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電波戦隊スイハンジャー

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神も仏も小人も天使も異星人も暴れるヒーロー戦隊もの
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2022年12月の記事一覧

電波戦隊スイハンジャー#99

第六章・豊葦原瑞穂国、ヒーローだって慰安旅行ケール畑で捕まえて2

ケール畑で悟が消えてから10分後…

1キロ先の畑で薬草摘みをしていた薬師如来ルリオが上半身裸に竹籠を背負っててくてくと、

「サ~ト~ル~さ~ま~、ふええ~ん!」と地面を叩きながら泣き伏す真理子に歩み寄った。

そろそろ休憩しない?って思って来たんだけど…どうもお茶するどころではない事態が起きたようだ。真理子はルリオに気づくと

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電波戦隊スイハンジャー#100

第六章・豊葦原瑞穂国、ヒーローだって慰安旅行フレグランス2

芳香現象。

物理的な原因がその場に存在しないのに、香りがただよってくる、匂いが感じられる、という霊的現象。

「ねーなんだか青臭い匂いがするんですけど…」

聡介と緋沙子の会話から遡ること3時間前、見た目は豊乳ゆるふわガール。

だが中身は天然なのであまり同性に敵を作らない小岩井きらら、20才は泰安寺の正嗣の書斎にあるDVDを暇つぶし

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電波戦隊スイハンジャー#101

第六章・豊葦原瑞穂国、ヒーローだって慰安旅行フレグランス3

(注、いきなりR12なシーンから始まります)

青黒い渦が、自分の上で揺れている。

乳白色のたわわな乳房の間で汗の滝に濡れている。

日曜の夜、グラン・クリュ店員の越智巽こと役小角は上司勝沼悟からの着信を2度スルーした。

だって

「タ、タ、タツミちゃ~ん!!!」

と都内のラブホテルで妻ウズメに騎乗されて密事(みそかごと)にお励み

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電波戦隊スイハンジャー#102

第6章・豊葦原瑞穂国、ヒーローだって慰安旅行阿蘇1

翌朝聡介が目覚めた時には熱は下がっていた。

36度6分。頭痛は無く却って頭がすっきりしている。枕元には一筆箋の書き置きがあった。

明後日の長崎公演が終わったら東京に帰ります。  緋沙子

一筆箋からはかすかにラベンダーとバニラを混ぜたような残り香がした。聡介は母の書き置きを机の引き出しの中に丁寧にしまった。

デジタル目覚まし時計は午前6時

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電波戦隊スイハンジャー#103

第六章・豊葦原瑞穂国、ヒーローだって慰安旅行阿蘇2

1940年1月の昼下がり。

スイスチューリヒ市内で路面電車がカーブを曲がり損ねて横転する事故が、未遂に終わった。

なぜなら一人の細身の紳士が旧約聖書に出てくるサムソンの如きの怪力で倒れそうな巨大な車体を支え、一人の淑女を身を挺して守ったからだ。

この時に事故が起こって通りがかりの女性バイオリニスト、フロレンツィア・バウムガルテンが下敷きに

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電波戦隊スイハンジャー#104

第六章・豊葦原瑞穂国、ヒーローだって慰安旅行阿蘇3

松五郎総統は斜に構えてふふっ、と笑った。

「ニヒルな自分」を演出したかったのだろうがサンリオキャラ顔なので全然様になっていない。

「君たちには、黒川温泉1泊2日。オトナの修学旅行をプレゼントしようではないか。

日程は明日の夕方4時に黒川温泉旅館『岩しみず』入り口前に集合。現地に引率がいるので心配することはない。詳しくは行けば分かる。以上」

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