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メタバース幻想|なぜ失敗に走るのか?(前編)

Facebookが火をつけて以来、一層盛り上がりを見せる「メタバース」
しかしながら、その実態は掴みにくく、ともすれば誰かが熱狂を煽って一時的に浮かべた蜃気楼かもしれません。

ここではメタバースの概要と、それを超えて僕たちが真に実現したい「ネオ・メタバース」について紹介します。

自己紹介

早稲田に住んでる慶應生(@iwhododo)です。
大学院に通いながら、AR企業を設立し、自社サービスを開発しています。

いま取り組んでいるサービスは、『リアルの友だちと常に音で繋がり、離れていても一緒に過ごす』Z世代向けの"音声AR"SNSです。いまだに続くリモート・オンライン環境のもとで新しい生活様式として常時接続を目指しています。
これは一見すると、SFやゲーム性といった「メタバース」とは乖離した領域のものです。しかしながら、僕たちは構想段階から一貫して本質的に「メタバース」を標榜しています。

Z世代、音声SNS、メタバース、NFT…と僕たちの取り組んでいる領域はまさしくバズワードのオンパレードなのですが、これは決して煽動されて闇鍋を拵えている訳ではありません。それらの術語はバラバラのものでなく、次世代のソーシャルに連関したひと繋ぎの単語郡です。この全容が順を追って明らかになっているとも言い換えられます。

メタバースの語源

メタバースはインターネット上にある共有仮想空間を指す概念です。
その出典はNeal Stephensonによる著作『Snow Crash』で、作中では仮想空間で経済活動をはじめとするあらゆる活動が可能になっています。

メタバースはあくまで世界なので、特定の目的や背景の物語は用意されていない場です。そのため、特定の単一企業によって管理されている従来のプラットフォームや既存のSNSとは異なります。しかしながら、VR/ARによって確実に至る世界として各社でプロジェクトが進められています。

大海賊時代の幕開け

7月の終わり、Andrew Bosworth(Boz)のFacebook投稿によって「メタバース製品グループ」の設立が明らかになりました.彼はFacebookのVR/AR部門でVice presidentを務めており、今回のグループはそこの下部組織として位置付けられています。

Much of the work we’ve been doing at Facebook Reality Labs connects deeply to the Metaverse vision Mark has talked...

Posted by Andrew Bosworth (Boz) on Monday, July 26, 2021

Facebookのユーザー数は25億人以上。
どんな国より多くの人口を保有する国ともいえます。そこでモバイルインターネットの後継者として「メタバース」が宣言され、その構築に多額の投資を行う予定も明かされました。メタバースそれ自体は政府では構築できない社会インフラであるため、企業が取り組むのはある意味で道理です。

『Fortnite(フォートナイト)』Unreal Engineを有するEpic GamesのCEO ・Tim Sweeneyも、昨今はメタバースの到来を示唆しています。

私たちは、とてもとても長い間、メタバースに憧れていました。最初は、300ポリゴンの見知らぬ人たちとリアルタイムに3Dでテキストチャットをしていました。しかし、わずかここ近年で決定的な数の作品が足を揃えて急速にやってきました。(拙訳)

彼らは後述するスタンスによってメタバースを実現しようと動いています。

メタバースの定義

メタバースの語源については上に述べた通りですが、その定義や明確な要素については確立されたものがありません。

Amazon Studiosでグローバル戦略責任者を務め、現在は投資家であるMatthew Ballは、自身のブログでメタバースを以下の7つの要件があると定義しています。

1: Persistent(永続的)
2: Synchronous and live(同時性とライブ性)
3: No cap to concurrent participants(同時参加者数が無制限)
4: Fully functioning economy(モノの制作・売買などの経済活動が可能)
5: Both digital & physical worlds(デジタル/物理世界にまたがる体験)
6: Unprecedented interoperability(前例のない相互運用性)
7: Wide range of contributors(コンテンツや体験を多くの人が生み出す)

RobloxのCEO・David Baszuckiは、メタバースを「数百万の3Dバーチャル体験の中で、人々がシームレスに集い、交流するデジタルな場所」答えています『Roblox』は誰かが作成したゲームをプレイしたり、自分でゲームをプログラムしたりできるプラットフォームで、今年NYSEに上場を果たし、4兆円を超える時価総額がついています。
Robloxがもつメタバースに関連した8つの要素は以下の通りです。

Identity(アイデンティティ)
Friends(友だちがいる)
Immersive(没入体験)
Low Friction(軋轢・摩擦が少ない)
Variety(多様性)
Anywhere(どこからでも参加可能)
Economy(エコシステム・経済圏)
Civility(安全性)

Robloxは自らを単一のプラットフォームとして確立している点で、クローズなメタバースといえます。

逆に、Epic GamesのCEO ・Tim Sweeneyは「単一の企業や組織がコントロールするのではなく、参加者全員がその貢献度に応じた扱いを受けられるオープンなメタバースを志向している」とを明らかにしています。

僕たちが掲げる「ネオ・メタバース」も多く共通する部分があり、僕は以下の8つの要素が実際に可能かつ必要不可欠だと考えています。

1.時間的順行性
2.空間的無限性
3.個人のアイデンティティ
4.他者の存在
5.実利ある経済圏
6.相互運用性
7.サイバーとフィジカル空間の融合
8.不特定の目的

