生できる場所を作っていくことがカギのようです。

わたしも試行錯誤を繰り返しながら、発酵ライフとヨガの練習を楽しんでいこうと思います。

今回ゲストとして来てくれたぶどうのたねのパン、とても美味しいのでぜひ食べてみてください。

そして8月も穴場で発酵WSを行います。
次のゲストはヨギのセイナミトウ。

彼女もまた、暮らしに密着した発酵ライフを送る人です。
暮らしの中での発酵との付き合い方や、身体や心に起こった変化について話してもらおうと思っています。
糠どこや野草酵素の試食・試飲もあるそうです。
彼女のかなりディープな発酵話を聞けるのは、おそらくこの機会だけなので、ぜひご参加ください。
WSの詳細や予約方法はこちらです。

WSでは、発酵にまつわるレクチャーはもちろんのこと、参加者それぞれの発酵経験を話したり、好きな発酵食品についての情報交換が行われて、それも楽しいです。
もちろん、発酵に興味があるけれど初めてで何もわからない…という人にもおすすめです。発酵経験者に様々な話を聞ける良い機会だと思います。

ぶどうのたねのドーナツかじりながら、皆さんの発酵話を聞くのが楽しかったな。

発酵食品の持ち込みも自由なので、お気に入りの発酵食品や、自慢の自家製発酵食品がある方はぜひ持ってきてください。

暑い日が続きます。
発酵食品を摂って、たくさん動いて、より良い身体作りを!

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