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棒ちゃん!? 〜幼稚園のかわいいはなし

英語には One to walk, two to talk.(1歳で歩き、2歳で話しはじめる)というフレーズがあります。OneとWalk、TwoとTalkが韻を踏んでいるので、覚えやすいのですが、これは本当に的を得ている言葉。子供が急に立ち上がったかと思うと、数週間のうちに歩き始めて、「ああ、もう1歳なのか」と思ったり、赤ちゃんだと思っていたら沢山おしゃべりを始めて「もう2歳なのね」としみじみしたりします。

そんな、2歳になったばかりのエリーズちゃん(仮名)のお話。

エリーズちゃんは、いつも大きな目で人を見つめて、ニコッとしている女の子だったんですが、2歳になるやいなや、ものすごい勢いでおしゃべりをするようになりました。

お友達や先生に対しても、とてもフレンドリーで、誰かを見つける度に「ハーイ、ジャック!」「ハーイ、デイジー!」などと、手を振りながら話しかけてきます。それも、10メートルくらい離れたところでも「ハーイ! ハーイ!」と声をかけてきます。

私の名前も覚えてくれて、「ハーイ、ジュミー! ハーイ、ジュミー! ハーイ、ジュミー!」(いずみ、です)と、呼んでくれます。

滑り台の上から、おやつを食べているテーブルから、お着替えをしている部屋から、場所も時間も関係なく、私の姿を見かけると「ハーイ、ジュミー!」と大きな声で手を振ってくれます。おそらく1日に50回くらいは呼んでくれているのではないでしょうか。めちゃくちゃ可愛い!

そんなある日、エリーズちゃんがお外で遊んでいる時、遠くにいた私を見つけて、手を振りながら叫びました。

「ハーイ、スティック!」

ん? 

見ると、エリーズちゃんの手の中には小さな棒が。どうやら、「ハーイ、ジュミー! アイ・ハブ・スティック(イズミ! 棒もってるの!)」と言おうとして、それが混ざっちゃったようです。

エリーズちゃん、自分でもあれ、と思ったようですが、すぐにめげずに「ハーイ、ジュミー! ハーイ、ジュミー!」と棒ちゃんをブンブン振り回しながらお話ししてくれました。

アイ・ハブ・スティック、のような文章も言えるようになってきて、エリーズちゃんもこれからもっともっと、気持ちを伝えることができるようになってくるでしょう。でも、今みたいに、相手の名前を言うことで、ものすごくたくさんの喜びと愛情を示してくれる時期も、とっても貴重。この短い期間を大事にして、私も同じだけ「ハーイ、エリーズ!」と声を返してあげたいと思います。




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