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「これが食べたくて」イワシ丸干し屋の朝食が人気なわけ

イワシとわたし

鹿児島県北薩地方、海沿いに位置する阿久根市。阿久根市は、イワシの丸干しやが十数件残る珍しい地域。
そんな地域に「これが食べたくてホステルに泊まりに来ました!」というお客さんがいるほど人気の朝食を提供するイワシビルというちょっと変わった名前のお店があります。

今回は、イワシビルの人気の朝食の秘密をご紹介。

イワシビルの朝食

イワシビルは、1階がカフェ・ショップ、2階が工場、3階がホステルになっているビル。
朝食は、ホステルの宿泊者だけが食べられます。

イワシビルの朝食

朝食はイワシの丸干しと鹿児島を楽しむ小鉢たち

中央のお皿には大羽イワシの丸干しが。
その周りをご飯とお味噌汁、小鉢5つが並びます。

小鉢に乗ったウルメイワシの焼き丸干し

最初にお楽しみいただく小鉢のウルメイワシの焼き丸干し。約3日間、しっかりと乾燥させた丸干しは、噛めば噛むほど旨味が広がり、これが癖になること!

大羽イワシの丸干しは東北などから脂ののったマイワシを買い、イワシビル営む下園薩男商店の本工場で丸干しに加工しています。
皮はパリッと中はふっくらしていて、脂の旨味をお楽しみいただけます。

噛んで旨味を楽しむ小さなウルメイワシの焼き丸干しと脂を楽しむ大きなマイワシ。同じイワシの仲間でも違う楽しみ方ができるのは、イワシの丸干し屋直営店ならでは。

朝食の具だくさんお味噌汁

お味噌汁で使っているお味噌は麦味噌。
鹿児島のお味噌は麦味噌で全国的にも少数派の珍しいお味噌です。他のお味噌に比べて塩味が少なく、優しい味わいが特徴です。
具には濃いえのき、あおさ、豆腐、玉ねぎと具沢山!

濃いえのきは同じ阿久根市の三笠きのこの「濃い乾燥黒えのき」を使用。イワシビルショップでも購入できます。

ご飯は黒米を使用。つぶつぶっとした食感が楽しいです。

まるこうさんのさつまあげ

さつまあげは、まるこうさんのさつまあげ。食べ応え抜群で、鹿児島らしい甘めの味付けでありながら生姜の風味がアクセントになっています。

お出ししている柑橘はその季節のものを使っています。できるだけ阿久根産の柑橘を使用していて、ボンタンの時期にはボンタンをお出しするようにしています。

ほうじ茶はすすむ茶屋さんのほうじ茶。マイワシの脂との相性がよくスッキリさせてくれる役割もあるとか。こちらもショップで販売しています。

ゆで卵は半熟さがポイント。半熟ゆで卵にはイワシビルの2階工場で製造している焼海老辣油焼海老焦がし醤油を添えています。
焼海老辣油がかかっているか、焼海老焦がし醤油がかかっているかはそのときのお楽しみだそう。

鹿児島らしさを味わえながら、心と体が喜ぶ朝食。
ホステル宿泊のオプションとして、800円で朝食をお召し上がりいただけます。

人気の朝食ができるまで

「最初の頃はどんな朝食にしようかと迷走していました」

イワシビルOPEN当初からのスタッフ、泉野さんにお話を聞きました。

「迷走しながらも、徐々にこれでいこうと固まっていって今の形になっています」

宿泊されたお客様のご希望の朝食時間に合わせて朝食づくり開始。

まずはお味噌汁の準備

「お客様の朝食時間に合わせて朝食を作っています。お客様が降りてこられたら、お味噌汁とイワシを温め、ごはんを盛り、温かい状態でお出しするようにしています」

大羽イワシを焼く泉野さん

お味噌汁の準備をして、大羽イワシを焼き始めたら、小鉢料理をのせていきます。

実際に取材をしながら朝食準備の様子を見ていると、ホステルから降りてきて、陽の光がたっぷり入るテーブル席に腰掛けて一息ついたところで出てくるという早すぎず遅すぎずの絶妙なタイミング。
準備の工程にもスタッフの思いやりが詰まっていました。

朝食で繋がる輪

ベストタイミングでテーブルへ運ぶ泉野さん

イワシビルスタッフが心掛けていること

「つくることはもちろんなんですけど、そのものを知ってもらうことを心掛けています」

朝食を作るうえで心掛けていること。美味しくつくることは大前提で、ウルメイワシの丸干し屋の直営店としての想いがありました。

「ウルメイワシと言われて、あぁ、ウルメイワシねっていう反応の人はなかなかいない。ただどこで獲れたものというだけでなく、魚に興味を持ってもらえるように、例えば、『ウルメイワシは目がウルウルしてるからウルメイワシって言うんですよ。焼いたら目はなくなっちゃうんですけどね』みたいな小ネタを挟んだり。
説明するだけでなく、興味を持ってもらえる、知ってもらえるように心掛けています」

連泊されたときの工夫もありました。

「連泊されるお客様の中には約1週間、長い人で2週間毎日朝食を食べてくださる方もいて。こういう朝食は普段食べないし、どこにもないから食べたいと言って、その日その日で朝食を担当するスタッフがつくるお味噌汁を楽しんでくれていました。そのときは小鉢の内容をちょっとずつ変えたりしながらお客様が毎日食べても楽しめる朝食を考えて提供していました」

お客様によると、同じレシピでもスタッフによって微妙にお味噌汁の味が違うのだとか。連泊されたからこその発見。
少しずつ変わる小鉢も朝のちょっとした楽しみになりそうです。

イワシビルスタッフのお楽しみ時間

朝食の時間は、お客様とのコミュニケーションも多いです。その時間が、スタッフの楽しみにもなっています。

「朝食の時間は、宿に泊まっていただいた方と一番お話ができる時間で、その時間が凄く楽しいです。宿の感想も聞いたりしています。」

「皆さん、『美味しかった』『こんなにちゃんとした朝食久しぶりに食べた』って声が嬉しいです。
朝食を目指してこちらに泊まってくれたり、ここの宿が目的で阿久根に訪れてくれたりするお客様もいます。ここが拠点になって阿久根を知ってくれるのはありがたいです」

そう話すスタッフの笑い顔から覗く瞳はキラキラしていました。

陽の光がいっぱいに入る空間で心も体もリフレッシュできる。そんな豊かな朝ごはんの時間をイワシビルで過ごしてみませんか?


宿泊のご予約は公式ホームページから。

イワシビルの公式Instagramはこちら。


イワシとわたしの物語

今回紹介したイワシビルの朝食は、7月公開の「私のための朝を過ごす」に登場しています。

一人旅の朝。彼女は求めていた朝食に心を躍らせていた。
そうそう。これが食べたかったんだ。
彼女がこの場所に泊まり、この朝食を食べるのにはちゃんとしたわけがある。ゆっくりとごはんと時間を噛みしめるこの時間は彼女にとって必要な時間だった。

イワシとわたしの物語vol.15「私のための朝を過ごす」より

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旅と時がコンセプトのイワシビル。 イワシビルにはいろんな方が訪れます。 ふらりと寄った人、 大切な人と思い出を作りに来た人、 何かに立ち向かおうとする人、 これから旅立つ人――。 いろんな人が集まるこの場所で出会った一つ一つのご縁を記録します。

マガジン「イワシと旅ビト」より

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