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ニーズの先にある「真の欲求」を捉えるマーケティング戦略

はじめに

どんな企業においても、顧客理解は欠かせない。しかし、現代社会では、顧客が「欲しいもの」の多くはすでに実現されていて、ニーズの枯渇が叫ばれている。

そこで重要となるのが、顧客の潜在的な欲求を掘り起こすマーケティング戦略。今回は、顧客の「真の欲求」を捉え、DXを成功に導くためのヒントをご紹介する。

顧客の「インサイト」を掴む

顧客の「インサイト」とは、表層的なニーズの奥にある、潜在的な欲求や動機のこと。例えば、インスタントコーヒー市場では、手軽にコーヒーが飲めるというニーズは満たされているものの、「インスタントコーヒーは美味しくない」という不満の声があった。しかし、その裏には、「忙しい朝でも手軽に本格的なコーヒーを楽しみたい」というインサイトが隠れている。

このインサイトに着目したメーカーは、従来のインスタントコーヒーとは異なる、高級豆を使用した香り高いインスタントコーヒーを開発し、大ヒット商品を生み出した。

インサイトを掴むには、顧客の行動や発言を注意深く観察し、その背景にある心理を探ることが重要である。アンケートやインタビューだけでなく、SNSでの発言や行動履歴などを分析することで、より深いインサイトが見えてくる。

DXでインサイトを可視化する

DXツールを活用することで、顧客のインサイトを効率的に収集・分析できまる。例えば、

  • Webアンケートツール: 顧客の声を効率的に収集し、定量的なデータとして分析。

  • テキストマイニングツール: SNSやレビューサイトなどのテキストデータを分析し、顧客の感情や意見を把握できる。

  • 行動分析ツール: Webサイトのアクセス状況や購買履歴などを分析し、顧客の行動パターンを把握できる。

これらのツールを活用することで、顧客の「なぜ買ったのか」「なぜ買わなかったのか」という理由を深く理解し、より効果的なマーケティング戦略を立てることができる。

ジョブ理論で顧客の「真の欲求」を理解する

ジョブ理論とは、「顧客は製品を買うのではなく、その製品が解決してくれる『ジョブ(仕事)』を解決するために買う」という考え方。例えば、高級インスタントコーヒーの事例では、顧客は「手軽にコーヒーを飲む」という機能的なジョブだけでなく、「忙しい朝でも少し贅沢な気分を味わいたい」という感情的なジョブも同時に満たそうとしている。

ジョブ理論を理解することで、顧客の真の欲求を捉え、より顧客に響く商品やサービスを提供できる。

まとめ

顧客のインサイトを掴み、ジョブ理論を活用することで、ニーズの枯渇時代を乗り越え、持続的な成長を実現しましょう。


中小企業DX事典|Iwakami Sho|note
「DXが浸透しないのは言葉の定義が曖昧だからでは?」という仮説をもとに「デジタル活用=DX」という広い定義を設定しました。具体的なデジタル活用に役立つノウハウをまとめます。スキマ時間でサクッと読める内容を目指しています。

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