コントな文学『スーパーのおいなりさん』
コントな文学『スーパーのおいなりさん』
仕事終わりの帰り道、近所に新しくオープンしたスーパーで4割引のシールが貼られた6個入りのおいなりさんを買った。
最近のスーパーのお惣菜って、こんなにレベルが高いのかぁ。
企業努力によるおいなりさんの味に驚き感動した。
しかも4割引後の値段は167円だった。
こんなに美味しいおいなりさんを167円で6個も食べられるなんて・・・
今日は木曜日だけど、感動したのは今週入って初めてだっけ?
いや、今日20日だけど感動したのは今月入って初めてだったかな?
アレ?
最後に感動したのって、いつだっけ?
ワールドカップでサッカー日本代表が強豪国を相手に勝利して以来かな?
奨学金で大学まで行って就職したのに、やりがいを感じない仕事を手際よくこなして給料は手取り20万。
毎日毎日、同じ事を繰り返しているだけのような不完全燃焼な日々。
今年で30歳になる。
子供の頃、こんなに感動の無いつまらない人生を送っているなんて夢にも思っていなかった。
スーパーのおいなりさんは沢山の人間に、驚きと感動と喜びを与えるているのに、俺はスーパーのおいなりさん以下なのか?
俺なんかでもこの先、人に感動を与える事ができるのかなぁ?
寝る前に、今日食べた4割引で167円のおいなりさんの味を思い出したら泣けてきた。
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