これについての詳細は割愛しますが、仮想空間プラットフォームとしてのメタバースにおける限界については後編に記載します。

世界での事例

メタバースに向けた取り組みとしていくつかの事例を紹介します。

ことの始まりとして語られることが多いのは、『Second Life』です。
本作が提供するのは当時すでに人気のあったMMORPGとは異なり、敵やクエストといった目的がない世界です。ユーザーは3Dのアバターを分身として操り、経済活動を含めた様々な、この衰退は他でも語られていることに委ねますが、これによってデジタル空間でのもうひとつの生活を意識し始めた人は少なくないでしょう。現在もサービスは継続しています。

FacebookはVR HMD(ヘッドマウントディスプレイ)のOculusを早い段階で買収し、ハードウェアでも最もVRに力を入れている企業のひとつです。

そのFacebookが発表しているVR プラットフォームが『Facebook Horizon』で、現在ベータテストを実施しています。

その中でも先日『Horizon Workrooms』としてリモートワークでもコラボレーションしやすい会議ツールを提供しはじめました。


VRプラットフォームという観点では、現状『VRChat』が最も大きいサービスと思われます。人気ゲームなど比較すると非常に少ないアクティブユーザー数には違いありませんが、直近ではシリーズDで8000万ドル資金調達も実施しました。自身で創意工夫しながらアバターやワールドを作成するユーザーも多く、初期のインターネット掲示板のような雰囲気を味わうことができます。日本発のイベントであるVketなど、大企業が出店するイベントなども多く事例がございます。ご検討の際は僕のDMまでお問い合わせください。

またオンラインゲームにもコミュニケーションやクリエイト機能を通してメタバースを感じられる要素は多くあり、上であげた『Roblox』『Fortnite』はその代表格です。特に『Fortnite』は、米津玄師やAriana Grandeなどの有名アーティストによるゲーム内のライブイベントが圧倒的なクオリティで、同時に世界中で数百万人・数千万人が同時に体験を共有している実感を得られるものとなっています。

メタバースを感じるオンラインゲームとして、個人的には『NO MAN'S SKY』を挙げています。『Minecraft』よりも遥かに広大なマップを誇る宇宙で、惑星間を探索しながら人と触れ合うセレンディピティやアセットを生成する体験にメタバースの片鱗を感じられるはずです。

また、ソーシャルサービスは単体でメタバースとして発展するよりも、ゲームと組み合わせてコミュニケーション要素を強化する戦略が一般的には取られてきました。

例えばEpic Gamesは『House Party』という"友だち向けのZoom"を買収し、Fortniteにもビデオチャット機能を組み込んでいました。しかしながら、同社は10月にHousepartyを閉鎖すると発表しています。

また、リリースからわずか6カ月で10億ドル以上の売上を超えたゲーム『原神』の開発・提供元miHoYoは、上場直前の匿名SNS『SOUL』に100億円の出資を実施しました。SOULのホームページからは、"Soul"Cial Metaverseと強くメタバースを意識したコンセプトが読み取れます。

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日本での事例

日本でもメタバースに向けて参入する企業は数多くあります。

特に、GREE子会社REALITYを中心に100億円規模の投資を発表し、CEOの田中良和氏も連日Twitterでも熱の伝わる発信をなさっています。

REALITYはアバターでのライブ配信が可能なスマートフォンアプリですが、今後よりソーシャルな機能をアップデートで追加していく想定です。

また、gumiを退任して、現在はThirdverseの代表取締役を務める國光宏尚氏はメタバースの実現に向けて、VRゲームにおいて世界的なヒットを目指すとしています

バーチャルSNS「cluster」は会議・イベントに特化した3Dサービスとして発展してきたので、国内企業がはじめてのVRイベントを開く際にも活躍しています。CEOの加藤直人氏自身はひきこもり生活の充実に力点をおいている旨を繰り返し発信していますが、メタバースの追い風を最も受けている企業のひとつには違いありません。モバイル端末などからのアクセスもしやすく、VRChatと比較しても優位な点がいくつも見受けられるVR SNSといえます。

以上、メタバースの概要と事例についてお伝えしてきました。
さて後編では、

NFTとの関連性
メタバースの限界
「ネオ・メタバース」という止揚
ネオ・メタバース企業はどこか
なぜ音声サービスを開発するのか

について書く予定です。
コメントやリアクションはTwitterも含めてすべて拝見するので、気になるところや感想をお寄せいただけると喜びます!

こんな人と話したいです

僕たちは現在プロダクトのテストをしながら改善している段階です。
ほとんど創業期で体制もなきに等しい段階ですが、モノがあってそれをどう改善していくか考えることができるフェーズでもあります。だからこそ一番おもしろい時期で変化を楽しめる人には最適だと思っています。

僕たちも学生なので、もちろん学生も受け付けています
・アプリの開発経験orグラフィック全般好きなUIデザイナー
・SNS運用に興味/インターンなどの経験のある人
・個人でもゲームのリリース経験があるUnityエンジニア
・何かがんばって結果出したことある人

すべて返信するので、まずはお気軽にDMまでご連絡ください!

また、メタバースに加えて、VR/AR・esports・クリエイターエコノミー等でご関心のある企業の皆様は、どうぞホームページ下部のお問い合わせフォームからご連絡ください(TwitterのDMでも大丈夫です!)。

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