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大坂自然史フェスティバル(2023年) (2023/11/18~11/19)ー前編

1.はじめに

 おはようございます。こんにちは。こんばんは。IWAOです。2023/11/18と2023/11/19の2日をかけて、大坂自然史フェスティバルへと行ってきました。今回も、多くの方の出展があり、どのような展示をしているのかをここで紹介します。是非、ご覧ください。

2.構成

 ここで、紹介する出展者は、「プレコ暮らし」、「パレオ・ラボ」「カヤネズミネットワーク」「乙田休耕田クラブ」「南大阪昆虫同好会」「池田・人と自然の会」の方々になります。
 今年の大坂自然史フェスティバルは、書きたいことが、たくさんあるため、2編構成にします。前編では、「プレコ暮らし」、「パレオ・ラボ」「カヤネズミネットワーク」を紹介し、後編では、「乙田休耕田クラブ」「南大阪昆虫同好会」「池田・人と自然の会」を紹介します。
(*これは、前編を執筆時の予定です。変更になる可能性も大いにあります。)

3.プレコ暮らし

 まず、一発目は、プレコ暮らしさんから紹介します。皆さん、「プレコ」という魚は、ご存じでしょうか。平らで背鰭が高く、壁にくっついている魚です。アクアリウムを趣味にしている人には、非常に馴染のある魚です。
 プレコのような魚は、日本に生息していませんが、分類は「ナマズ目ロリカリア科」に属します。このことから、プレコは、日本に生息する魚から見たら、ナマズに近い生き物ということが分かります。熱帯魚だと、コリドラスに分類が近いです。

こちらが、セルフィンプレコです。
過去に私が飼育していたコリドラス(青コリ)です。
こちらもナマズの仲間です。
日本を代表するナマズ、ビワコオオナマズです。
プレコに似ている何かを感じると思います。
(*琵琶湖博物館にて撮影)

 プレコ暮らしさんは、プレコのイラストを基にバッジ、マグカップ、陶器、バック…等々とグッズを作成し、販売していました。作成されるグッズの多さに驚きました。
 では、プレコ暮らしさんの感じるプレコの良さとは何でしょうか?まずは、「バリエーションの多さ」と答えてもらいました。プレコという魚をイメージすると、沖縄で大繁殖したセルフィンプレコをイメージし、大きい熱帯魚と思う人が多いと思います。しかし、プレコと一言で言っても、様々な色と形、大きさをしています。縞模様のタイガープレコやインペリアルゼブラプレコ、やや黒みが強くても青いブルーフィンプレコ…などとプレコでも代表的なもの以外でも多くのプレコがいます。また、プレコの飼育そのものの魅力も教えてくれ、それは、「ブリードが簡単だ」ということです。生物を飼う時の醍醐味の一つは繁殖で、プレコでもそれが可能であるということです。グッピーやメダカのようにオリジナル系統が作れるのかは、分かりませんが、プレコでもその可能性が見えたような気がしました。つまり、プレコは、コケ取りとしての「おまけ」ではありません。その上、本来の生態では、住処を持ち、そこを隠れ家とするとよく隠れるそうです。プレコそのものの生態を楽しむ生態も飼育の見ごたえではないでしょうか。
 一方、私の思うプレコの良さというのは、「鎧のような骨格」です。骨格標本のまま動き出したら、不気味な所がありますが、同時に魅力のようにも感じます。プレコの骨格標本を見たことありますが、めちゃくちゃ堅そうだなと見てて感じました。しかも、骨に隙が無いので、「鉄壁の防御」を持っていると感じます。沖縄で、大繁殖して問題になっていますが、プレコが何故、あんなに繁殖できるのか?という問題の一つの答えは、防御力にあるのではないかと考えているくらいです。

プレコの全身骨格です。
鎧のような骨格がカッコいいです。
プレコのイラストたっぷりのバックです。
プレコのキーホルダーです。
こう見ると、種類が非常に多いです。

 私も、アクアリウムを趣味にしている人間です。現在は、熱帯魚を飼育しており、特に、中型~大型のラスボラとカラシンが気に入っています。いつかは、中型~大型バルブや日淡のオイカワ、カワムツなども飼育してみたいと思っています。つまり、そこそこ大きい流線型をした魚が好きだということです。同時に、ニッチなものが好きな人だと分かるはずです。プレコ暮らしさんとの会話で、アクアリウムの世界というのは、以外にもニッチが狭い世界でもあると感じました。

