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この環境で実力を磨き、やり切りたい。DF田中龍志郎【Voice】

今シーズン、ソニー仙台FCから移籍してきたDF田中龍志郎選手。1月の新体制発表会で一発芸を披露するなど、明るいキャラで早くもファンの心をつかんだ選手会副会長が語ります。

▼プロフィール
たなか・りゅうしろう
1995年生まれ。習志野高→流通経済大→ソニー仙台FC
2020年いわきFC入団

■髪の毛を剃るのは試合に向けたスイッチ。

田中選手のトレードマークといえば坊主頭。でも取材日は、髪が少々伸び気味でした。

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「バリカンを使って自分で剃っています。試合前に剃ることが多いので、試合がない時期は伸びっ放しになりがち。コロナ禍の影響で試合がなくて、こんな感じで伸びちゃっています。

髪の毛を剃るのは、試合に向けたスイッチ。儀式ですね。剃るのはたいてい、試合当日の朝です。髪を剃って坊主にすると、気持ちが一気に試合モードに入る。アウェーゲームにもバリカンを持っていって、朝にホテルのお風呂場でやります。剃らないと髪が気になって、試合に集中できないんですよ(笑)

坊主頭は大学2年から。自分で剃って6年目です。正面から見える部分は簡単ですが、後ろとか見えない部分は、バリカンのジョリジョリいう音を頼りに感覚で剃ります。剃り残しやすい所、強く押さないと剃れない所などいくつかポイントがあるので、そこをしっかりと。もうベテランですから(笑)」

■絶対目立ってやる! と意気込んだ天皇杯。

JFLの強豪・ソニー仙台FCから今シーズン、いわきFCに加入した田中選手。ソニー時代の2018年には、天皇杯でいわきFCと対決した経験があります。当時は流通経済大からソニー仙台FCに加入して1年目。ひときわ大きな声でチームを鼓舞し、存在感を見せていました。

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「試合会場がいわきグリーンフィールドだったので、いわきFCサポーターがたくさん集まっていました。僕は観客が多いと興奮するタイプ。あの日は『絶対に目立ってやる!』と、意識しまくっていたのを思い出します。

いわきFCの印象は"筋トレ軍団"。見た目がゴツい、ゴリラみたいな奴がそろっていました。ただし、それは自分も同じ(笑)。キャラが似ているからこそ、何が何でも負けたくありませんでした。試合には勝つことができて、うれしかったですね」

ソニー仙台FCは実業団クラブ。田中選手は当時、ソニーの社員として働きながらサッカーをしていました。

「朝8時半から14時まで仕事をして、15時から17時ごろまでサッカーの練習。そして自宅に帰って夜ご飯を食べて寝る、という毎日でした。大卒1年目は研修期間。さまざまな職場を2カ月ごとに回り、6カ所の職場を経験しました。

入ったばかりのころは学生気分が抜けず、仕事は正直、面倒でした。仕事と練習の気持ちの切り替えが上手くできず、怒られてばかりできつかったですね。

入社2年目に配属先が決まるのですが、ソニーがビルメンテナンスを委託しているシー・エス・ビルサービスという会社に出向しました。ソニーから依頼を受け、ロッカーなどの耐震固定、会議室のセッティングや清掃業務などをするのですが、ほぼ現場仕事。だから、身体がきつい時もありました。でも、ソニーの社員の皆さんから『ありがとう』と言ってもらえることに、徐々に喜びを覚えるようになっていきました。

また、チームの先輩方の取り組みにも影響を受けました。ソニー仙台FCの選手はみんな真面目で、仕事とサッカーの切り替えがとても上手い。その姿勢を見習いながら、毎日の仕事の中にサッカーの上達に通じる部分を探しました。

仕事を頑張ることは絶対にサッカーに生きる。目の前の仕事を一生懸命やれれば、サッカーでつまらないミスをしなくなる。そう信じて、気を抜かずに仕事をするようになりましたね」

ソニーという大企業で働きながらサッカーをしたことで社会人としての常識を身につけ、人として成長できたと語る田中選手。でもサッカー選手としては、100%満足できたわけではありませんでした。