私が飼育した熱帯魚で一番のお気に入りのレッドローズラスボラです。

4.パレオ・ラボ

 パレオ・ラボさんは、「珪藻」と「プラントオパール」の展示をしていました。これら2つを調べることで、何が分かるのかが、非常に奥が深かったです。

・珪藻

 まず、「珪藻」について説明しますが、皆さんは、「珪藻」とは何かをご存じでしょうか。「珪藻」は、川、池、湖、海…などと水のある場所なら、「どこにでも」生息している植物プランクトンで、その生息地の範囲の広さが、非常に多いことに驚かされます。一例として、PHが、1~2の強酸性からPH10~11の強アルカリ性の水、温泉、湿地などと取り上げればキリがないほどで、「エッ!!、こんなとこに住めるのかよ⁉」と驚く所にも生息しています。珪藻の大きさは、幅広いのですが、0.002~0.5㎜と肉眼で見ようとしても難しいものが多いです。どこにでも生息し、非常に小さい故、水中環境では、一次生産者に当たり、動物プランクトンや魚や貝の餌となるため、生態系を一番底の部分で支える縁の下の力持ちです。

 何を言っても、珪藻の最大の特徴は、「珪酸質」を材料とした「ガラス質の殻」を持つという点になります。「ガラス質の殻」は、珪藻の種ごとに違う形や模様をしており、楕円形のもの、丸型の物、くびれたもの、連結したもの…などと非常に多くの姿、形を持っています。私が、大阪自然史フェスティバルに行った時、2日目に自然史博物館の近くにあるビオトープからとられた泥を顕微鏡で、写して展示していました。とれたてほやほやの珪藻が、見れるとは、思いもしませんでした。

珪藻の画像です。
顕微鏡でも見れますが、顕微鏡からタッブレトの画面に写してもらいました。
こちらが、自然史博物館の近くでとられた珪藻です。
真ん中の楕円形の珪藻は、実際に動き、生きている状態を見ることができました。

 ここからは、珪藻を研究する意味について説明します。珪藻の特徴である「どこにでもいる」と「独自のガラス質の殻」の2つを組み合わせることで、分かることがあります。それは、「環境」です。珪藻は、水があればどこにでも生息しているものですが、どこにいるもの全て同じ種類というわけではなく、「生息地ごとに」珪藻の種類や特徴があります。よって、河川や池などの水系では、珪藻を水質の判定や水系の環境を診断するのに使われることがあります。
 珪藻を研究することで、分かる環境は、「現代」だけではありません。昔の環境、つまり、「古環境」も含みます。珪藻は、ガラス質の殻でできているため、残りやすいものであることは、想像に難くはないはずです。まして、珪藻の姿・形は、種類ごとに違うため、珪藻のガラス質の殻も姿・形が違うものになります。どのような珪藻が、過去に生息していたのかを調べることで、地層からとれた珪藻は、湿地だったのか、池、川、海だったのかなどの「その土地の状態」を知ることができます。その上、土地の状態だけではなく、出土した珪藻が生息していた時代は、どのような気候であったのかを絡めれば、「気候」の復元にも使えます。珪藻から、温暖な時代だったのか、又は、寒冷な時代だったのかを見ることができるということです。

こちらは年稿で、珪藻ではありませんが、何が積もったのかで当時の環境を復元できます。
(*化石ハンター展で、撮影)

*だいぶ前に読んだ本で、『海と陸をつなぐ進化論 気候変動と微生物がもたらした驚きの共進化』が、珪藻から調べた古環境についての内容だったはずです。読んでいた当時、ここまで分かるのかと非常に驚かされました。こちらも是非、ご覧ください。

・プラントオパール

 珪藻に並んで、「プラントオパール」が展示されていました。プラントオパールは、植物の体の中に「珪酸を材料としたガラス質」が溜まった物質になります。このプラントオパールを最もため込む植物が、「イネ科」や「カヤツリグサ科」になります。プラントオパールがあるからこそ、有利になれる点があり、それは、「背丈を高くできる」という点です。特に、ススキがいい例で、人くらいの背丈があります。木でもない草が、背丈を高くできるのは、確かに不思議ではないでしょうか。プラントオパールがガラス質でできているため、草が固くなり、背丈を伸ばすことが可能になったからです。イネもススキと同じ理由で、そこそこの高さを持って立つことができます。
 プラントオパールも先程説明した珪藻と同じく、「種類ごと」で「姿・形が違う」という特徴があります。プラントオパールで、特に、注目される植物があり、それは、「イネ」です。イネのプラントオパールは、葉と籾でそれぞれ形の違うものになっています。葉の部分では、扇形をし、取っ手と思わせる部分が、細長い形をしています。イネの何が注目されるのかというと、「過去に稲作をしていたのかどうか」という点になります。

 イネの生体です。
これが、イネのプラントオパール(葉)です。
https://paleolabo.jp/analysis-information-4-1.html  より引用

 もし、その地域で、稲作を行っていたのかどうかを検証するとした際、単純な話、イネそのものを見つければいいです。しかし、日本の土地が、酸性土壌であるため、動物や植物の痕跡は、非常に残りにくいです。また、水田跡も見つけるのもありですが、こちらも見つかりにくいです。また、農工具も木製品でできているものが多く、籾と同じく、残りにくいのが特徴です。

籾の塊で、下之郷遺跡から出土しました。
(*琵琶湖博物館にて撮影)
土器の底の部分に籾の痕が就きました。
(*森ノ宮遺跡展示室にて撮影)

 稲作を行っていたのかを検証する際、イネのプラントオパールが、注目される理由は、イネのプラントオパールの形が非常に「特徴的であること」と「一か所から集中的にとれる」という点になります。イネの形をしたプラントオパールが見つかった際、少なくともイネがあったことを示唆する証拠の一つになります。集中的に取れた際、水田のようなイネだけを集中的に集めていた場所があったことが推測され、そこがかつて水田だった可能性が示唆されます。
 その上、地層の重なり方とプラントオパールを見た際、ある地点から、プラントオパールが、見つかるようになった場合、地層の年代も加味すれば、いつ、その地域で、「イネが栽培されるようになったのか」も推測できるようになります。
 プラントオパールをどう見るのかによって、いつ、どこで稲作が行われていたのかが分かるヒントになります。プラントオパールでここまで過去を再現することができるようになるとは、思いもしませんでした。(*プラントオパールで、全てが分かることを意味しません。その点にご注意ください。)

遺跡を上から見た図です。
1か所からプラントオパールが集中的に見つかれば、そこは、水田だった可能性があります。
(*筆者作成)
地層とプラントオパールを重ねた際のイメージです。
(*筆者作成)

 「珪藻」、「プラントオパール」の両者に共通することとして、「珪酸のガラス質」でできていることに加え、「環境を復元できる」ということです。植物が作るガラス質の物質が、過去の環境を復元し、その対象が、私達の先祖の土地の利用まで反映させてくれるということにロマンを感じます。

5.カヤネズミネットワーク

 カヤネズミネットワークは、カヤネズミが、どこに住んでいるのかを知り、その保全を図る活動をしている団体です。
 カヤネズミは、学名を「Micromys minutus」といい、ネズミ目ネズミ科に分類されるネズミです。第一のカヤネズミの特徴は、「非常に小さい」ということです。全長6~7センチほどで、手の甲くらいの大きさがあるかどうかくらいの大きさしかないです。ただ、カヤネズミが、私たちのイメージするネズミとは、違う特異な特徴もあります。それは、「草原に生息する」という点です。私たちが、イメージするネズミとは、山の中で木のみを食べているものや都会の下水道の中に生息するドブネズミのような「出てほしくない」「汚い」などのようなものだと思われます。そのイメージと大きく離れるものであると思われます。もしかしたら、日本に草原なんてあるのか?と思われた方もいるかもしれません。サバンナのような年中乾燥して、ずっと草しかないのような場所ではありません。「カヤ」と名前がついているように河川の草むらに加え、休耕田などの草むらとなるような場所が生息地になっています。つまり、自然に草原ができる場所ではなく、人間が自然を利用することで生み出され、人間の作り出してきた2次的な環境に生息する生物です。

こちらがカヤネズミです。
めちゃくちゃ小さくて可愛いです。
(*アクアトトぎふにて撮影)
琵琶湖博物館にて撮影したカヤネズミです。
カヤネズミの巣です。
展示されていたのです。

 こちらのカヤネズミ、非常に可愛いネズミですが、残念なことに誤解も与えています。一つ目は、「害獣」であると勘違いされていることです。水田やそこに隣接する草原に棲息していることもあり、もしかしたら、稲を食べているのではないか?と思われていますが、稲を食べることはあまりなく、食べるものの中心は、「雑草」と「害虫」で、イネに混生するヒエや、イネにつくバッタやイナゴなどが好物です。つまり、「益獣」です。カヤネズミネットワークが出展されているブースでは、猫じゃらしの「食痕」も見ることができました。どのようにして、植物の種を食べているのかが分かり、非常に興味深かったです。