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「ソニー仙台FCはJFLの強豪ですが、実業団クラブ。J3への昇格を目指していないので、プロとは環境が異なります。確かに、選手を引退してもそのまま働き続けることができ、実際そういう人も多いですが、自分にそのつもりはなかった。

サッカーができる時間は短いのだから、もっと競い合って成長したい。上を目指してチャレンジしたい。そう思い続けていました」

■「ただ筋トレしているチーム」ではなかった。

そんな時、かつて戦った"筋トレ軍団"から獲得オファーが届きます。いわきFCには流経大時代にともに戦った中島俊一コーチや、大学の先輩であるGK坂田大樹選手やMF日高大選手が在籍しており、オファーは率直にうれしかったと語ります。田中選手は移籍を決断し、2020年シーズンからいわきFCの一員になりました。

「入って特にきつかったのが、ウエイトトレーニングでした。大学時代からある程度やっていましたが、ソニー時代は仕事もあり、ほとんどできなかった。それもあって、シーズンイン当初の鍛錬期(ウエイトトレーニングを集中して行う期間)は本当にハード。筋肉痛で、全身が悲鳴を上げていました。

その一方、誤解があったこともわかりました。いわきFCはサッカーの練習をあまりせず、筋トレばかりしてやみくもに身体を大きくしているチームと思い込んでいた。でも入ってみたら、そんなことはまったくなかった。

筋トレはプログラムがしっかりしていて、それぞれの選手に合ったメニューと重量を設定し、ゲームの中で動ける身体作りを目指している。そして、サッカーの練習量もかなり多い。外から見ていた印象とは、まったく違うチームだとわかりました」

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いわきFCのプロ契約選手として、サッカー1本で生活する立場となった田中選手。練習環境に恵まれたことで、毎日の成長を実感しています。

「自分自身の一番の強みは、試合の中での存在感です。常に声を出し、誰よりも強い存在感を示したい。そしてプレー面では、フィジカルの強さ。競り合いや対人の強さには自信があります。

ただし、課題もたくさん出てきました。今まで本能でプレーしてきましたが、細かいステップやポジショニング、相手との駆け引きなど、ソニー時代にほとんど意識したことのなかった細かなウイークポイントに気づかされました。

その点、いわきFCのスタッフは、実績のある方ばかり。田村監督を始め、後ろの選手の気持ちをわかってくださる方も多い。その方々の経験を授けてもらえることを、本当にありがたく思っています。

課題が明確になった分、選手としての伸びしろがたくさんあり、まだまだ成長できると確信しています。だから今、めちゃくちゃ楽しい。この環境で実力を磨き、やり切りたいと思います」

■このチームと一緒に上がっていけたら絶対に楽しい。

田中選手はチーム加入1年目ながら、日高大選手とともに選手会副会長に就任。チームを引っ張る役割を期待されています。ただし、この役職には決して自ら立候補したわけではない、と語ります。

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「こう見えて意外と人見知りなんですよ(笑)。もともと堅苦しい空気は嫌いだし、自由気ままにプレーしたいから、役職には向かないと思っていました。でも選手みんなで話した時に『新加入選手から1人入れよう』となって…。

てっきり、一緒に移籍してきた最年長のFW鈴木翔大さんがやると思っていたのですが、自分に回ってきてしまいました。断って雰囲気が悪くなるのも嫌だったので『じゃあ、やります』と」

もちろん、やるからにはきっちりやる。全員のモチベーションを少しでも上げ、いい雰囲気で試合や練習に臨めるよう、先陣を切って声を出して盛り上げる。これが、選手会副会長としてできることだと考えています。そして、一人のサッカー選手としてもステップアップを目指しています。

「いわきFCはフロントの皆さんの熱意がすごいし、サポーターもしっかりと根づいている。自分が今後どうなるかはもちろんわかりませんが、Jリーグの舞台を見すえて、ともにステップアップしていきたい。このチームと一緒に上がっていけたら、絶対に楽しいと思います。いわきFCがJ1にたどり着くまでの過程で、自分がどこまでやれるのか。シーズンが楽しみで仕方ありません」

■古巣に勝って、相手サポーターを煽りたい。

新型コロナウイルスの影響で、JFLは今年のリーグ戦を短縮。開幕は3月から7月に変更となりました。自粛期間のチームでの活動は、少人数グループでのトレーニングが中心。選手達はそれぞれの課題克服に努めました。

「実はここまで、あまり調子がよくなかった。シーズンイン当初は練習をしっかりやってケガもないのに、なかなかコンディションが上がってきませんでした。環境が変わったことが大きいのかもしれませんね。そんな時にたまたま自粛期間に入ったので、身体を休め、もう一度コンディションを作り直すことができました」

緊急事態宣言の解除とともに、チームは活動をリスタート。6月半ばからトレーニングマッチも再開され、7月のリーグ戦開幕に備えています。大学(流経大ドラゴンズ)時代に2年、ソニーで2年。JFLでのプレーは今年で5年目になる田中選手。戦いの舞台を熟知する一人として、いわきFCには大きな可能性があると分析します。

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「いわきFCはJFL向きだと思います。JFLには上手い選手はいますが、試合を通じて走り続けられる選手は少ない。多くのチームは、いわきFCのガンガン走る勢いのある戦い方が苦手なはず。だから十分、優勝を狙えると思います。

10月18日には古巣・ソニー仙台FCとの試合がありますが、これは燃えますね。優勝を左右する大一番になったら最高です。少しぐらいケガをしていても絶対に出たいし、何が何でも勝ちたい。負けたら、相手サポーターにいろいろ言われるでしょうからね。でも勝てたら、こっちが煽ります。そして『やっぱり、あいつがいなくなったのが痛かったな』と思ってもらいたい。

開幕が延び、いわきFCの試合を心待ちにしているサポーターの方々もたくさんいらっしゃると思います。皆さんを喜ばせるプレー、自分にしかできないパフォーマンスで盛り上げていけたらと思いますので、ぜひ楽しみにして下さい」


■田中選手をもっと知るための、5つのQ&A
Q1:髪の毛を剃る他に、試合前の儀式はありますか?
A1:公式戦で履くスパイクがあって、試合ごとに洗います。きれいなスパイクに試合当日、ロッカーで紐を通すことが、気持ちの整理になっています。すべてにおいてきれい好き、というほどではありませんが、普段使うものや大切にしているものを清潔にするのは、心を落ち着かせる意味で大切です。

Q2:オフは何をしていますか?
A2:気分屋なので特に決めていないのですが、家でまったりしたり、本を読んだり。あとは洗車ですね。ジープを2時間ちょっとかけて洗います。ドライブに行くこともありますね。一人で小名浜方面に行ったりします。この前はチームのジープ仲間4人、4台で出かけました。三密が危ないので、いっさい近づかないクリーンなオフを過ごしました(笑)。

Q3:普段、仲よくしている選手は誰ですか?
A3:一緒にドライブに出かけたジープ仲間は、日高大選手、松本健太郎選手、前田尚樹選手です。あとはYouTubeで「バナセージちゃんねる」を一緒にやっている白岡ティモシィ選手ですね。二人でYouTubeの企画会議をします。

Q4:YouTubeチャンネルはどういう経緯で立ち上げたのですか?
A4:ティモシィ君から「YouTubeを一緒にやらないか」と誘われたんですよ。最初は「企画だけはやるけど、編集とかの作業は頼む」という感じで始めたのですが、結局僕もちょこちょこやっちゃってますね(笑)。編集、結構楽しいですよ。

Q5:いわきの街の印象はどうですか?
A5:湯本に住んでいるのですが、とても過ごしやすいです。ソニー時代、仙台から車で30分ぐらい行った海の近くに住んでいて、もうホントに何もない所でした。そこと比べたら、いろいろあってずっと便利ですね。

次回は2016年からチームに在籍し、昨年はスーパーサブとして活躍したFW吉田知樹選手が登場します。お楽しみに!

(終わり)


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