カヤネズミの実際の食痕です。

 2つ目は、カヤネズミの「危機」も絡む話で、「ペットにしてはいけない」という点です。カヤネズミは、現在、絶滅危惧種に指定されており、都道府県単位でのレッドリストでは、1都2府38県のうち、1都2府28県のレッドデータブックに掲載されています。レッドリストに指定される大きな要因は、「生息地の減少」です。彼らが生息地とする草原は、開発によって、減らしています。同時に、「人の管理がされない」ことにより、カヤネズミの生息地が減少しているという要因もあります。日本の地理や気候の特徴は、ジクザクした土地が多く、山ばかりで雨が多く降ります。つまり、日本では、自然に草むらができにくい環境だということです。かつての日本では、カヤを燃料や屋根に利用するために、草原を維持・管理していきましたが、今では、そのようなことがなくなり、遷移が進んでカヤネズミの生息には適さない環境になってしまった所が多いです。

https://www.nacsj.or.jp/2017/07/5557/  より引用

 カヤネズミをペットとして飼育することの問題点は、「愛玩動物と同じであるという誤解を与えてしまう」ということです。ペット問題の代表格であるカワウソと比較すると、共通する問題点とカヤネズミ独自の問題点が出てきます。サメ社会学者Rickyさんは、自身の動画において、カワウソのペット化による問題を以下のように指摘しています。私からは、カヤネズミに共通しつつも違う点もある①と③について解説します。

①ペット需要によるカワウソの輸入が絶滅に追いやっている
→ペット需要が、絶滅にさらに拍車をかける
②飼い主の手元にいたるまでのルートがブラックボックス化している
→トレーサビリティが確立していない。
愛玩目的に合わない生物なのに、「可愛い」所のみを強調している
→メディアや配信者の情報が、誤りばかり
→飼育は、一般人には手に負えないくらいハードルが高い

https://youtu.be/jxD1Nsd4knY?si=YaiKvY_W1gYFkiUN  を要約

*Rickyさんの動画、特に、カワウソのペット問題は、非常に分かりやすいです、是非、ご覧ください。

 ①についてですが、「日本のカヤネズミ」では、カワウソほどの絶滅の危機(*コツメカワウソは、ワシントン条約の付属書Ⅰに指定され、商用目的での輸出入が、禁止されています。)にはありませんが、絶滅危惧種となっているカヤネズミをペットにすることが好ましいことではないことは、間違いないでしょう。ペットとして「ヨーロッパカヤネズミ」が、日本に輸入されています。それが、外国のカヤネズミの絶滅に繋がるリスクがある上、種類によっては、日本のカヤネズミよりも事態が深刻です。このペット需要についてもカヤネズミネットワークでも、下記のように警告が出されています。また、カワウソのペット需要が一番高い国は、「日本」との指摘があります。ペット需要が、生物を絶滅に追いやっている事実を改めて見返さなければなりません。
(*カヤネズミを愛玩目的で出品しているサイトがあります。決して手を出さないようにしてください。)

カヤネズミの生息環境は、河川改修などが原因で年々悪化していて、日本だけでなく、世界的にも生息数が減っています。ペットショップで売られているカヤネズミは、外国から輸入されたと聞いています。カヤネズミをペットショップで購入することは、外国のカヤネズミの絶滅に手を貸す行為ですし、日本のカヤネズミにとっても大変深刻な問題です。

http://kayanet-japan.com/staticpages/index.php/shiiku  を引用

 カヤネズミのペット目的での問題点があり、「交雑」を起こすリスクがあることです。これは、カワウソのペット問題との違いです。愛玩目的で日本に来た外国産のカヤネズミが、逃がされ、日本のカヤネズミと交雑することで「遺伝子攪乱」が起こるというリスクがあります。カヤネズミで遺伝子攪乱が起こっている話は聞いていませんが、ペット目的での飼育が、拡大することで、野外に離される可能性が大きくなり、日本で進化してきたカヤネズミが消されてしまう可能性があります。
*遺伝子攪乱の何が危険か、どうなってしまうのかは、過去のブログ(*特にクワガタ)で説明しています。こちらもご覧ください。

 ③では、カヤネズミを「愛玩動物と同じ生き物である」と誤解させてしまうという問題です。カワウソの場合、見た目の可愛さに相反し、非常にうるさいくよく噛んでくる、飼育するにはプールやろ過機などの専用の設備が必要で結果的に莫大な投資が必要などと飼育しようとした際、一般飼育できる生物ではないことが分かりますが、そのような問題が、触れられていません。その上、コツメカワウソの原産地は、開発などの影響も受け、原産地では数を減らしています。その渦中にあって愛玩目的で輸入をしてしまうことは、コツメカワウソの数を減すことにさらに拍車をかけます。つまり、「可愛さ」しか見られず、負の部分が見られてないということが問題です。
一方のカヤネズミの場合、竹馬にまたがる、タンポポやチューリップの中にカヤネズミを入れるなどと「自然下で生きるカヤネズミでは見ることのないものを自然下で起こりえることと錯覚させている」という投稿が行われていることが、カヤネズミネットワークで、注意喚起されています。家畜化された生き物は別としても、カヤネズミは、そもそも野生の生き物です。野生の生き物は、人と距離が近い場所で生きても人に懐いて生きているわけではありません。人間と生きている世界と論理は、根本的に違います。つまり、野生動物は、人間とは一線を画した世界で生きているということです。カヤネズミを虐待したいから、上記で指摘した誤った投稿をしているわけではないと思いますが、野生動物に対する配慮や知識がないからこそ、誤った投稿をしてしまったのではないかと思います。カヤネズミの生態を理解して、誤った投稿をしないようにさせなければならないのですが、その前に「野生動物は、下手に近寄らない」「自分から距離を置く」という接し方も大切ではないかと思います。

画像はイメージです。このようなツイートが問題になっているそうです。
私は、見たことがありませんが…
(*筆者作成)

 カワウソとカヤネズミのペット問題を比較した際、両者の状態や起こっている問題で違いはありますが、「可愛い」が、理解を間違った方向に導いているということは、共通していると思います。しかし、どういう生態をしているのか、生物がどういう状態に置かれているのかを知らなければ違った扱いをし続け、「絶滅」などの取り返しのつかない事態になってしまうことになってもおかしくはありません。
 そういう意味では、「可愛い」という言葉は思考を停止させてしまう魔法で、その魔法にかけられてしまってはいけません。どういう生物で野生はどのように生きているのか、現状どのような状況に置かれているのかも「可愛い」と思うと同時に考えることが、カワウソとカヤネズミのペット問題から見えてくるのではないでしょうか。
 カヤネズミでは、ペット問題として、本来の自然をめちゃくちゃにするだけでなく、本来の本来の姿ではないものが野生下の姿と見られてしまうなどと悪い面があり、この状況は、早急に改善されなければなりません。しかし、人が創出して維持した環境にうまく適応しつつも雑草や害虫などを食べるように人に対してもメリットもあります。「ネズミ」というと、汚い悪い生物と思われますが、決して、そのような生物ではなく、いいイメージを持てる生き物でもあります。いい面、悪い面双方からカヤネズミを見返さなければならないと思います。

*過去のブログで、カヤネズミについて記述したものがあります。こちらもご覧ください。

6.まとめ

 以上が、大阪自然史フェスティバルの前半の内容になります。「大阪」という地域性よりも「プレコ」「珪藻」「プラントオパール」「カヤネズミ」とテーマでの内容になりました。それぞれ深掘りしなければ見つからない魅力があり、前半の内容で、その魅力に触れることができたのではないかと思います。また、私自身、展示を見なかったら、一生、その魅力に気づかずになっていたままのものもあり、勉強になりました。このようなブースは、私が興味を持っても、普段の生活の場面では、深掘りまで行かなくてもさらに深掘りをしようという機会に恵まれていました。ホネホネサミットの時もそうですが、今持っている興味・関心以外にも触れる機会があり、非常に刺激がありました。このようなイベントを見つけ、参加し、報告してきたいなと思います。

 後半は、大阪を中心としつつも「地域の自然」をテーマにした内容にする予定です。「日本の自然と生物多様性の豊かさの根源は何か?」を考えた際、「地域の自然の独自性」にあると思います。例えば、大阪と東京、または岩手などとそれぞれの自然を比較した際、同じ自然があるといえるでしょうか?共通していてもそれぞれの地域に違う自然があるのではないでしょうか。中心は、関西地方になりますが、「地域の自然の独自性」について紹介したいとお思います。
 以上になります。ここまで読んでくださり、ありがとうございました。後編もお楽しみにしてください。

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